コクミンドラッグ、
品薄マスクを高額商品とセットで販売。
「 販売方法を工夫しようという店長の指示だった 」 広報明かす
HUFFPOST 日本版 2020/2/21(金)
14:02配信
コクミンドラッグの店舗
薬局チェーン大手・コクミンドラッグは、品薄状態のマスクを他の高額商品とセットで販売する、いわゆる「抱き合わせ商法」をしていたことを認めた。広報担当者が2月21日、ハフポスト日本版の取材に回答した。
【 小笠原 遥/ハフポスト日本版 】
コクミンドラッグは各店舗にこうした販売方法を取りやめるよう通達し、公式サイトで「このような販売方法を実施したことについては、大変申し訳なく思っております」と陳謝した。
500円のマスクを9000円の高額商品と抱き合わせて販売
『コクミンドラッグ』は全国で192店舗を展開。そのうち、16の店舗で500円程度で販売しているマスクを最高で9000円ほどの高額商品とセットにして販売する、いわゆる“抱き合わせ販売”を実施していた。
広報担当者はハフポストの取材に「2月13日の夕方に事実を把握し、翌14日の午前中には、そのような販売方法を中止するよう各店舗に通達しました」と明かした。
21日正午までに会社側が把握している販売例としては、マスクと栄養ゼリーなどをセットにし1000円から2000円で販売したり、化粧品と抱き合わせて9000円前後で販売したりするなどといったケースがあったという。
当初、会社側はこの事実を把握できていなかったが、買い物客から「この販売方法は、流石にひどいのではないか」などと苦情が相次いで寄せられたことから発覚したという。
この件については、文春オンラインが2月19日、中国人客を対象に高額栄養ドリンクなどを抱き合わせて販売していたものを誤って日本人客も購入したなどと報じていたが、会社側はこれを一部否定。
「国籍に関わらず、日本人客を含む全てのお客様に対してセット販売を行ってしまいました。その点については大変申し訳なく思っておりますが、中国人のお客様に対して差別をし、このような販売方法をとった訳ではありません」と説明した。
「販売方法の工夫の一環だった」
コクミンドラッグでは、店舗運営については「その一部は各店の店長それぞれに任せている」という。
会社側は、この度の抱き合わせ販売についても各店舗の店長の発案だったと認めた。
「利益を求めるゆえの戦略だったのか」と聞いたところ、明言はしなかったものの、「販売方法を工夫しようという一環で店長が指示をした」とした。
そのうえで、「品薄状態が続くマスクの需要が高まる中で、このような販売方法を実施したことについては、大変申し訳なく思っております」と陳謝した。
16の店舗の詳細については、「公表は控えさせていただく」との回答だった。
現在、社内による販売方法の調査が行われているが、「抱き合わせ販売をしていた店舗がまだある可能性があります」と同様の販売方法をとった店舗が今後の調査の結果次第では増える可能性を示唆した。
会社側は2月19日、公式サイトで「社内調査終了後には、再発防止策として、販売方法の見直し、教育の強化を行い、適切な店舗運営を徹底してまいります。
このたびはご心配をおかけいたしまして誠に申し訳ございません」とコメントしている。
新型肺炎対応の医師ら 「 バイ菌扱い 」
子どもに登園自粛要請
日本災害医学会が抗議
毎日新聞 2020年2月22日
21時14分
着岸したクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」と待機する救急隊員ら=横浜市鶴見区の大黒ふ頭で2020年2月9日
災害医療の関係者でつくる「日本災害医学会」(東京)は22日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、中国・武漢市からの帰国者やクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の乗客らに対応した医療関係者が、「職場で『バイ菌』扱いされるなどのいじめを受けている」として、抗議する声明を発表した。医療関係者が職場の管理者から現場での活動について謝罪を求められたり、医療関係者の子どもが幼稚園や保育園から登園自粛を求められたりする事態が起きているという。
【 木許はるみ/統合デジタル取材センター 】
「 当事者たちからは悲鳴に近い悲しい報告 」 看護師、救急職も
新型コロナウイルスの感染者が集団発生したクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」=横浜市鶴見区で2020年2月6日
同学会は声明で「現場で人命を救うために自分の身を危険にさらして活動した医療者の中から、信じがたい不当な扱いを受けた事案が報告されています」と指摘。「当事者たちからは悲鳴に近い悲しい報告が寄せられ、同じ医療者として看過できない。もはや人権侵害ととらえるべき事態であり、強く抗議するとともに改善を求めたい」と記した。
同学会によると、「2月中旬ごろから数十件の報告が寄せられた」(担当者)ため、声明の発表を決めた。いじめなど不当な扱いを受けたのは、医師や看護師のほか、消防や救急などの幅広い職種に及んでいるという。
日本災害医学会が公表した「新型コロナウイルス感染症対応に従事する医療関係者への不当な批判に対する声明」=同学会ホームページより引用
同学会員の医療関係者らは、武漢市からの帰国者やクルーズ船の乗客・乗員に対し、診療や救急搬送などを行った。声明は、クルーズ船の乗客・乗員の「170件余りの救急搬送」や「1800人の処方薬のリクエスト」などに対応したとして、「もしこうした活動がなかった場合には、より多くの乗客・乗員が重症化し、人命が失われた可能性が高い」と強調した。
そのうえで「偏見や先入観に基づく批判が行われることは決して許されず、また万が一健康被害が発生した際の補償に不安がないような対応を、広く社会に求めます」としている。
同学会は、災害医療に関わる医師、看護師、救急隊員、研究者、組織が所属し、会員数は約5000人。
「 ゴジラのせき 」 の局長 厳重注意
不適切発言で厚労相
共同通信 2020/2/25(火)
11:13配信
加藤勝信厚生労働相は25日の記者会見で、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の新型コロナウイルス感染者らを受け入れた愛知県岡崎市での住民説明会で、不適切発言をした金井要厚労省東海北陸厚生局長を厳重注意したと明らかにした。加藤氏は「緊張感を欠く発言で信頼を損ねるものだった」と述べた。
岡崎市では、4月に開院予定の藤田医科大岡崎医療センターが感染者らを受け入れている。金井局長は今月18日の住民説明会で、「『ゴジラ』のような大きなせきをする人がいない限り感染しない」などと発言していた。加藤氏は「本人は深く反省している」と述べた。