言葉を交わしていた筈なのに
相槌が聴こえなくて
「・・・・ヒョン?」
椅子から腰を浮かし
ソファの様子を覗いたそこには
両腕を組んだまま
瞼を閉じて眠るヒョンの姿・・・・
さほど広くないソファーに身を丸め
靴を履いたまま足を投げ出して
うつむいたその横顔は
彫刻の様に美しいのに・・・・
遊び疲れた子供の様に眠っていた
忠告も虚しく、あんたの中の「僕」は
何時まで経っても「安全」な
男でしたかないんだな・・・・
どれほど長い間想い続け
恋い焦がれてきたのか・・・・
「・・・・眠るなって・・・言ったのに」
雨が降り始めたのか、
おおきな雨粒は音もさせず
窓に打ち付け流れて落ちてゆく・・・・
静寂の中に聞こえるのは安らかな寝息
だらしなく開かれた赤い唇が
柔らかそうだなと思った
・・・・・・ヒョンに
ヒョンの唇に触れたいと思った。
この唇に触れたら・・・・・
あんたは目を覚ますだろうか?
近づいて覗き込んだ顔に「ヒョン」
ともう一度だけ呼んでみる
「あんた・・・・犯されたいのかよ」
この瞼が開いたら・・・・・
これまでの関係は終わりだなって
「誰か」の声が頭の中で聴こえたけれど
幸せそうに眠るこの人を前に
積もった僕の想いを止めることができなかった。







