レストランで大泣きの赤ちゃんとお母さん、その結末にほっこり | 長男は自閉症・オヤジの日記、音楽好きでバンドもやりました

長男は自閉症・オヤジの日記、音楽好きでバンドもやりました

自閉症の長男との暮らし、その思いや日常の出来事を日記として書いてます。

 

 出向先での仕事が昼前に終わったので、その辺で昼食を、とランチセットがサンプルに店頭に出ていた店にふらりと入った。

 

 ドアを開けると複数の背広の男性客が「誰が来た?」といった顔で一斉に振り向いた。彼らと店員さんとの親しげな会話で男性客は常連さんで、お馴染みさんが来たのかと思って見たようだ。私は部外者が店に入ってしまったようで、少し気まずかった。

 

 

 私は一人なので、赤ちゃん連れの若い母親の隣りの小さなテーブルに案内された。お母さんは赤ちゃんの世話に忙しく食事もままならない様子、それなのに赤ちゃんの泣き声が時折甲高く響いた。

 

 すると「うるせえなあ」との声が聞こえた。母親は常連客の背広軍団からの視線を感じたようで、彼らに向ってペコペコ頭を下げながら赤ちゃんをあやすが、どうにもならず泣きそうな顔で困惑していた。

 

 私は私で隣で泣かれての食事は勘弁をと思い、赤ちゃんの顔の前で、私のほっぺに人差し指を入れ、思い切りはじいて出して、ポン!と音を出して見せた。すると赤ちゃんが不思議そうな顔をするので、もう1回やってみると赤ちゃんがニコリ、続けてまたやると、ケタケタと笑った。

 

 私もいい年をしてこんなことやって恥ずかしい、指がべとべとになる、泣き止んだし、もういいだろうと思ったが、面白くて2,3回追加したら涎(よだれ)を流してケタケタ笑った。

 

 お母さんが「有難うございます、もう大丈夫です」と詫びるので、背広軍団に聞こえるように「謝る事なんかないよ、赤ちゃんは泣くのが仕事、仕事を邪魔されたら、誰だって泣くべ」そして「赤ちゃんの仕事、邪魔したらダメだべ」と私は言い放った。

 

 

 成り行きで、粋がってそうは言ったものの、お店の大事な常連客に余計なことを、と少し後悔をして不安になった。すると背広軍団の方から「おっさん、いいこと言うなぁ」との声が返ってきて「仕事、邪魔されたらオレも泣くよ」と続いた。

 

 私は彼に褒められたようだ。この年になって褒められることなんか滅多にないので嬉しかったが、それ以上に安心した。ホッとした私は緊張がほぐれ喉が渇いてコップの水を一気に飲み干すと、ウエイトレスが即座にコップに水を入れてくれた。「有難うございます」と聞こえたような気がした。それが定かではないほど、私は緊張していたのだ。

 

 

●配達で来る花屋さんからサービスで頂きました。

名前は・・・聞いたけど忘れましたアセアセ

 

 

 

 私なりに勇気を出して子連れの若いお母さんを応援して、それを素直に受け入れてくれたお母さん、私の言葉を好意的に受け止めてくれた背広軍団の男性、ほっこりとして、なんとも気持ちの良い一日になりました。

 

 

 小心者で、おせっかいな性分の私ですが、この年になっては直しようがないし、そもそも直す気もない。ただ伝家の宝刀のように「歳をとったから」を言い訳にはしたくない。

 

 だからと言って度を越して「老害」と言われないように心しなければとも思ったた。ただし、それができるかどうか別としても、せめて気持ちだけは・・そんな私は 優柔不断なのかな。

 

 

 

 

♪ ワタリドリ (アレクサンドロス)

 高速道で運転中の眠気覚ましに最適。気持ちだけでも若返るし・・

これをアコギで演奏してるなんてスゴイ!曲はCМで知りました。日本人バンドの曲。