皆さんこんにちは、荒川です。
今回は先日紹介した「市民ランナーがマラソンの走力を伸ばし続けるために必要なたった3つの要素(トレーニング編)」のうち、5000mの走力アップの部分を掘り下げていこうと思います。
- 5000mとはどんな種目か
- 5000mに向けた期分けについて
- 5000mのトレーニング例
5000mとはどんな種目か
中長距離走のベンチマークになる種目だと捉えるのがしっくりくると思います。
なぜなら、有機的代謝の速さでパフォーマンスが決まるのが5000mという種目で、この能力は全ての中長距離種目で決定的となるからです。
乱暴に言ってしまうと、自身の身体を5000m移動させるのに必要なエネルギーを15分で生成できる人は5000mを15分で走れ、20分で生成できる人は5000mを20分で走れると考えていただいて差し支えありません。
中長距離種目のパフォーマンスを決める二大要素は有機的代謝の速さと筋持久力ですが、5000mはどちらの要素もバランス良く必要となってくるので、専門種目に関わらず5000mが速い人は1500mやマラソンも速いです。
※マラソンやハーフマラソンは筋持久力の比率が大きいので、走歴の浅い選手などでは当てはまらない場合もあります。
5000m13分台の箱根ランナーが大学卒業前のマラソンデビュー戦でいきなりサブテンを叩き出したりしますが、上記を考えると納得のいく話です。
また、「5000mはマラソンに比べて簡単だろう」と結構誤解されているのですが、そんなことはありません。
もちろんただ完走するだけなら5000mの方が簡単ですが、速く走ろうと思えばどちらの種目も練習量はさほど変わりませんし、レース中はいずれにせよメチャクチャしんどいです。
私は5000mという種目が好きなのですが、「マラソンサブ3した」と言うと「凄い!」という反応が返ってくるのに対し、「5000m18分台出した」と言っても「ふ~ん」ぐらいの反応しか返ってこないのは寂しいです。
しんどさの種類はマラソンとは異なり、呼吸はかなり荒くなり、筋肉もマラソンの終盤のヘタった感じとはまた異なる言うことの聞かなさで、完走した時のやり切った感はなかなかのものですよ。
後は1周400mのトラックの中で数十人で競う種目のため、他の選手とのバチバチのバトル感が味わえて非日常的です。
大人になってから利害関係や忖度抜きでガチンコ勝負ができる機会というのもなかなかないので、やってみると色々とスッキリしますよ。
5000mに向けた期分けについて
マラソン(他の中長距離種目全て)の場合と変わりません。
つまり、基礎構築期、移行期、特異期、調整期の4つに分けて順番に進んでいきます。
基礎構築期の定義のとおり、この期間の内容はマラソンとほぼ変わらず、移行期、特異期と進むにつれてより5000mレースに特化した内容が増えていきます。
基礎構築期
詳細は↑の記事で紹介しましたが、この時期に練習量をなるべく増やして土台を作っていきます。
ポイント練習と繋ぎ練習の差が極端にならず、毎日平均的に頑張るイメージです。
おおよそ4~6週間かけて以下のような練習に取り組んでいきます。
- 速いジョグ(きつくもなく楽でもないペース)
- 登坂走
- ファルトレク
- 距離走20~30km(5000mレースペースの70%程度)
移行期
今度は基礎構築期での練習量・頻度を維持しながら徐々に実践的な練習を入れていきます。
その分繋ぎの練習で速いジョグとしていた一部を楽なジョグに置き換えるなどして、全体の負荷を調整します。
ポイント練習として5000mレースペースの90~110%ぐらいの練習が入るようになります。
おおよそ4~6週間かけて以下のような練習に取り組んでいきます。
- ゆっくりジョグ(翌日に疲労が軽減するレベル)
- 疾走区間を5000mレースペースとしたショートインターバル(400m×15、繋ぎ200mジョグ)、流し(200m×5)
- テンポラン(5000mレースペースの90%程度)
- 距離走20~30km(5000mレースペースの70%程度)
特異期
いよいよ特異期です。
ここまで積み上げてきたものをベースにして、レース当日にやりたいことである「5000mを目標とするレースペースで走り切る」ための刺激を入れていきます。
ここまできたら速いジョグはカットしても良く、その代わりにレースペースの95~105%ぐらいの練習を入れ、更にレースにも出場して5000mレースに特化した部分を仕上げていきます。
おおよそ4週間かけて以下のような練習に取り組んでいきます。
- ゆっくりジョグ(翌日に疲労が軽減するレベル)
- 疾走区間を5000mレースペースとしたロングインターバル(1000m×6、繋ぎ400mジョグなど)
- 3000~10000mのレース(距離に応じて5000mレースペースの95~105%程度)
- 距離走20~25km(5000mレースペースの70%程度)
調整期
ここまでくると大詰めです。
練習量を60~80%ぐらいまで減らしながら、レースで記録を狙っていきます。
基本的にポイント練習はレースペースの95~105%の練習に絞り、後はゆっくりジョグと最低限の距離走で繋いでいく方向性になります。
6週間ほど良い状態を維持できれば御の字という気持ちで、以下のような練習に取り組んでいきます。
- ゆっくりジョグ(翌日に疲労が軽減するレベル)
- 疾走区間を5000mレースペースとしたショートインターバル(400m×10、繋ぎ200mジョグなど)
- 5000mのレース
- 距離走20km(5000mレースペースの70%程度)
5000mのトレーニング例(あくまでも目安です)
基礎構築期における1週間のトレーニング例
月曜日:休み
火曜日:速いジョグ10km、間200m×5
水曜日:登坂走100m×40
木曜日:休み
金曜日:速いジョグ10km
土曜日:ファルトレク1分&1分20セット
日曜日:25km距離走(5000mレースペースの70%)
移行期における1週間のトレーニング例
月曜日:休み
火曜日:速いジョグ10km
水曜日:400m×15、r=200m(1分)(5000mレースペース)
木曜日:休み
金曜日:ゆっくりジョグ10km
土曜日:テンポラン6km(5000mレースペースの90%)
日曜日:25km距離走(5000mレースペースの70%)
特異期における1週間のトレーニング例
月曜日:休み
火曜日:ゆっくりジョグ10km
水曜日:1000m×6、r=400m(2分)(5000mレースペース)
木曜日:休み
金曜日:ゆっくりジョグ10km
土曜日:3000mレース(5000mレースペースの105%)
日曜日:20km距離走(5000mレースペースの70%)
調整期における1週間のトレーニング例
月曜日:休み
火曜日:ゆっくりジョグ8km
水曜日:400m×10、r=200m(1分)(5000mレースペース)
木曜日:休み
金曜日:ゆっくりジョグ8km、間100m×5
土曜日:5000mレース
日曜日:20km距離走(5000mレースペースの70%)