前回のつづきです。
「タテハ!!」
そう叫ぶと、
私の上半身ぐらいの大きさのタテハがやって来ました。
そして、私の背後から6本の足を延ばし、
私の体の中にいる魔を引っ張り出すと
除霊の所作(詳しくは説明できませんことお許しください)をしてから
蝶の蛹の様なものに弱った魔を入れて
どこかに運んで行ってしまいました。
これを見ていた他の魔たちがその後何体も私を狙いましたが
次々とタテハたちがやって来ては、全て除霊してしまいます。
すごく強力なタテハたちです。
良源さまと同等な強さ…
ひとしきり除霊が済むと、
私の後ろで私の守護さんたちの話し声が聞こえました。
あの元魔族の男の子の声もします。
守護さん 「………。」
元魔の子 「(私から以前)自分自身で考えるようにと言われた。」
守護さん 「………。」
元魔の子 「タテハの技を伝授したからもういいんだ。帰るよ。
でも、お盆の時期が済むまでは居る。」
おそらく、彼はわたしの除霊を助けたくて
自分で考えた?タテハの技を私に授けるために
このお盆の時期にタテハ蝶になってやってきたのでしょう。
だから、あの時↓、
「ね、僕だよ。また来たよ。」
と言っている気がしたのです。
子供のころ
「お盆の時期にご先祖様は
虫に乗って帰られることがあるから
この時期に虫を捕ったり殺めてはだめよ」
と言われたことを思い出しました。
その後、タテハには
小さくなって、私のうなじに
とまってもらうことにしました。
ここからよく要らないものが入ってくるからです。
お陰様で
良源さまも安心してお盆が過ぎるまで
比叡山に戻ることが出来ました。
そして、元魔の男の子は
五山の送り火の日に
静かに天に戻っていきました。
タテハには
今も我が身の
守り蝶となってもらっています
もし、首の後ろに
肉眼では見えないタテハが止まっているおばさんを見かけたら
それは私かもしれません
(ガーリー素材様のイラストです)
つづく