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全体的に巧みさは感じられるものの、深く訴えかけてくるものはなかった。

読み手の読解力のせいなのか、最後の場面がピンとこなかった。

モチーフにアンネの日記を持ってきた作品が芥川賞を受賞するというのは、この作者が云々ということではなく、文学界全体の現状を浮き彫りにしているような気がする。

本当に現代は取り上げるテーマもないほど人々の心は満たされているのか。

だとしたら、どうしてこんなにもこの世は生きにくいのか?

日本人はいつのまにか、書かれるべき事柄を表現する言葉を持たない民族になってしまったような気がする。

今こそ日本人のための物語が必要なはずなのに。




「ミカコ。アンネがわたしたちに残した言葉があります。

『アンネ・フランク』。アンネの名前です。

『ヘト アハテルハイス』の中で何度も何度も書かれた名前です。

ホロコーストが奪ったのは人の命や財産だけではありません。名前です。

一人一人の名前が奪われてしまいました。

人々はもう『わたし』でいることが許されませんでした。

代わりに、人々に付けられたのは『他者』というたったひとつの名前です。

異質な存在は『他者』という名前のもとで、世界から疎外されたのです。

ユダヤ人であれ、ジプシーであれ、敵であれ、政治犯であれ、他の理由であれ、迫害された人達の名前はただひとつ『他者』でした。

『ヘト アハテルハイス』は時を超えてアンネに名前を取り戻しました。アンネだけではありません。

『ヘト アハテルハイス』はあの名も無き人たち全てに名前があったことを後生の人たちに思い知らせました。

あの人たちは『他者』ではありません。かえがえのない『わたし』だったのです。

これが『ヘト アハテルハイス』の最大の功績です。

ミカコは絶対にアンネの名前を忘れません。

わたし達はは誰もアンネの名前を忘れません」



本書の中で、一番印象に残ったのが、

大野倫氏に王監督が言った言葉だ。

勝負の世界の厳しさを実に如実に表している。



巨人にいた頃は、なぜスタメンで出た試合の直後に二軍行きを宣告されたのかが分からなかったが、

このとき、その真意を「世界の王」から聞かされることになる。

「ボールというのはプロの世界では金だ。

お前はあの試合で、目の前を通り過ぎる金に手を出さなかった。

手を出したからといって打てるかどうかは分からないが、

お前は打とうともしなかった。それは、「プロ失格」と言われてもおかしくないんだぞ」

ようやく気がついた。「俺は、ジャイアンツでの失敗をホークスでも繰り返してしまったんだ」と

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昔、深夜にやっていた頃に、見て引き込まれた作品。

その質の高さには圧倒される。

日本の職業物の連続ドラマとはレベルが違いすぎる。

ついに、DVD化された。すでにレンタルも始まっている。

知らない人は、ぜひ一度見てみることを薦めたい。

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龍馬は、自分から何かを創り出す人間ではなく、

他人に影響され、得たヒントを最大限に活用する人間であったという指摘に納得した。

龍馬の魅力の一つはその類い稀なる行動力、実行力と言うことができるであろう。



笑う犬は好きな番組の一つだったのだが、

実際は2~3年でアイデアが枯渇していたというのはショックというか残念な気がした。

コント番組の寿命とはそんなものなのだろうか?

ウッチャンにはもう一度コントにチャレンジして欲しい。

吉田さんという人は、東大を出ているだけあって、

かなりの自信家という印象を受けた。

また、決して悪い人ではないのだろうが計算高さを感じた。



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以前から副島氏のとんでもぶりは噂には聞いていたのだが、

今回はじめて彼の本(対談本だが)を読み、

なるほどこれは眉唾ものと言われても仕方がないなと感じる。

しかし、もしかしたら我々の常識が間違っているのかもしれないわけで、

あまり既成概念でものを見てもいけないのかもしれない。

副島氏の情報の真偽はひとまずおいておくとして、

私も官僚との戦いに勝てる唯一の政治家は小沢一郎だと思っているので、

佐藤氏の言葉を借りるならば小沢一郎は『太平記』の中の悪党を組織すべきだ。

たちあがれ日本ならぬ立ち上がれ小沢一郎!!

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久しぶりに熱のこもったルポルタージュに出会った。

中東や東南アジアのイスラム圏のスラムやもっとも貧しい人々が住む地域へ出向き、

例え半年とはいえその中に入って一緒に生活をし、

そこに住む人々の生の声を拾い上げてきた彼の仕事に、

我々は敬意を払わなければならないと思う。

他の誰がこんなことができるだろう。

本文に登場する人々の物語は残酷なものが多く、せつなく居たたまれない気持ちになる。

それでも、死を選ぶのではなく、懸命に与えられた生を生ききろうとする人々の姿は胸を打つ。

この本に登場する人々はどんなにつらい境遇におかれようとも人の温もりを求めてしまう。

例えそれが偽りの優しさだとしても。

生きる意味とは何なのか、なぜそこまでして生き続けなくてはならないのか?

彼女ら(彼ら)自身にもそれはわかっていないのだろう。

しかし、それが生きるということなのだろう。彼女らの何とか明るく今を生きていこうとする姿が、

読む者に生きることそれ自体の意味を強烈に突きつけてくる。


ただ、全体を通じての著者の若さが気になった。年齢的にも20代で若いのだが、

それ以上にたびたび顔を出す底の浅い通り一辺倒の正義感に圧倒的な若さを感じた。

彼自身、我々の世界の側の論理では解決できない現実に打ちのめされているはずなのに、

訪れた地域ごとに、反省虚しく、こちら側の論理からの正義感が顔を出すのだ。

それは時として、現地の人々の生活や心をかき乱し、結果的に一人の女性を死に追いやってしまった。

ただ、そんな彼だからこそ、多くの人の心に入り込むことができたのも事実だろう。

彼はまだ若い。だからこそ今後の彼の作品に期待したいと思う。


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大江氏が小説の中で描く世界はいつも非常に狭い。

自分自身と限りなく近い小説家である主人公、障害を持つ息子、

自殺した義理の兄である映画監督、四国の森・・・・

しかし、それは決して悪い意味ではなく狭い世界の中で展開される物語の描き出す世界は広い。

今回、印象深い場面がいくつもあって、その意味を読み解こうと努めてはみたが、

その作業はかなり困難を極めるものとなっている。

しかし、本来、これこそが文学のあるべき姿ではないだろうか。