風吹岳 と 風吹大池
「 これはまずいな ・・・ 」
雪崩発生 ・・・ その時何が?
トイレのために仲間から離れた瞬間に雪崩が ・・・
難を逃れた男性が語った一刻を争う救助の現場
「 手が出ていて声を出していなかったが掘り起こして ・・・ 」
SBC信越放送 2024年3月4日(月)
18時34分 配信
信越放送
北アルプスの風吹岳( かざふきだけ )で2日、雪崩が発生し、バックカントリースキーをしていた男女10人が巻き込まれました。
雪崩の危険が伴う冬山。
巻き込まれたメンバーの一人で、自身は難を逃れ、仲間らの救助にあたった男性が、当時の緊迫した状況を語りました。
「これはまずいな…」雪崩発生…その時何が?トイレのために仲間から離れた瞬間に雪崩が…
難を逃れた男性が語った一刻を争う救助の現場
「手が出ていて声を出していなかったが掘り起こして…」
3年前に、新潟県の黒岩峰( くろいわみね )で撮影された映像。
雪山を滑走していると ・・・
「 やばいっ!」
突然、ごう音とともに雪がボロボロと崩れ落ち、あっという間に視界が真っ白になりました。
冬山でのバックカントリースキーや登山は、雪崩の危険と常に隣り合わせです。
2日、県内でも雪崩が発生し、スキーのため入山していた県外の男女10人が巻き込まれました。
男性 :
「 どっちからなだれたかもわからなかった。見たら雪煙がすごかっ
た、これはまずいなと 」
雪崩が発生したのは、小谷村の北アルプス・風吹岳南俣沢( かざふきだけみなみまたさわ )付近の標高およそ1400メートル地点。
雪崩に巻き込まれたグループの1人で、自身は雪崩には巻き込まれず、救助にあたった男性は、雪崩の注意はしていたものの、前兆はなかったと話します。
雪崩に巻き込まれたグループのメンバーの男性 :
「 雪崩の場所に行くまでに結構急なところも登っていたが、なだれる
ような感じはなかったから、雪の結合はいいなと思って登ってい
た 」
前兆の音などは?
「 なかった、全然なにもなくて 」
雪崩が起きたのは、男性がトイレを済ませようとグループを離れた瞬間。
別のメンバーは雪に埋まるなどしました。
男性 :
「 女性と男性、1人ずつ声が聞こえたから、埋まっていないのかなと
思って、近くに行ったら最初女性がいた。顔だけ出して呼吸出来
るようにして、ほかにも埋まっているかと思って声をかけたら、
少し行ったら手が出ていたから、その人は声を出していなかった
が掘り起こして ・・・ 」
男性がスコップを持っていたことや、現在地を知らせるビーコンを全員が所持していたこともあり、効率的かつ迅速に救助が進められたといいます。
男性 :
「 みんなで掘り起こさないと、これは間に合わないなと思って、1人
ずつ完全に掘り起こして、手伝える人には手伝ってもらって、ビー
コンで探してもらって、 ここにいるとなったら掘り起こして ・・・ 」
警察の救助が到着する前に全員が雪崩から脱出。
低体温症の症状があった大阪市の53歳の男性と、富山県魚津市の38歳の男性が県警ヘリで病院に運ばれましたが、10人全員にけがはありませんでした。
雪崩は、気温の上昇とともに発生のリスクが高まり、風吹岳で起きた当日も注意報が出ていました。
県警山岳安全対策課では、ビーコンやスコップなどを持参することはもちろん、山に入る前に、付近の降雪状況や雪崩情報を確認し、状況によっては雪崩が発生しやすい谷や沢を避けるよう対策を呼びかけています。
信越放送