ドラえもんの『どくさいスイッチ』におぼれてはいけない話 | どこかの誰かのメモ帳

どこかの誰かのメモ帳

アニメのあらすじと感想、ゲームの語りや日記、考え事など。
知識や情報は必ずしも正しいとは限らないので責任はもてません。
考え方が変わる事があるので、記事同士に矛盾を感じる事があるかもしれません。
画像は自作とフリー素材を使用、ゲーム画面はシェア可能なもの。

 

 

ボタン一つで人を消して相手がいたという記憶も消える『どくさいスイッチ』は怖いと思います。


あくまで自分なりの考えをまとめたものです。

消えて欲しい人が一人もいない人こそいるのでしょうか。身近にひどく恨んでいる相手もいるかもしれませんし、自分と直接関係なくても生きているのが憎らしい程やってる事が残酷だと思う人もたくさんいると思います。


この道具をほしいと思った人もいると思います、きっとたくさん。しかしこの道具を手にした時、その人はダメになるでしょう。


理由は大きく二つ。


❁ 一つは人類が滅亡でもしない限り人同士の争いは消えないから

❁ もう一つはいとも簡単に消す事ができてしまうから

 

つまりこの道具を使うと、いずれは消すことに依存します。そして人類が滅亡するか、しなくても依存から解放される事はなくなると思います。



まず、のび太はジャイアンに殴られそうになって咄嗟に消してしまいます。するとどうでしょう、今度はジャイアンの代わりにスネ夫がガキ大将になります。


どこかの実験によれば、いじめられていた魚を別の水槽に移したらその魚達は別の魚をいじめるようになったらしいです。


つまり弱肉強食であって、一人が消えたところで優先順位の高いものから代わりになるという事だと思います。


強いものがいなくなれば次に強いのものが支配して、弱いものがいれば次に弱いものが支配されます。


逆にのび太がいなくなれば、ジャイアン達はきっと今度は安雄やはる夫をターゲットにするでしょう。
 

じゃあ自分と同じような人間ばかりならどうなるかって話ですが、のび太やドラえもんは自分が増えても争ってる話が見られますね。例え考え方や価値観が同じだとしてもぶつかりあってしまいます。きっと他人がいる限り、闘争心が完全に消える事はないでしょう。


しかしこれ以上の問題があります。
 

今話した内容は強い側を支配する者と見なして消したい人物と見なした場合の話ですが、実際には人の判断はどうなっているのでしょうか。


個人差はあると思いますが、このような考え方とは限らないでしょう。考え方が合わないとかなんとなく嫌いな人もいると思います。


でもその程度だったら消さないのではと思うかもしれませんが、ここが怖いんですよ。


❁ 次のポイントはいとも簡単に消せる事です

人は顔が見えない方が悪口を言えませんか?

匿名のが秘密を言いやすかったりしませんか?


つまりどういうものとか関係なく、自分へのリスクが減るほど気持ちも軽くなってしまうものです。こんな簡単に人を消せるものがあったらどうなるでしょう。


それでもはじめの内は怖いでしょう、これはどくさいスイッチではなく、人を消せるデスノートの夜神月の話ですが、はじめは例え悪い人間だとしても消えた事にはかなり驚いていました。しかしいつしか目の前の虫を潰すように消していきます。慣れは怖いってやつです。


きっとはじめは真面目に悪い存在だけを消す人もいるでしょう、夜神月は犠牲者はいるものの、悪を消す事だけを目的としてきました。

 

しかし一般的な人はどうでしょう、きっとどんどん消す理由がおかしくなっていきます。


悪い人 → 嫌いな人 → なんとなく気に入らない人 … きっと最後には少しでも気に障る人を次々と消す事でしょう。


なんでそうなるかと言うと、人は免疫をつける事で病気に強くなる、つまり免疫がないと弱くなります。

そのようにひどいストレスの環境から逃げてスッキリすればいい話ですが、ストレスになる事を極端に避けるようになると、それだけストレスへの耐性もなくなります。


それで話を戻すと、悪いと見なした人を消す事に依存すると、どんどん他人に対する評価が厳しくなって些細な事でも許せなくなるという事です。
 

元々正義のつもりで使う気はないという人もいると思いますが、例えはじめはそんなつもりだったとしても、きっと自分に都合の悪い人間だけを消してしまう間違った正義感が生まれる事でしょう。


❁ じゃあもし本当にあって誰かが手にしてしまったら


使い方を知って、あるいは一度使って人が消えた事を恐れて、何らかの方法で二度と使えないようにすれば、そこからは何も起こらない事でしょう。


しかし二度、三度…と使いはじめたら。


きっとたくさんの人が消えます。そして急激に減る事で世界のバランスも崩れておかしくなります、最後に待っているのは人類滅亡です。


ですので、はじめに戻りますが、誰でも消えてほしいぐらい憎らしい人が身近に一人はいるかもしれませんし、自分に直接関係なくても消えてほしいぐらいひどいと思う人はたくさんいると思います。
それでもこの道具は存在したらダメだと思います。

この際、消された相手がどうとか、そんな話はどうでもよくて、危険性としてあってはならないと思います。


……しかしこの道具の話では最後は何事もなく消えた人も戻ってきます、あくまで使用者をこらしめるための道具で、何らかの方法で取り返しがつく道具です。


とはいえ、のび太は戻し方を知らないので使用者が知らなければそのままになるでしょう。


❁ では、仮に知って自分一人だけでは生きていけないと思って戻したとしたら?


ドラえもんは独裁者をこらしめるための道具と言ってますが、本当にこらしめる事ができるのでしょうか。良くなるどころか却って悪くなりそうです。


取り返しがついてもつかなくても、一度道具に依存すると戻れなくなりそうですね。


元に戻って道具を没収されても、少しでも気に障る相手を消したいストレスだけが残りそうで恐ろしいです。さらに理性が保てなくなれば道具を使わなくても直接傷つけたり、そうでなくてもストレスで心がやられてしまいそうです。


のび太は短期間でなおかつ全員消したのは手違いに近く、自分の意思で消したのは指で数える程度なので、まだ依存しないで済んだのだと思います。むしろ数名を除いて一気に消してしまった事から、そこから消す事ができなくなって、徐々に消す行為への依存から逃れられたように思えます。