夏休みの宿題はぎりぎりにやる水曜日の
きょうは、企業で働く中間管理職のお悩みネタの日、
働き方についての指向性はひとそれぞれ。
バリバリ未知の仕事に取り組むのが好きな人もいれば、
女性の「総合職」と「一般職」
総合職って言葉、今でもつかわれているのでしょうか?
小泉さんが派遣法の改正を行ってから一般職、という職種は消えて、人材派遣がそれにとってかわっているのかもしれません。
その昔30代前半、私がベンチャー企業ではじめてマネージャー職についたときのことです。本社から出向してサポート的な仕事についていた女性がチームにいました。
その彼女は、一般職として採用されたけれど、機会があれば総合職として働きたい、といいます。もちろんそのつもりがあるから、みずから手を挙げてそのベンチャー事業に出向してきたのだろうな、という認識していました。それで、一緒に営業をやることになりました。
私自身が転職前に勤めていた会社は、男女差なくその人の意欲に応じて柔軟に仕事の難易度が上がっていく、一般職とか総合職とかの区分けがない会社でした。とても働きやすく、転職先の親会社が総合職、一般職という区分けを女性を採用していることに、硬直した古くて融通の利かない会社だ、と感じたものです。
さて営業職についた彼女ですが、半年もたたないうちにギブアップしてしまいます。
担当していた業務は、提案営業で、お客様の要望や課題をうかがい、自分の商品やサービスを通じて少しでもお役に立てることはないか、と考えて提案するという営業スタイルです。仕事に多少のストレスはつきものだと思うので、彼女が早々にギブアップしてしまったのをみて、がっかりしてしまいました。
カスタマイズの効かない既製品を売るより、お客様の要望に応じて自分なりに工夫して提案できる営業スタイルのほうがより提案する楽しみがあるように私は感じますが、それもひとそれぞれなのかもしれません。
しかし総合職と一般職と選べない男性社員に同じことが起こった時、どうするのだろう。女性が仕事で差別されるのは、やはりいたしかたないことなのかな、と思ってしまったことを覚えています。
社員と派遣スタッフの仕事
今の私の職場には、自分で考え解決策を見出し、
前者を社員にまかせ、
今派遣スタッフさんが担当している業務は、必要な業務だけれど常に効率化を心がけて、一定の時間内で処理してほしい仕事です。仕事のやり方を標準化して、最小限の労力で業務を遂行できるよう日々進め方を工夫してもらっています。
一方社員は、新規の案件やこれまでになかったやり方を開拓することで、新しいビジネスチャンスが生まれるので、イレギュラー案件をわりと頻繁に持ち込みます。
それでルーチン業務を受け持つスタッフは、なぜ社員が既存の運用ルールでできないことを次々と持ち込むのかと、調整不十分で持ち込まれる案件に不満をためみやすい状況です。
一方社員はイレギュラーなら業務をその場の状況に応じて判断し対応
営業担当、業務担当それぞれのイライラ
派遣スタッフさんの立場からすれば、仕事の最終責任は結局社員が受け持つことになるので、自分勝手な判断で物事はすすめられない。次に同じことが起こったときの正しい対処方法を把握したり、再発防止もかねて、いちいち社員にすすめ方の確認をする。すこし考えれば、ゆえあることなのだと理解はできます。
そういった立場の違いがわかっていれば、社員ももう少し仕事の依頼方法や任せ方の配慮ができるだろうし、配慮されていると感じられれば、スタッフさんも快く応じてくれるのかもしれません。でも、なかなかそこまで気配りできる余裕がなかなかないのも実情です。
一方、私のチームは限られた時間内に大量の案件をこなさなければならないことがあり、その中でどうしても確認不足だったり、情報不足のまま走らなければならないことが起こります。営業職のメンバーもすべてを完璧にこなせるわけではないので、それをチームとして協力して受け止めてほしい、という想いがつのります。
進化する事業領域で業務を派遣スタッフでまかなうことの限界
それで、私と運用業務を担当する社員は、ほぼ毎日イレギュラー案件を持ち込む社員と運用のルール化を求める派遣スタッフの間にはさまれて、既存のルールや運用を少しずつ改定しながら収めようと、軋轢をなるべく小さくおさめるためになかなか苦労する毎日を送っています。
そんな毎日を送っていると、部門や会社の業績が良い時は、
多少の時給アップはできても、そもそもの委託内容を考慮するとたいしてアップできないし、できれば避けたい。ベースアップより一時金で都度報いる方法のほうが、その時々の評価を反映しやすいし、予算的にも行いやすい。
今の時代、とくに今私が勤めているベンチャー企業のように、日々新たなビジネスチャンスを開拓していかなければならない職場では、ルーチン業務の有効期間は短く、常に仕事のやり方もは日々進化してかなくてはなりません。日々刻々と進化しなければならない運用の複雑化を吸収しつつ、効率改善も同時に求められる。その難易度はますます高くなっています。
その性質を考えると、そもそも今の業務は派遣スタッフという就業形態でまかなうべき仕事ではないのかもしれない、というところに行き当たります。
売上だけではない営業職の評価方法
一方で営業を担当する社員についていえば、もう少し与えられたリソースとルールの範囲で仕事を回す努力をしてほしい、と思います。
今の部門に配属されて最初に直面したのは、表面的な売上や利益しか見えておらず、工数を度外視した案件が評価されていたことでした。たしかに売上成績は素晴らしいけど、総コストを含む限界利益や返品率の観点から見るとあまり褒められたものではない仕事のやり方が、派遣スタッフはじめ運用担当社員に相当の負荷を与えていて、それが部門全体の不満の温床になっていました。
それで売上以外の管理指標を設定し、仕事の評価をしました。前はこうだったのに、と判断基準が変わったことに対する抵抗感はかなり強く、3ヶ月で変えられると思っていたのが、1年かかりました。今の部門に配属されて一年半、ようやく意識の変化が数字に表れて。部門のPL、BSはすこしずつ改善してきています。
そしていまは管理指標が増えたことで、営業担当社員からは同じ案件をこなすのに仕事量が増えて家庭が犠牲になっている、というのが新たな不平不満の種となっているわけですが、後工程へのしわ寄せは格段に減っているし、その人の仕事の質も評価も高まる方向に向かっているわけだから、逆に感謝されてもいいことなのになぁと、報われない管理職稼業に涙したくなります。
生産性をあげる、仕事のやり方を変える
以前、仕事で外資系企業の本社を訪れたことがありますが、そこで受けた衝撃が今でも忘れられません。
その企業は世界でも一流のスポーツアパレル企業で、自社では工場を持たず、マーケティングに優れたファブレスカンパニーでした。
なにに驚いたかというと、社員に与えられた執務スペースのひろさ。キューブと呼ばれる仕切りに囲まれた空間は4畳ほどもあり、自分のプライペートルームのように、おもいおもいの趣味の機器などが置かれています。そこに好みの什器を入れて、好きな音楽をかけなら、仕事をしているのです。日本のオフィスの、隙間なくびっしり机が置かれた狭いオフィスと比べものにならないくらい快適な空間。
物理的なモノの売り買いで稼ぐのではなく、知恵やアイデアで稼ぐ生産性の高い仕事スタイルを目指そう、そんな風に決意したわたしの仕事の原点でもあります。
そんな仕事に対する初心に立ち返ると、もっと仕事のとり組み方や、運用体制を真剣に見直す時期がきているのだということを、切実に実感するようになりました。
それでいてもたってもいられなくなって、週明けからあらたな体制をつくるべく、さっそく手を打とうと動き始めた2016年の年末です。