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理不尽な神戸市

 

 

市営地下鉄が赤字やから

 

黒字なのに廃止してくれないかと ・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「廃止してくれないか」

市がJRに提案する路線に乗ってみた

ガッツリ朝ラッシュ なのにナゼ?

 

乗りものニュース 2024年6月11日(火)

14時42分 配信

 

神戸駅よりも長い歴史

 

和田旋回橋を通過するJR和田岬線の列車

 

 

JR山陽本線(神戸線)の支線である和田岬線は、兵庫駅(神戸市兵庫区)から和田岬駅(同)までわずか1駅、2.7kmの路線です。沿線の工場への通勤輸送に特化した運行形態で、平日は17往復、土曜日は12往復、休日は2往復と、極端なダイヤが特徴です。

 

本数が多い平日にしても、和田岬駅発を基準にすると、午前7時台は1時間に3本ありながら、9時25分から16時49分までは列車がありません。休日に至っては午前7時29分発、17時26分発の2本だけですそうした運行形態ですが、実は営業係数(100円稼ぐのにかかる費用を表す数値)は推定80台ともいわれる黒字路線でもあります。

 

 

    えっ…! これが廃止を要望されている和田岬線の時刻表です

 

 

 

どんな路線なのか、2024年5月に乗車してみました。

 

起点である兵庫駅は、現在の山陽本線の前身である山陽鉄道で最初に開業した駅のひとつで、まだ神戸駅すらなかった1888(明治21)年に開業しました。駅舎は鉄道省時代の1930(昭和5)年に建てられたもので、レトロモダンな建築物です。和田岬線も同時に開業していますので、136年もの歴史があります。

 

和田岬線は1990 (平成2) 年まで旧型客車が運行されていたり2001

(平成13)年まで気動車が運行されていたり、電化後も2023年まで国鉄型103系電車が運行されていたりと、鉄道ファンの話題に事欠かない路線でもありました。

 

ホームがある駅は通常、「○番線」という案内がされるものですが和田岬線には番線案内はなく、兵庫駅の中2階に「和田岬線のりば」という案内があるのみ。ちなみにエレベーターはあります。

 

 

沿線には川崎車両の工場も

 

JR和田岬線の沿線風景

 

 

そして和田岬線ホームへ向かう途中に中間改札があります。和田岬線の利用者はここを通る必要があり、和田岬駅からの利用者はここで乗車券を買う必要があります(ICカードなら引き去られる)。東武鉄道大師線や名古屋鉄道築港線などで同様の改札方式がありますが、鶴見線の中間改札が廃止されたこともあり、JRでは非常に珍しい改札方式です。

 

和田岬線ホームは1面1線で、長いホームには同線専用となる6両編成の207系電車が入線していました。沿線企業で働く工場勤務者が列をなしており、車内は満席。立客でいっぱいでした。首都圏ラッシュ時並みの乗車率です。

 

発車すぐはJR神戸線と並走。特急「スーパーはくと」とすれ違いました。JR西日本の保線総合区も並んでおり、貨物コンテナや線路も見えます。

 

ほどなく、車窓右側に川崎車両株式会社の兵庫工場が見えてきます新幹線や在来線、大手私鉄から第3セクター鉄道まで、あらゆる鉄道車両を製造している工場で、海外への輸出車両も手がけています。この工場から、一部車両は和田岬線を通って、各地に移動しているわけです。

 

兵庫工場を過ぎると、中間駅がないのが惜しくなるような密度で、工場や住宅が立ち並びます。85km/hで走り抜ける列車にはスピード感があります。

 

まもなく兵庫運河を渡りますが、この橋は「和田旋回橋」と呼ばれ船舶通行のために可動できる構造の橋梁です。昭和初期より固定されていますが、非常に珍しい構造です。和田岬駅からは徒歩12分ほどで到達でき、「浜っ子きらきらビーチ」に隣接していますが、柵があって橋に近づくことはできません。少し離れたところから、列車の通過を見ることもできます。

 

 

自治体が廃止を要求!?

