バスが止まり、ようやくシェムリアップの町に着いたと思ったが、辺りを見回すとどうやら町の外れのようで、建物もほとんど立っていませんでした。
そんな所で下ろされたかと思うと、ここからはトゥクトゥクでホテルまで行ってもらう、値段はタダだから運転手に泊まる予定のホテルを伝えてくれ!
となんとも怪しげな提案、他の外国人や一緒のバスに乗っていた日本人たちも、その提案を怪しんでなかなかトゥクトゥクに乗ろうとしませんでした。
しかし、色んな所で話しているのを聞いていると、どうやら本当にホテルまではタダで乗せてくれるが、その代わりに翌朝からアンコールワットの案内をさせろ、とこう言う事らしい。
もともとトゥクトゥクに良いイメージの無かった僕は、トゥクトゥクに乗るのを断って歩きか、流しのタクシーでも拾ってホテル街に行くことにしました。
そうすると、数十メートル歩いた所で先ほどのトゥクトゥクが追いかけてきて、ホテルまでは遠いからとにかく乗りなよ!と声をかけて来ました。
僕が明日ガイドは頼まないけどいいのか?と尋ねると、ガイドはさせて欲しい!10ドルでいいから!あとちょっとチップをくれたらそれでいいから!と必死で言います、僕も疲れていたし、日本円にして800円ちょいで朝から晩まで回ってくれるなら良いかな、と思ってガイドを頼みました。
そこからバスで知り合った日本人に聞いていた、唯一のゲストハウスである、タケオGHまでトゥクトゥクで送ってもらいましたが、その距離実に4~5キロ。
疲れきった体でザックを背負って歩くにはしんどい距離、素直にトゥクトゥクに乗って良かったです。
タケオGHは日本人オーナーが経営しているらしく、スタッフも日本語を話します。
初めての国境越えと色んな人々との出会い、前日までのバンコク漫遊が思いの外、僕を疲れさせていました。
なので一泊7ドルの二人部屋か一泊3ドルのドミトリーしか空いてないと言われても、僕にドミトリーを選択する気力は残っていませんでした。
部屋に案内されて、荷物をおろし、近くのコンビニの様な所で軽く食料を買い込み、ビールを買って部屋に戻りました。
異様に鉄臭い水が出るシャワーを浴びて、ビールを飲んでいるとすぐに睡魔が襲って来て、僕は抗うことも出来ずに眠りに落ちました。