皆さんこんにちは、荒川です。
今回は「マラソントレーニングの三要素」というテーマを紹介したいと思います。
マラソントレーニングの三要素
長距離走・マラソンのトレーニングについて要素分けをすると「質・量・頻度」の3つに分かれます。
今回はこれら三要素の概要と、最重要な要素について解説していきます。
頻度(最重要項目)
出し惜しみはせずに、いきなり結論です(笑)
長距離走・マラソンが速くなるためには頻度高くトレーニングを継続することが必須かつ最重要です。
少しでもいいのでなるべく毎日走るのがポイントです。
私の友人の例を紹介します。
この方はある日突然「ランニングを始めよう」と思い立ち、「ゆっくりでいいから毎日5km走る」と決めて走り始めました。
本当に来る日も来る日も毎日5kmを走り続け、数か月経ったあたりから徐々に走る距離を伸ばすようにしたようです。
ペースは一切気にせずに走り続けたものの、自然と楽に走れるペースも上がっていったようです。
そして先日、1人で21.1kmを走ってみたら1時間50分で走れたそうです。
これには私も正直驚きました。
低強度のジョグだけを毎日続けてこのタイムなので、トレーニング計画を立ててキッチリと仕上げた状態でレースに出れば1時間45分は切れるでしょうし、1時間40分もいけるかもしれません。
この方はレースには一切興味がないので私からは何も言っていませんが、いつか競技志向に目覚めてライバルになってほしいと密かに願っている相手です。
自分自身を振り返ってみても、レースでのタイムが上がる毎に練習の頻度も増えています。
最初は週3日ぐらいから始め、サブスリー達成からサブエガ達成の頃は週5日前後、今は週6日前後といったところです(まだまだ自分に甘く、なかなか週7日を続けられていません)。
また、ある指導者の方に「最も適切な練習頻度はどのくらいか?」と質問したところ、「週7~13回、つまり市民ランナーはなるべく毎日走るようにしなさい」という回答でした。
なるほど、確かに競技者は二部練習がスタンダードで練習頻度がこの範囲に収まっているなととても納得しました。
ちなみに、元競技者でも現在は趣味で週2回ぐらい走っているといった人は全然速くは走れないと聞きます。
5000mを全力で走っても22分台とかだそうです、要するに普通の市民ランナーレベルです。
現役時代は14分台や13分台で走っていてもそうなるものなんだなと(そもそも競技者の大半は引退した時点で既に燃え尽きていて、もう速く走ろうという気力が残っていないとは言われました)。
練習量
基本的に練習量が多い方が走力は高いです。
ただし、「練習量を増やす」と言うと1回のトレーニングで走る距離を増やすことにフォーカスしがちですが、先に述べた通りトレーニングの頻度を上げることの方が優先順位は上位に来ます。
単純な理屈で、「週末だけドカ走り」のようなやり方をすると1回のトレーニングの負荷が高すぎ回復に時間がかかるため、なかなか頻度を増やせずに走力も上がりにくくなってしまいます。
1回1回の練習の強度はそこそこで良いので、なるべく毎日平均的に頑張るといったアプローチで始め、その後に実践度の高い練習を入れていく方が上手くいきます(既にお気づきかもしれませんが、これは基礎構築期の考え方そのものです)。
よく「月間走行距離300kmは月間走行距離150kmのときの2倍しんどいんでしょ?」と聞かれますが、全くそんなことはなく、自分の場合はむしろ月間走行距離300kmの時期の方が楽なぐらいでした。
適切な段階を踏んで練習量を増やしていけば、きちんと基礎体力や回復力の上昇が伴うので大丈夫なものです。
逆に、「サブ〇するには月間走行距離〇〇〇km」のような話に飛び付いたり、SNSで飛び交っている月間走行距離報告なるものに惑わされ、走行距離ありきのアプローチでいくと危険です。
練習量の原理としては「収穫逓減の法則」というもので説明が付きます。
平たく言うと「あることについて何もしていないよりも少しでも取り組むと大きな差が付く、そしてその上昇度合いは取り組みの量が多くなるほど小さくなっていく」というものです(対数グラフのようなイメージです)。
例えば、一切走っていない人より月に40km走る人の方がはるかに走れます。そして月40km走る人より月80km走る人の方がはるかに走れますが、その差は一切走っていない人と月40km走る人との差より小さいです。月80km走る人より月160km走る人の方が・・・といった具合です。
なのでどこかに最適な練習量があるはずなのですが、こちらはリディアード博士が提唱している「週160km」が定説になっています。
長距離走の競技者の練習量は大体このあたりが一般的という事実があるため、実際にそうなのだと思います(マラソンが専門の競技者はもう少し距離を重視して、週200kmあたりがボリュームゾーンのようです)。
これもやはり市民ランナーの視点で考えると、「基本的に練習量は多い方が良い」と言ってしまって良いでしょう。
週160km(=月間走行距離640km)というのは、99.9%ぐらいの市民ランナーにとって現実的な数字ではないと思います(私も少なくとも現時点では不可能です)。
そこで数字の例を挙げるとすると、月間走行距離250kmぐらいあると練習に一通りのバリエーションが持たせられ、適切なトレーニング計画が組めると思います。それでいけばサブスリーも十分に達成可能でしょう。
更にレベルが上がれば上がる程そのバリエーションの中での練習量が増えていくイメージです(最終的に自身のポテンシャルの限界レベルを目指すのであれば、週160kmに行き着くという話になります)。
練習の質
一番難解な要素です(正直私も明確な答えが出ていません)。
「量か質か」「質か量か」と聞かれても答えられません。
例えば、「20kmをマラソンレースペース」という練習と「30kmをマラソンレースペースの95%」という練習があったとして、20kmより30kmの方が量は多く、マラソンレースペースの95%よりマラソンレースペースの方が質は高いと言えますが、では両者のどちらが優れた練習なのかと聞かれても分かりません。
少なくとも「量より質」「質より量」と一概には言えないのだと思います。
トレーニング計画の中で質の濃淡は付けますが、当然の話ですが質が低い(=ペースが遅い)程多くの距離を走れますし、質が高いほど走れる距離は短くなります。
よって、期分けの項で解説した「レースペースの〇〇%」という目安を基に、ペースが遅い練習ほど総量が多く、ペースが速い練習ほど総量が少ないピラミッド型になるように練習を組むことになります。
逆三角形型は絶対にNGです、故障するか練習に身体が適応できずに悲しい結末を迎えることになります。