 

和田岬駅

 

 

和田旋回橋を過ぎると、車窓右側にサッカーJ1「ヴィッセル神戸」の本拠地である「ノエビアスタジアム神戸」が見えてきます。和田岬駅からは近隣にあるのですが、ダイヤが偏っていることもあり、サッカーの観客輸送としては奨励されていないのが現状です。

 

「ノエビアスタジアム神戸」を通り過ぎるとすぐに和田岬駅に到着しました。ユニークなのは、改札口などは何もなく、ホームに何か所も設置された階段から、降車客が街中に散らばっていく様子です。かつては三菱重工兵庫工場まで線路が延びていましたが、駅は現在1面1線の行き止まり。大量の乗客を降ろした後はわずかな乗客を乗せて、兵庫駅に折り返してきました。

 

なお、和田岬駅では神戸市営地下鉄海岸線と接続しています。同線を運行する神戸市は、なんと和田岬線の廃止を求めています。自治体が黒字線の廃止を求める事例は非常に珍しいですが、理由は「兵庫運河を活用した臨海部まちづくりを進めるうえで、和田岬線が船舶の通行や、歩行者が回遊できるルートを阻害している」というものです。

 

和田岬線を廃止すれば、まちづくりだけでなく、赤字の地下鉄海岸線の活性化がなされることもあり、得失が難しい問題ともいえますJR西日本は「黒字線なので廃止をするつもりはないが、地元の総意が廃止なら検討する」としています。

 

乗車した実感としては、日中はほぼ運行されていない和田岬線ですから、むしろ和田旋回橋を回転させられるようにして船舶通過を実現すれば、全国的にも珍しい観光資源になるようにも感じられました。

 

※ スタジアム名称を修正しました(6月11日21時00分)。

 

安藤昌季 (乗りものライター)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                   1979年5月6日 和田岬駅

 

 

                   1979年5月6日 和田岬駅

 

 

           1979年5月6日 和田岬線専用客車オハ64 2

 

 

           1979年5月6日 和田岬線専用客車オハ64 2

 

 

                    DD13-639 兵庫駅付近

 

 

                 DD13-639 兵庫~和田岬駅間

 

 

                  1983年9月 DD13 和田岬駅

 

 

         1983年9月 和田岬線専用客車オハ64 1 和田岬駅

 

 

                1990年5月 DE10-1144 和田岬駅

 

 

                   DD13 和田岬~兵庫駅間

 

 

 

 

 

 

国鉄103系引退で注目

「和田岬線」どんな路線? 

今年で123歳 市が廃止提案したことも

深水千翔(海事ライター)

 

乗りものニュース 2023年3月11日

(抜粋)

 

 

 

国鉄型103系電車が引退することで注目が集まるJR和田岬線。そもそもどのような路線なのでしょうか。文字通り港町・神戸の発展を支えてきた存在であったものの、当の神戸市が、廃止を提案したこともありました。

 

103系引退で話題の「和田岬線」 そもそもどんな路線?

JR和田岬線の103系電車(R1編成)が2023年3月18日(土)をもって運行を終えます。2001年の電化以降、22年間にわたって兵庫駅から三菱重工業神戸造船所が立地する和田岬駅への通勤輸送を担ってきたスカイブルーの車体もこれで見納め。国鉄時代に3000両以上が製造され、首都圏や関西圏を中心に北は仙石線、西は筑肥線まで活躍の場を広げた103系を見ることができる線区も、あとわずかとなりました。

 

 

 

 

 

 

18日引退のJR和田岬線「103系」

最後の土日月「ほぼ走りません」

発表 ファン殺到対策?

 

乗りものニュース 2023年3月10日

(抜粋)

 

 

「お別れ乗車」のファンは要注意!

 

3月11日~13日に103系は運用せず

JR西日本は2023年3月9日 (木) 、兵庫県神戸市で運転終了が3月18日に迫るJR和田岬線(兵庫~和田岬)の103系電車について、3月11日(土)から13日(月)午前にかけて、103系を運用しないと発表しました。

 

 

 

 

 

 

ありがとう「103系」

スカイブルーの旧国鉄車両、和田岬線でラストラン

惜しむファン雄姿胸に

 

神戸新聞NEXT 2023年3月18日

14時00分 (抜粋)

 

引退の日を迎え、兵庫駅を出発する和田岬線の103系車両

=神戸市兵庫区駅南通5JR兵庫駅

 

スカイブルーで、1編成6両の愛らしい車体。神戸市兵庫区の兵庫 - 和田岬駅の2駅をつなぐJR和田岬線で22年もの間、働く人々を乗せ続けた旧国鉄時代の車両「103系」が18日、その歴史に幕を下ろした。引退を見届ける出発式にはホームを埋め尽くすほどのファンが駆けつけ、最後の姿を胸に刻んだ。

