(前記事に続いてます)
その弟子Hと、色々話していて。
講習会でコワリョーワ先生に
「貴方がずうっと私を見ていてくれたから安心できたわ」
と言われたと弟子H。
嬉しかったのもそうなんだけど
「でも色々なんですね」
…と。
Hの言うには、
コワリョーワ先生はピアニストがずうっと先生を見ていたから安心したと言うけれど、見るなと言う教師や振付師もいる。
文献によればバランシンは見るなと言ったとか。
あたしが実際弾いた相手でも、振付師の方は見て欲しいがダンサーは見ないで弾けと言ったり、ダンサーを見ろと言ったり、本当に様々だ。
「で、結局あたしたちはどうすればいいんですか??」とH。
ちなみにウサギ舎では、一番最初の段階では「振付師を見ろ。一挙手一投足目を離すな。ただし踊り出したらダンサーは見るな」と教えてるけどね。
「そんなもん、人によって違うんだから、その場で合わせるしかないよね」
と、あたし。
見る見ない問題の他にも、即興が好きな人、嫌いな人。あれこれピアニストの方が気を回してテンポ等を変えると喜ぶ人、逆に指示があるまで絶対にテンポを変えるなという人。
子供のクラスはお洒落な曲よりシンプルなつまんない曲の方が良いという人、その逆の人。
あらゆる場面とあらゆる事例において、振付師や教師のやり方、好みは千差万別である。
すべての局面で事前準備をするなど不可能なのだ。
予備知識は持っていてもいいけど…(たとえば、この先生はワガノワ派だからきっと音も厳格なのが好みだろう、など)、でもその先生がステレオタイプに当てはまらないことなど本当にザラにある。
もう、何が正しいのか解んないからどういう勉強をすればいいのかも解んない、という声を新人のピアニストからもよく聞く。
Hと話していての結論は
「まず、相手はどうあれ、自分(ピアニスト)のスタイルをはっきり仮決めしちゃうことかなー」
に落ち着いた。
例えば
「野村さんは、振付師は見るけどダンサーは基本見ない。即興演奏を多用し、自分の判断でテンポや曲自体も変えることがままある。子供クラスの選曲はどちらかというと厳格である」
みたいな。
自分はこういうタイプのピアニストです、がはっきりすると、ともあれ判断基準ができる。
まずは、その自分で決めた判断基準に沿って選曲にしろスタイルにしろ良い、悪い、正しい、正しくないをを決めて勉強し準備すれば良いのではないか。何が正しいか解んなーい、なんて言ってないで。どうせ相手は千差万別、神出鬼没、魑魅魍魎なのだから(最後んとこやや意味不明・笑)
自分のタイプを決めると、当然、振付師や教師と合う、合わないが出てくる。
合わない、があっても良いと思う。
薄らぼんやり、誰にでも合うような合わないような、自分のやり方もはっきりしないくせに、誰のクラスを弾いてもイマイチ、何を弾いてもイマイチなピアニストより良いと思うけど。
ただし、そこは仕事のことなので条件がある。
合わない相手と当たった場合は、100%ピアニストが譲って教師のやり方に合わせること。
どんなに自分のやり方とちがっても7割、最低6割以上の結果は出すこと。
その「視野広く」「教師のやり方も認めて、知っていて」「その場で出来売る限りの対応をする」「自分の得意なやりかたでなくてもクラスの質を出来るだけ上げることができる」…
それが出来る、バレエピアニストを目指して欲しい。
まとめるね。
「相手は人それぞれ。事前にあれこれ気を回してもしょうがないので、自分の判断でまずは何でも決めてやって構わない。
ただし、それで違ってしまったら、即座に相手に合わせられる芸の幅と知識とテクニックと柔軟性が必要。
超絶苦手な相手でも、それらを駆使して、にっこり笑って最低限以上の結果を出すこと。」
かな〜〜。
最後んとこが出来てこそ華よね。
頑張れH。
あたしだって、挑んでる最中。みんなで質を、上げてこ。
画像は夏の間にこんなの制作したよシリーズその2
ジュリエットの頭飾り
手刺繍です
↑この美しい人はあしがらワイダンススタジオの杉崎先生
ジュリエットの衣装
これも前記事のペザントと同じ、元のシンプルな衣装に飾り付けしました
胸のビーズが舞台で光があたったとき結構キレイだったんだー
頭飾りと同じ材質で刺繍しました