「南海電鉄関係者はすべて入店禁止」
居酒屋の張り紙が話題
「これで潰れても気にしない」店主の言い分
弁護士ドットコム 2024年2月1日(木)
13時06分 配信
南海泉佐野駅(ましゃいこ / PIXTA)
関西の大手私鉄・南海電鉄の関係者を「 入店禁止 」にするという張り紙が、X( 旧ツイッター )に投稿されて話題になっている。
【実際の張り紙】「南海電鉄関係者様すベて入店禁止」
どんなトラブルが起きていたというのだろうか。張り紙を掲示した居酒屋 ( 大阪府 ) が弁護士ドットコムニュースの取材に応じた。
店主によると、料金の支払いをめぐって、客として来店した南海電鉄関係者との間でトラブルが発生していたという。
●「 南海様 」は入店禁止 ・・・ 衝撃の張り紙
「 注 南海電鉄関係者様すベて入店禁止とさせて頂きます!! 入店後南海様とわかった時店で精算、出店おねがいします!!」( ※ママ )
張り紙は、怒りの顔イラストや「 停止 」標識イラストをつけて、かなり強いメッセージとなっている。
ロックバンド「 たま 」の元メンバー、石川浩司さんが1月30日、Xに「 南海電鉄は一体何をしでかしたんだ。」というコメントを添えて、張り紙の写真を投稿した。
この投稿は拡散して「 飲食店をここまで怒らせるって普通じゃない 」などの反応が寄せられている。
掲示した居酒屋の店主は1月31日、弁護士ドットコムニュースの電話取材に応じて、料金の支払いをめぐって警察を呼ぶような騒動になったと説明した。
南海電鉄の泉佐野駅からほど近い店には、同社の関係者がよく訪れていたという。
店主によると、具体的な日にちこそ「 覚えていない 」が、およそ半年ほど前に南海電鉄関係者が11人で来店したという。
3時間ほど飲み食いした料金の約5万6000円を請求したところ、客から「 高い 」「 おかしい 」「 ぼったくり 」といった言葉を言われたそうだ。
そうした態度を受けて、営業の迷惑になっていると感じたことから、店は警察を呼んだという。
しかし、揉め事がおさまらなかったことで、最終的にいくらであれば納得できるのかとたずねたところ、客側が「 44000円 ( 1人あたり4000円 ) 」としたことから、受け取っていた5万6000円から1万2000円を返金して、折り合いをつけたそうだ。
そのかわりに、「 おたくのところの会社はもう一切、うちには来ないでくれ 」と例の張り紙を出した ―― 。というのが、店主による説明だ。
● 南海電鉄「 業務外の出来事と認識している 」
「 ぼったくりと言われて、こっちも頭にきてしまった 」( 店主 )
以来、南海関係者は常連の良客も含めて実際に出入り禁止にしているそうだが、それに伴う売り上げの減少は気にしていないと話す。
「 そんなもん当てにしてない。うちはうちのやり方でやっていて、それで潰れても別に気にもしないな。世間が批判して、誰もけえへんなってもかめへんよ。もうやめておしまいや 」と笑うが、「 こんな田舎でそんな評判飛ばされたらな 」とも語っていた。
「 こっちの言い分もあるし、あっちの言い分も聞いてな 」( 店主 )
南海電鉄はどのような見解なのか。
事実確認や見解をたずねるため、Xの投稿内容や店の主張を南海電鉄に伝えたところ、同社は「 Xの投稿の件について内容は把握しておりますが、業務外の事象と認識していますので、コメントは差し控えさせていただきます 」と回答した。
出入り禁止の認識についても聞いたが、やはり同様の理由でコメント差し控えとのことだった。
弁護士ドットコムニュース編集部
“南海電鉄入店禁止”張り紙
店主怒り「3時間ぐらいどんちゃん騒ぎ」
料金めぐり警察沙汰に
取材中に南海電鉄「剥がしてほしい」
FNNプライムオンライン ( フジテレビ系 )
2024年2月2日(金) 17時47分 配信
FNNプライムオンライン ( フジテレビ系 )
居酒屋の入り口近くにある看板に貼られた「 入店禁止 」の張り紙。
X( 旧ツイッター )に投稿されたこの張り紙の内容が、物議を醸している。
入れ替わり立ち替わり「明細書出せ」…店主が語ったトラブルの詳細
「 注意。南海電鉄関係者様、すべて入店禁止とさせていただきます。入店後、南海様とわかった時点で清算、出店お願いします 」とのメッセージに、怒った顔と怒りのマークを加え、「 入店禁止 」を強く訴えている。
客として来店した南海電鉄の関係者との間で、何があったというのか。
居酒屋の店主「 去年の秋ぐらいやったと思います。11人で ( 来店 ) 。3時間ぐらいは十分どんちゃん騒ぎやってくれてました 」
店主によると、南海電鉄の関係者はその後、飲食代5万6,000円を支払い、店を出た。
トラブルが起きたのは、そのあとのことだった。
居酒屋の店主「 外出て、あれおかしいなと思ったん違うかな、誰かがな。
それから入れ替わり立ち替わり、明細出せ、何出せ、これ出せってな1人の人が『 こんなもん ( 料金 ) 高いやないか。ぼったくりやないかい 』って言ってきたわけですよ。
もう切れましたよ!血圧上がりましたわ!」
支払い代金をめぐってトラブルが起きたのは、南海電鉄の関係者がよく訪れるという大阪・泉佐野市の居酒屋。
南海電鉄関係者とのもめごとは、警察を呼ぶ事態に発展したが、それでも収まらず、店主はある提案をしてけりをつけたと話す。
居酒屋の店主 「『 ほんならお前らは、なんぼで納得するんや 』と言うたら 、
『 俺らは1人4,000円で納得する 』と。
だから11人分、4万4,000円の計算にして、1万2,000円を返金した 」
本来の代金から1万2,000円を引くという妥協策で決着。
「 1人3万円って言うんだったら、ぼったくりと言われてもこれはしょうがないけど、
正当な値段もらってなんでそこまで言われないといけない。
自分らの飲んだ量を考えてみと。
3時間どれだけどんちゃん騒ぎして、飲んだのかと 」
南海電鉄は「 イット!」の電話取材に、代金をめぐって起きた店とのトラブルについて、
「 当社の従業員がお騒がせしていることを おわび申し上げます 」と謝罪し、そのうえで、出入り禁止の認識については、
「 業務外の事象 ( 出来事 ) と認識しておりますので、コメントは差し控えさせていただきます 」と述べた。
今回のように入店お断りの張り紙を出すことは法律上、問題はないのか。
みずほ中央法律事務所・三平聡史弁護士「 ここに侮辱的なことが書いてあったらまったく別の問題が発生するけど、侮辱的な内容ではないので、この張り紙自体が違法だということはないと思う 」
そして2日、店に対し、南海電鉄から「 貼り紙を剥がしてほしい 」 と電話があったという。
店主は、その求めに応じ、張り紙をカッターで剥がしながら「 もう何事もなく、平和が1番ですよ 」と話した。
出入り禁止の張り紙は、店主の胸の奥にしまい込まれた。