 

103系は1963~84年に製造されて各地に導入が広がり、旧国鉄を代表する通勤電車として、首都圏や関西の多くの路線で活躍した。JR和田岬線では2001年から運用。通勤ラッシュの朝夕のみ運行し、労働者の足として生活を支えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

都会の中の “ 秘境路線

兵庫駅から延びる和田岬線

 

神戸新聞NEXT 2020年1月3日

(抜粋)

 

朝の通勤ラッシュ時間帯和田岬駅に入線した車両から降りる乗降客

 

令和元年の師走の朝。踏み切りの音と規則的に響くジョイント音とともに、6両編成の電車が簡易な構造のホームに滑り込む。ドアが開くとコート姿のサラリーマンやOLが一斉に歩き出す。狭いホームは身動きするスペースもない。大半は、近くの三菱重工業神戸造船所へと吸い込まれていった。

 

 

 

 

JR和田岬駅 (神戸市兵庫区和田宮通4)。兵庫駅から延びる支線 (全長約2.7キロ) の終点駅で、多くの人は、この支線を「和田岬線」と呼ぶ。だが、あくまで通称。正式には山陽本線の支線という扱いだ

 

後日、「和田岬線徹底研究」を掲載する予定のため、詳細はこのあたりでとどめるが、もう一つだけ特徴を書かせてもらうと、午前9時過ぎから午後5時過ぎまでダイヤは空白。つまり、昼間の約8時間は、電車が一切走らないのだ。

平日は 17往復、土曜日は12往復で、日曜・休日は何と2往復しかない。「地域住民の足的役割を担えていないのでは?」と思ってしまうのは私だけだろうか。

 

 

ただ、支線の歴史をひもとくと、敷設理由が見えてくる。

兵庫 - 和田岬間で営業運転が始まったのは1890(明治23)年。神戸市政施行の翌年だ。現在は貨物運搬はないが、当時は、周辺からの大量の荷出しが行われていた。

 

1969年頃の和田岬線。車両からあふれんばかりの状態で乗客を運ぶ 

 

それだけではない。和田岬線から21年後の1911年、同線から分岐する「兵庫臨港線」が開通し、新川駅を経て、神戸市場駅と兵庫港駅まで鉄道が延びた。当時は、兵庫港も活況を呈しており、労働者と荷揚げされた物資の往来で、かなりの本数の列車が行き交った。

しかし、自動車輸送の発達や兵庫港の衰退などに伴い、兵庫臨港線は1984年に姿を消した。

 

 

 

兵庫駅から和田岬線に乗ってみた。満員電車に揺られ、わずか3分半で和田岬駅に到着した。都会の駅には珍しい無人駅。改札はおろか自動券売機もない。

「都会の中のローカル線」。いや、「都会の中の秘境路線」と言うべきか。

同線を走る車両は1台(6両編成)しかないため、到着した車両は乗客を降ろすと、すぐに折り返していった。

1回では車窓から見える風景を落ち着いてみることができない。繰り返し、乗っているうちに気になる建物を見つけた。レトロな造り。喫茶店のようだ。興味をそそられ、行ってみることにした。

 

窓越しに店内を見ると、作業服の男たちでにぎわっていた。モーニング目当ての常連客のようだ。「この町の空気を感じたい」。勇気を出して入ってみることにした ・・・

 

 

 

 

           1990年5月 DF10-1144 和田岬~兵庫駅間

 

 

             2001年1月26日 キクハ35-303 和田岬駅

 

 

                                                                          2001年1月26日 キハ35系 和田岬駅

 

 

                  2001年1月26日 和田岬~兵庫駅間 キハ35系最後の活躍

 

 

            2001年1月26日 キクハ35-303 和田岬駅

 

 

                   2001年1月26日 和田岬駅

 

 

          2001年6月29日 和田岬駅 キハ35系最後の活躍

 

 

                              2019年6月 103系 和田岬駅

 

 

               2020年1月26日 和田岬~兵庫駅間

 

 

         2022年8月1日 103系R1編成 和田岬~兵庫駅間

 

 

               2022年8月1日 和田岬~兵庫駅間

 

 

           2023年3月11日 207系 和田岬~兵庫駅間

 

 

              2023年3月19日 207系 和田岬駅付近

 

 

                         207系 和田岬駅