心療内科を初めて受診した日
それが人生の全てを奪う入口とな
ることを誰が想像できたでしょう
か
ただほんの少しだけ苦しみを和ら
げたいと
医者を信じ
薬に救いを求めただけなのに
その小さな1錠が
いつの間にか神経に深く根を張り
静かに自由を奪っていきました
何にも例えようのない地獄
痛みという言葉では、この苦しみ
は語り尽くせません
痛みには終わりがあり
傷には癒える日がある
しかし、この苦しみは、そのどち
らにも属さない
まるで心の糸の一本一本がむき出
しにされ、周りにある全ての環境
が刃物へと姿を変える
光は眩しさではなく凶器となり
音は耳を通り過ぎ脳を貫き
風が肌を撫でるだけで神経は悲鳴
を上げ
誰かが発した優しい一言でさえ
脳裏を引き裂く鋭利な刃のように
「考えすぎだ」
と誰もがその事実を受け入れては
くれない
なぜなら
苦しんでいるのは気持ちではなく
言葉の届かない場所にある神経そ
のものだから
また一方では
神経が完全に麻痺してしまったか
のように、喜怒哀楽が奪われ魂が
置き去りにされたような空虚感に
苛まれる
これは薬の作用なのだと認識はあ
っても、自身ではどうにもするこ
ともできません
医療とは本来、苦しみに寄り添う
ところ
しかし患者が身をもって訴える声
は、なぜ「例外」として片付けら
れてしまうのでしょうか
薬を処方することには慎重さが求
められる一方で、やめることの困
難さについては、あまりにも語ら
れていません
もちろん、多くの医療従事者は患
者を救おうと誠実に努力していま
す
そのことを否定するつもりはあり
ません
しかし、離脱症状に関する知見は
未だに十分な理解がなく、患者へ
の説明や支援が不足している現実
があるならば
それは個人だけではなく、医療制
度全体として向き合う課題ではな
いでしょうか
また製薬企業には、薬の有効性だ
けでなく、長期使用や中止時の困
難についても、より透明性の高い
情報提供の義務が不可欠です
そして国には、安全対策や医療者
への教育、患者支援体制の充実と
いう責務があります
りません
血液にも画像さえ、その苦悩は伝
わりません
だからこそ、当事者は
「理解されない」というもう一つ
の苦しみさえも背負わなければな
らないのです
もちろん誰かを責めたいのではあ
りません
この苦しみを知らないまま同じ道
を進む人が、一人でも減ることが
唯一の願いです
処方する側も
製薬に携わる側も
制度をつくる側も
「薬を始めること」
と同じ重さで
「薬をやめること」
を考えて下さい
一人ひとりの患者の涙は、統計の
数字には表れません
その一滴一滴が積み重なった先に
未来の医療を変える真実がありま
す
どうかその声を
「個人の問題」として片付けず
社会全体の課題として受け止めて
それが今なお見えない苦痛と闘い
続ける多くの人々の願いであり
失われた尊厳を取り戻すための