リアル~完全なる首長竜の日~感想 ネタばれ有り! | 猪突妄想日記 全集

猪突妄想日記 全集

俳優の佐藤健くんを応援してます。

ネタばれアリアリの感想です。

未見の方は、絶対に読まないよう、お願いします。





ほんとにほんとに、

映画観てない方も、DVDになったら借りて見よう~って方も、ここまでで!!!

絶対読まないでね!!







ふーーむw

健くんには、考えるより、感じてくださいと、聞かされてたけど、

終わった後、イロイロ考えてしまいますわw

で、あれはそういうコトだったのか!と騙されたことに気付くと楽しい。


例えば、映画が始まって、しばらく、

センシングした淳美の意識の中と、

現実の世界の境で苦しむの浩市がメインだけど、


これがそもそも、ぜーーんぶ浩市の意識の中という最初のオチ。

言われてみれば、運転中の車窓は現実感ないし、

母親との会話も、的を得ない。

なぜこんなにも、よそよそしいのか?

島に行き、行方不明の子供の事を調べに行くシーン。

答えを半分だけ言い残し、どこかへ消えてしまう警察官。

これなんて、まさに夢にありがちな風景だったりする!

なにより、全てのシーンに浩市がいることが、ある意味非現実というか。

↑健くんファンとして、こんなにオイシイ演出は無いっすw


中盤で、実は昏睡状態だったのが浩市と分かってから、

物語は、全く別の方向に向かい出す。


それまでは、なぜ自殺未遂をしたのかを探るがテーマだったのが、

ここから、浩市が怯える過去の記憶と少年の謎の究明に変わる。


この急展開に、ついていけない人も多そうだな・・・。


浩市のは、自殺未遂でなく、事故だった。

でも、物語が進むにつれ、それは過去の事件の怨念だと、気付かされる。

黒沢監督ならではのホラー要素?

それでも、じゃ前半の部分はなんだったの?とならずに、

伏線が色々隠されていたりする。

例えば、水浸しの部屋なんかは、海の事故を連想させるし。

浩市が実家で拡げたスケッチブックの中には、デッサン図なんかもあったり。

そもそも、前半部分で淳美が口にする不安は、浩市のものだったんだろうし。


一方、現実の浩市の容態は、次第に悪化。

この辺の描写が、前半部分と違って、こっちは正真正銘、現実なんだと思わせられる。

うまいなー。ほんと。


中谷美紀演じる相原の使い方も上手い。

センシングが終了するたびに、どうだったか?との聞き方の怪しさ。

後半、昏睡状態の浩市に語りかける時と同じ口調で、

ずっと、こうやって語りかけていて、浩市はセンシングの夢を見ていたのかと思わせる。


中谷美紀のシーンでは、最後のセンシングの時の風の使い方がすごい。

監督は、特に意味も無く、なんとなくっておっしゃってたけど、

ああいう演出を、なんとなくやってしまうってのが、奇才と言われるゆえんなのか?

あの風、すごく状況を表してていいんだよねー。

最初は、壁に不気味な影も映ってて、嵐の前のような静かな風が吹いてて。

これからどうなるのか、緊張感が高まっていく。

その後、淳美が浩市を救い出したのが分かる時には、

真っ白な壁の前で、斜め下から強く吹き上げる風・・・。

淳美の体の内側から湧き上がるパワーが、見えるような・・・。

印象的なシーンでした。



もりおが溺れた理由は、首長竜のペンダントが足に引っ掛かったから?

首長竜のせいにして、自分の中の罪の意識を精算した・・・。

でも、きっと彼らの知らないとこなのか、記憶からこぼれおちたのか(←懐いこのセリフ)

わからないけど、

当時、大人たちは、きっと大騒ぎになったであろうし、

それで、島のリゾート計画は頓挫したんじゃないんだろうか?と

これは、私の勝手な解釈w


最後に、首長竜が出てくる理由がわからない!って、レビューをたくさん見たけど、

あれこそが、夢の中だから。

突然、夢の中でゴジラが出てきちゃったりするのと一緒で。

もりお=首長竜って具体化しちゃったってことでOKかしら?


ただ、首長竜(@もりお)を鎮める手立てとなった、たつのおとしごのペンダント。

これの使い方が、もうちょい上手ければ、良かったかなーと。

浩市の意識の中で、しかもすぐ足元に落ちてるとかって・・・・( ̄ー ̄;

例えば、浩市の未発表原稿と一緒に見つかるとかして、

淳美の言葉で、あの事故がどういう事なのか、はっきりさせて欲しかったような・・・。

ペンダント渡して、ハッピーエンドじゃ、もりおが可哀想すぎるーー

もりおは、実は生きてたんだよとか、浩市は島を去っちゃって知らなかったとか、

とにかく、見殺しにした二人がなんの苦もなく、あっさり助かってしまうのが、残念。


最初の方で、淳美が「ここは私の意識の中でしょ、だからどうにでもなるんだ」というセリフがあるけど、

自分の意識(というか無意識?)は、どうにも出来ないものなのかもしれない。

そもそもそのセリフも、淳美の意識の中では無かったし、

浩市は自分の罪の意識から作り出した首長竜に対して、なにも出来なかったのよね。


そして、ラスト。

おだやかな雰囲気の病室で、目覚める浩市。

あまりにも、不穏な空気が無さ過ぎて、

今まで観てきた事が全て夢だったとさえ思えるんだけどーー!!!

いいの?



最後に、健ファンならではの萌えポイントw

剣心もはまり役だと思ったけど、浩市も負けてないわーw

黒沢清という奇才の作り出す、独特の世界観、ちょっと不気味な映像美の中の健くんが素敵すぎ。

特に、お気に入りのシーンが、

3回目のスカッシュ場でぶっ倒れて・・・その後、「比古根島に・・・」って言う時の顔!(〃∇〃)

もうひとつが、空中に浮いてる鉛筆を取って

首長竜の絵を描いてる時のよ・こ・が・お!!!!(///∇//)

美しすぎるーーーーーーーーーーー!!!!!

疲れきったような、ぼろぼろになってる表情がたまらん~~~


もう映画館で観る事は出来そうもないので、あとはブルーレイの発売を待つぞーw