「Dr.コトー診療所2006」の8話は本当に何回見ても飽きません。
奥が深すぎます。
中江監督、あんた本当にニクイ演出しなはる!
ここで簡単なあらすじを・・・・・・
と思ったのですが、面倒なので(オイオイ)詳細は公式サイトでも見て下さい。
ここが離島でなければ、内科・外科とがチームになって1人の患者の治療にあたるんだろうけれど、コトーは患者の命の責任を1人で背負っている訳でしょう。
それを望んで赴任して来た事とは言え、プレッシャーは相当のものだと思うのですよ。
長く深く島の人と係われば係わるだけ苦しくなっていく。
その苦しみから救ってくれたのは2003の時は第8話のあきおじだったのよね。
タイトルは「救えない命」
手のつけられない癌だったあきおじ。
コトーは延命の為の治療をせず、自宅で余生を過ごしてもらう方法をとった。
結果的にあきおじは死んでしまうけれど、普段と変わらぬ生活をする事で本人も家族も納得出来る最後を迎える事が出来た。
でも今回は違う。
外科的な治療を断念したほど末期癌なのに信じられないくらい回復していくゆかり。
そんな患者を目の前にしてコトーが素直に喜べなかったのは、医師としての知識や経験を根っこから否定されてしまったように感じたから?
コトーだって人間だし1人の医師だよ。
ゆかりの奇蹟的な回復は、医学を修め、 外科医として多くの患者を見て来たコトーの全て否定されてまうかのような出来事に違いない。
鳴海の「癌を甘く見ない方がいい」という言葉の意味が痛いくらいわかるからこそ、コトーはゆかりの回復が喜ばしい反面、医師として結果的にゆかりに待っている現実を考えてしまう。
はぁ・・・本当に8話は奥が深い。
人が持つ生命力や自然の力に対して医師の知識や技術など無力である事。
心のどこかで直せないと思っていた自分に対する怒り。
そんな自分が患者や家族から感謝されるジレンマ。
医療ミスを犯して大学病院を追われても医師を辞めたいとは思わなかったコトーが、
「少し・・・疲れました」と初めて吐いた弱音。
・・・辛い、辛すぎるよコトー先生!!!
なんだか演じている吉岡秀隆という役者も辛そうで心が痛いのは何故??
出来る事なら後ろから抱きしめて差し上げたい。←迷惑?
でもそんなコトーに、志木那島の海と風が痛んだコトーの心にスーと風を通してくれたみたいで良かった良かった。
このシーンがなかったら見ているこっちも体に悪いよ、ほんと。