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週刊東洋経済で彼女のことを知ったのだが、

私が知らないだけで今注目の大変な有名人だったようだ。

本書は彼女の半生を綴ったものだが、

20代そこそこで半生記など書けるのかと普通は思うが、

十分一冊の本になってしまうほど彼女の人生は盛りだくさんだ。

起業する前からして凄い。

中学から柔道を始め、埼玉で一番強い高校から声がかかったのに、

その一番強い人たちを倒したいという思いから、

女子柔道部のない高校に入学し、地獄のような特訓を受けるという話など、

スポ根漫画の主人公でもここまでしないのではないか。

また国際機関のインターンとして働くも国際援助のあり方に疑問を感じ、

最貧国であるバングラディッシュを訪問し、

それだけではなくそこの大学院に進学してしまう話なども、

そのほとんど直情型ともいえる行動力にはただただ驚くしかない。

そんな彼女が,小泉改革を強烈に押し進めた、

新自由主義の申し子とも言える竹中平蔵のゼミ出身とは皮肉な巡り合わせだ。

志も高く、行動力も高い彼女なら、きっとマザーハウスの代表だけでは終わらないだろうと思う。

彼女の物語を読んでいると、人間にはできないことなんてないんだと思わせてくれる。


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私は、自信満々な人や、自己主張の強い人間が嫌いだ。

しかし、イチローの記録や発言はいつも気になってしまう。

それは彼が正真正銘のトップに君臨し続けているからだろう。

突拍子もない発言もイチローなら許せてしまうのだ。

それは多分、イチローがヒットを打ち続けているからだと思う。

本書を読むとイチローは天才というよりは努力の人という感じがする。

イチローは常に同じ状況を保つことに神経を注いでいる。

いつも同じリズムを続けることにより彼はプレッシャーに打ち克っている。

逆に言えばイチローはプレッシャーに弱いということになる。

イチローは弱い。だから、私はイチローに惹かれるのかもしれない。


イチローとメディアの関係についてはよく言われることだが、

なるほどなあと思う記述があったので引用しておきたい。


「メディアの向こうにファンがいる。イチローはもっとメディアにオープンになるべきだ」

雄弁にぶち上げた関係者はもう数え切れない。

問題はその正論を正面切って本人にぶつけた人が誰もいなかったことだ。

私の知る限り代表取材に異を唱えた人は多数いても、

その方法で得られたコメントの使用を拒否してまで主張を貫く人は皆無だった。

そして、正論を吐く人ほど、たまの全員会見でひとつも質問しようとしないことが多かった。

そんな矛盾を嫌というほど現場で目にした。




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BOOK2読了。

物語が進むにつれて、青豆、天吾ともに周りから人が一人消え二人消え、

もともと人とのつながりが希薄だった二人はどんどん孤独になってくる。

すべての関係がそぎ落とされていく中で、自然とお互いにとってお互いが大きな存在になっていく。

そもそも人間とは何に寄って立つ存在なのか?

それが分からないから、人は時に宗教にすがったりもするのだろう。



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角川oneシリーズは内容軽く、読み易いものが多いはずなのだが、

本書は非常に重いテーマだった。

野中広務氏の出自については魚住昭著「野中広務差別と権力 」により知っていたが、

本人自らが赤裸々に語ったものが他にあるのだろうか?少なくとも私は知らない。 

これでもかと出てくる日本の差別の実態は読む者を何とも暗い気持ちにさせる。

それは、なぜか?たぶん我々の潜在意識の中に根深く残る差別の根が、

我々の内部の奥深くを抉るからではないだろうか?

私は日本人の多くは石原慎太郎や麻生太郎のような積極的差別主義者には属ささないと信じている。

しかし、私は日本人の多くが積極的無関心または消極的差別主義者であることを否定できない。


野中氏と同じ丹波から中国戦線に送られた部落の青年が中国で息を引き取るとき、

部落民だということで死を前にしても誰も近づかず、同郷の部落の青年一人が見取った。

同じ釜の飯を食っていても、共に命を懸けた戦場でも、差別の方が勝つのだ。




ハゲタカ




NHKドラマ「ハゲタカ」の続編。


説明が少なく、ドラマを見た人間にはまどろっこしくなくてよかったが、


見たことがない人間は少し不親切に感じるかもしれない。


リーマンショックなどを受けて内容を変更したそうだが、


当初の内容はどんな感じだったのだろうか?


