どうも〜、理想は唐揚げくらい人気者のURYUです。
前回は「クラブの色作りからの挑戦」のお話をしました。
今回も引き続き大学サッカー編を書いていきます。
このシリーズは次回で一旦終わりにします。
それも、元々は学生時代で終了しようと考えていましたし、バングラデシュサッカーリーグが今月27日から再開するため。
『大学卒業後のオーストラリア編希望!』と言って下さる方もいるので、今シーズン終了後にタイミングを見てオーストラリア編を書けたらなと思います。(8月以降かな)
植木監督就任
目標であった関東リーグに手がかかった大学2年目。
関東がより現実的なものになりました。
今年こそは、あの「ファイナルで勝つ!」と。
そして、大学3年目の春に、中田英寿をベルマーレで育て、ザスパクサツ群馬をJリーグに昇格させたレジェンドの植木繁晴(うえき しげはる)が上武大学サッカー部監督に就任します。
植木監督就任後の全体写真
植木さんが正式に僕らの監督になる前、サッカー部全員の出身校を見たそうです。
その時、
「良い所から来てる選手が誰一人いないな〜」と言ってたそう。
それを聞いて、「なんだ、この人は経歴しかみないのかよ。嫌な感じだな…😑」っと来る前から少々抵抗がありました。
※植木さんは選手を出身で判断する人じゃないし、そういった発言はあの人なりのコミュニケーション?みたいなもんです(笑)
そんな抵抗もありましたが、選手たちとの距離感、いじり方が非常に上手く、すぐに打ち解ける。
この能力がないと、コーチ業って中々務まらないですよね🤔
威勢がいい生意気な選手達も、あの人の元ならすんなり言うことを聞く。
地元が同じ川崎南部ってこともあり、何か懐かしい空気感(笑)
練習メニューは、曜日ごとにテーマがあって変わり、週末の試合に合わせて行く感じ。
火―Yトレ(フィジカル🏋️)
水―ポゼッション⚽
木―対人💪
金―アジリティ、セットプレー🥅
土―試合🤝
日―リカバリー(と言っても30分間走で7-8キロのラン🏃😂)
月―OFF🛌
パスコン(パス&コントロール)は毎日。
これに加えてハーフコートゲーム、全面ゲームなどを時折いれる。
初めの数カ月は練習後にかなり走らされた。
部員「走りすぎじゃね?週末試合あるのに😒(ギリ聞こえるくらいの声量)」
植木さん「いいから黙って走るんだよ!!💢」
って感じで、週末の北関東リーグの試合なんてお構いなく、常に先を見て喝を入れられてました。
あの走りは結構キツかった。けど身体はだんだん慣れていく。
監督の還暦祝い 2014
これまで"テーマ"(トレーニングの狙い)っていうのを明確に感じてトレーニングを受けてこなかった、もしくは僕自身が「これは何の為にやっている練習なのか?」ってのを全く意識してこなかった。
ただ、トレーニングのルールを守ってプレーしていた感じです。これじゃ練習のための練習ですよね。
植木さんが来たことによって、この"テーマ"をよく意識するようになりました。
どういう現象を求めているのか。
どんなプレーを要求されてるのか。
『何の為の練習か?』を意識するだけで吸収率、伸び率は確実に変わります。サッカーの技術度も戦術理解度も。
上のレベルに行けば行くほど、この意識が高い選手は多い。
「さすがJで監督をやってきた人。サッカーってこんなに深いんだ。」と、ペーペーの永田にとって、植木さんの練習は衝撃的でした。
あの人の存在もエピソードも規格外だった。(笑)
本格的にサッカーを教わる
今日は何のトレーニングをするのかな?と毎日部活の時間が楽しみでした😊
監督の目指すサッカーは、
"縦に速いサッカー"
攻撃は常に縦!裏!を狙う。
ポゼッションの練習でも、3人目の関わり方を徹底してトレーニングしました。
相手のボールを奪ったら、まずゴールを目指す!前に出ていく!
僕らのショートカウンターはかなり迫力あったと思います。
あとは、勝負の基本的な所で1対1は絶対に負けないこと。球際、競り合いを必ず闘うこと。
この辺も強く言われました。
もちろん、相手の特徴やレベル、試合状況を考慮して、多少変える点(配置、人選、戦術)もありましたが、ベースはこのサッカー。
植木さんは『勝ち方を知っている人』だった。
大3 関東リーグプレーオフ かえつ有明高校出身(上武2、明海2)の選手達と永田
※明海の2人は横浜FC鶴見JYの同期
僕はしばらく監督に注意されてました。
本人は分かってるつもりだったけど、あの時はチーム戦術とか全然頭になかった。
感覚が先行してプレーしていた。
究極は、考えなくてもその通りになってしまう?ような感覚でのプレーかもしれないけど、凡人には中々たどり着けない領域。
戦術が身体に染み付いているのが前提でもありますね。
そんな感覚のプレーヤーが、監督に指摘されては苛立って、一丁前に反抗する。
「こっちをこうすればいいじゃん!」と。
サッカーには確率の高さの正解はあっても、成功するかの絶対的な正解は無いので、一概に白黒の判断はできないんだけど、
"指導者の求めるものを理解できない選手は必要とされない。"
これは100%かな。
考えることをやめて言われた事だけやる選手も良くないけどね。
その当時は、監督から個人的に呼ばれて、「好き勝手やるなら出さないよ?」と言われました。
その辺はとてもプロの考え方だった。
大3 北関東リーグ ここからは19番
僕の頭の弱さで色々と落ち着かない時期もありましたが、それでも使ってくれた植木さんには感謝です。
あの人にサッカーというものを本格的に教わりました。
勝負に必要なことも全て。
帰ってきたファイナルの舞台
この1年で上武大サッカー部はグッと力を付けました。
短期間でここまで強くなるのかってほど、その辺の相手には負ける気がしなかった。
北関東リーグは18試合で130得点以上、10失点以下の圧倒的強さで優勝。
関東リーグプレーオフへ進出。
プレーオフ直前の練習試合でも、
J2のザスパクサツ群馬に勝ち、前年度ファイナルで負けた日本大学にもガチンコで勝ったり、状態は凄く良かった。
大3 関東リーグプレーオフ ファイナル
前年(2013)プレーオフのグループリーグでは苦しみながらの2位通過。
この年(2014)は、
朝鮮大学(東京代表)1-2●
明海大学(千葉代表)1-0○
横浜国立大学(神奈川代表)5-2○
初戦は落としたが、その後しっかり2勝をしてグループ2位通過。
そして、去年と同じファイナルの舞台に帰ってくる。
あと1つ勝てば目標の関東リーグ。
どんな手を使ってでも勝ちたい。
相手は昨年度関東リーグから降格した神奈川代表の東海大学。
東海大学サッカー部は当時、部内での問題が発生し、勝ち点をマイナスにされたりと、協会からペナルティを受けての降格。
実力で落ちてきた訳ではない。そのため選手達の能力は頭一つ抜けていた。
試合は前半から上武ペースで進む。
選手の能力も肌感では、ほとんど変わらなかったかな。
上武サイドは、「これは行ける!」とみんな思っただろう。
また来年も北関東リーグか…と。
プロと違って学生は時間が限られてる。大学は4年間しかない。
プレーオフの決定戦、一発勝負の重さは計り知れない。
僕ら3年生にとって、関東リーグで闘う可能性が消滅した瞬間はとても苦しいものだった。