演劇を観てきた。

劇団昴ザ・サードステージ『フツーの生活 長崎編』

中島淳彦作・北村総一朗演出

 

 原爆とはまったく関係のない普通の人々が、終戦間際の病室で交錯する。戦争への向き合い方も、考え方も関わり合いもまったく異なる。そんな人々の生活が理不尽にも突然に終わらせられていく。


 いろいろな普通の人々の生(せい)に圧倒された。普通だけど精一杯の生が伝わってきて尊かった。だからこそ、動かしようのない結末に向けて、ハラハラし、傍観するしかない自分の無力さを思い知らされた貴重な時間となった。病室の窓の外に長崎の景色が描かれていたのだが、人々の生活が見えるかのような美しい背景だった。

 当然のことながら、戦争の経験などないけれど、どの年代で戦時体制に組み込まれたのかで戦争に対する捉え方が違っただろうと思っている。だから、戦争をテーマにした作品に触れるとき、昔から、自分ならどう考え、どう行動しただろう、と想像しながら観る。ただの妄想にすぎないが、思いもつかないからこそ、そのような事を考えてしまうのかもしれない。ちなみに、登場人物である軍隊忌避のために詐病する男、ズルくて共感しづらいが憎めない。だが、生き方としては自分に正直だと感心する。自分ならどう生きただろうか、いまだに悩んでいる。

 劇後には音楽付朗読劇『原爆詩を読む』を続けて観た。峠三吉、原民喜はもちろんだが、子どもの詩が心に突き刺さる。子どもたちのとてつもない体験にグッときた。

 公演の前と後、入口付近に演出の北村総一朗さんが立ってらっしゃった。戦争を経験された方の想いを自分は少しでも受け止める事ができたであろうか。帰り道、ルノワールで奮発コーヒーを飲んで心を落ち着けた。

 15年ぶりの奈良旅、初日は猿沢池からスタート。ここは落ち着いていて好き。

 ならまちを歩いて今西清兵衛商店にて利き酒。奈良漬の試食付きで「春鹿」を飲む。5種の酒をいただいた。とても飲みやすかった。

 その後は中学時代の修学旅行の班別行動で行った先を思い出しながら辿ることに。

ポカポカ陽気、お酒も入り、気持ちよく歩いた。33年前のことで、うろ覚えだが新薬師寺から白毫寺(寺から奈良の街が見えた)、最後に柳生街道を歩いてみる。

柳生街道、結構なハイキングコースだった。中学の班行動、他の班が行かないところへ行きたくて新薬師寺から柳生街道を選択。ハイキングコースを制服で歩いたっけ。先生方はよく許可したな、と今では思う。確か、岩には彫られた朝日観音、夕日観音を眺め、峠の茶屋まで歩くも、予想以上に時間がかかり、山道を引き返すより、道に出た方が良いと判断。通りがかりの地元のおじさんに保護され、軽トラックに乗せてもらって宿舎に帰った。荷台から見た夕暮れの記憶がある。当然、集合時間に大幅に遅れた。夕食の時間も終わっており、班のメンバーと大広間で食べた。ただ、あまり怒られた記憶がない。

 街道に入ってまもなく、旧陸軍の水道取水堰があった。全く覚えていない。日が傾いてきており、疲れていたのと怖くなってきたので、少し歩いたところで引き返す。

戻ったら、日が暮れていた。

 2日目、奈良国立博物館へ。朝から行列ができており、さすが国宝展、さすが大型連休である。入場までは少し待ったが、入ってからは比較的にスムーズに、自分のペースで観て回ることができた。そういう意味でも博物館は朝一番で行くべきと痛感した。

ガラスケースのないむき出しの法隆寺百済観音像もすごかったが、お目当ての七支刀も堪能できた。

 昼からは中学時代の修学旅行先を辿る2日目。

薬師寺に行ってすぐに雨が降り出し、

唐招提寺では本降りとなった。

大和西大寺駅の近鉄百貨店をぶらぶらし、夕食は初めて草鍋を食す。


 鶏なめろうも食べてみた。これも初。まったく違和感なく食べられた。

なかなか美味しかった。

 最終日、天気回復。東大寺大仏殿へ。

盧舎那仏は何度か見ているが、なぜか今回が一番感動した。

三月堂、二月堂、若草山…などと思っていたが、足が疲れた。帰ろうかと歩きはじめたら藤の花が見頃との横断幕を見つけて春日大社の萬葉植物園へ。藤を愛で、春日大社にも寄って奈良旅終了とした。

 思い切ることは大切で、出かけてよかった。


 年齢を重ねて、変わったことの一つに「季節の植物を愛でたい」気持ちが芽生えたことがある。

まさか、今回の旅先で植物園に行こうとは思わなかった。

奈良、春日大社の萬葉植物園。

日本古来からの植物にスポットをあてており、好きな人にはたまらない場所なのではなかろうか。

ピークを迎えていたのは藤の花。

藤にもたくさんの種類があるとは知らなくて、なかなか興味深かった。

入口付近に販売コーナーもあって、藤の苗木が売られていた。電車でなければ買いたかった。(今になって思えば、ベランダで育てられるのか。買わなくてよかった…)

ちなみに、旅の主目的は奈良国立博物館の超国宝展だった。こちらもなかなか良かった。