一部気になって点もあったが、最後まで面白く見ることができた。


たぶんこれは日本への応援歌の意味をこめて作ったのだと思う。



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話題の1Q84 BOOK1を読了した。

文庫になるまで待つつもりだったかが、ついつい買ってしまった。

とりあえず前半の感想は、これまでの村上作品(全部読んだわけではないが)と比べて、

モチーフであったりテーマであったりが直接的であるということだ。

村上作品の特徴の一つは、独特な会話のやりとりだが、

いつもは感じる、何処となくもやっとしたこそばゆい感覚が今回は今のところ抑えられている。

前半で脱落する人はとりあえずいないのではないだろうか。

だが、そこは村上作品、このままあっさりとは終わりそうにはない。

後半鍵を握るであろう「リトル・ピープル」も今の段階で何なのかはっきりしない。

全く別々の物語のようにして始まった青豆と天吾の物語が、

一つに重なる予感を抱かせて前半は終わる。

数々の疑問がBOOK2においてどう解かれていくのか、はたまた何一つ明らかにはならいのか。

まあ、四の五の言わずに頁をめくるべきだろう。

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映画「スラムドックミリオネア」 の原作。

本作には映画版にはない強かさがある。

本作は映画よりも金(資本)がシビアに描かれている。

一方、映画版にも良いところはある。スピード感においてはかなわない。

特に前半はもたもたしている。

しかし後半から結末に向けてのダイナミックさにおいては映画版をはるかに凌駕している。

ラスト二問から結末に向けての展開は、商業映画では到底描くことはできないだろう。

映画の拍子抜けするようなラストと比べ、

「フェラーリも持ってるぜ」というスッテッカーをはった運転手つきベンツなどえげつないのだけれども、

逆に清々しくさえ思えてくるから不思議だ。

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この本は非常にいい本だと思う。それは基本的には将棋のことしか書かれていないからだ。

解説の部分では若干応用的なことも書かれているが、

少なくとも羽生さんは将棋に関することしか述べていない。

これが人生訓だとかビジネスに応用できるとかなると胡散臭さを感じてしまう。

逆に将棋のことしか書かれてないと、もしやこの思考法は自分の仕事にも

応用できるのではないかと勝手に考えてしまうから面白い。

よく持ち時間9時間とか一体何を考えているのか思っていたが,

あの九×九の盤上に無限の可能性があると言われると何だか奥深いものがある。

そしてその大半がマイナスの手であり、

読まないというのがプロとアマの違いだというのは面白いと思う。

また、9時間なら9時間ずっと考え続けているわけではなく、

羽生さんほどの人でも何も考えていない瞬間があるというのは何んだかホッとする。

スラムドッグ$ミリオネア


本作がアカデミー賞を取る前に、劇場で予告編を見たのだが、

ミリオネアのクイズの場面をはさみながら、スラムの少年がとにかく駆け抜けていく映像を見て、

面白そうだなと思った。その後、アカデミー賞を獲得し、さらに箔がついた感じがした。

しかし、今回は嗅覚が正常に働かなかったようだ。

決して面白くないわけではないが、なんとなく物足りなかった。

別に、残虐な物語が見たかったわけでもなく、

予定調和のハッピーエンドでももちろん構わないのだが、

予告編のように一気に駆け抜けて気分爽快という風には残念ながらならなかった。

何が足りなかったのだろうか?

貧困を物語の核に据えたようでありながら、実際的には表層的にしか扱っていなかったからだろうか?

確かにそこにはインドを都合よく利用したという側面があるかもしれない。

ただ、私がのめり込めなかったのは、

たぶん主人公ジャマールがあまりに素直というか平坦すぎたからかもしれない。

彼には狡さがない。狡さを求めるのはおかしな話かもしれないが、

さしたる葛藤も感じさせず、かといって無垢というわけでもない。

ジャマールが歩んできた道が、偶然クイズの答えを導き出しているはずなのに、

当の本人が単なる素直な人間では何かが足りないと言わざる得ない。



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本書は2009年2月にNHK教育テレビで放送されたETV特集

「作家・辺見庸 しのびよる破局のなかで」 を再構成したものだ。

この中には、昨年10月に大阪で行われた講演 の内容も多数盛り込まれており、必読の書である。

辺見庸氏は現在の金融危機の本質とは何なのかと問う。

これは単に経済だけの話ではなく、人間の価値観の崩壊を意味するのだという。

我々は今何の危機に直面しているのか、その本質をつかむ必要があると思う。

辺見庸氏の言葉を借りるのならば我々は「他の痛み」を感じることができるのか?

今それが問われている。