本書を読むとアメリカには絶対住みたくないと、大半の人は思うだろう。
アメリカは一部の富裕層には天国だろうが、なにも貧困層だけではなく、所謂普通と思われる人々にとってさえ、地獄とよんでも良いような状況になっていることが読み取れる。
日本では、考えられないような分野までが、金儲けの対象にされている。
特に、私が驚いたのが第4章「刑務所という名の巨大労働市場」である。
アメリカでは囚人が刑期を終えて刑務所を出る時、多額の借金を抱えているのだそうだ。
囚人たちは用を足すときに使うトイレットペーパーや図書館の利用料、部屋代や食費、最低レベルの医療サービスなど、本来無料であるべき部分まで請求され、それだけにとどまらず、囚人を労働力として、考えられないような低賃金で働かせる派遣ビジネスが急激に広がっているのだという。
そして、労働力を確保するために、若者やホームレスを微罪であってもどんどん検挙し、刑務所に送り込んでいる。
しかも、一部の州ではスリーストライク法というものがあり、3度捕まると強制的に終身刑になるという信じられない法律まで存在するのだ。
金儲けのためなら何だって許される、自由の国アメリカ。
仕組みを作る側と甘受する側には格差社会という言葉では言い尽くせないほどの絶望的なほどの落差がある。
民主党に望むこと、それは間違ってもアメリカの真似をしないということだ。
「問題は、この国の国民が恐怖にコントロールされ続けているということです。
国民は「テロとの戦い」というキーワードにあおられて、膨れ上がる軍事予算と戦線拡大を黙認し、次々に現れる病気への恐怖から薬づけになり医療破綻している。
学位がないとワーキングプアになると思いこまされ、法外な学費を払うために高利で借金をする。
ホームレスになり刑務所に入ったあとも、さらなる借金スパイラルが追いかけてくる、といった具合です」
「一部の人々をのぞいて、国民すべてが借金づけになっってきていますね」
「ええ、「国民総借金大国アメリカ」というわけです。
一部の人々にとってみれば、より効率よく利益を生み出すシステムに近づいているとも言えますね」