職場のボスと駅までの商店街を歩いていたら、中古CDショップがあった。何度も通った道なのだが、気づかなかった。1階が中古のオーディオ店だったこともあり、CDを売っているとはよく見ないとわからない。そういうこともあって通過していたのだろう。
ボスが少し寄っていいか、と言う。もちろん異論はない。果たしてCDショップはジャズがメインなのだった。それがボスには合ったようで、夢中になってCDを漁りはじめた。こっちはジャズに縁はないんだよな、と軽く見始めたところ「ベニー・グッドマン」の名前を見つけた。
この人知ってる!
かつて愛読していた池波正太郎のエッセイに登場していたっけ。確か執筆時にベニー・グッドマンを聴くという。万年筆、煙草、和服にジャズ、しかも書いているのは時代小説。そんな取り合わせが新鮮で、ベニー・グッドマンの名前だけ記憶していた。どういう演奏なのだろうかと衝動買いした。
こういうお顔だったのか。
帰宅後、CDを聴いた。何が良くて何が悪いかはわからないのだが、心地良い音色。1955年の録音源とのことで少しくすんでいるが、時代を感じられて良かった。
聴きながら、池波作品を読み返したくなった。エッセイは「食卓の情景」だったか、「銀座日記」だったろうか。中高生の頃に読んだ作品を、中高年の今、もう一度。何か感想は変わるのだろうか。
何にしても思わぬ出会いに感謝。
どうやらボスも、欲しいCDを手に入れたようだった。





