「新しい地平」太田龍子様は預言者の如く/ToshIさんのエール | 羽生結弦さんの見つめる先を見ていたい

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羽生結弦選手を敬愛しています。羽生さんを応援する素敵ブログ様方を日々の心の糧にしている、ソチ落ち主婦のブログです。(横浜在住)

昨日の羽生くんの「決意表明」で、羽生くんが「新たなステージ」に向けてスタートを切ることを望んでいらっしゃることが、良く分かりました。
自身の過去を守るのではなく、ただただ前を向く羽生くん。その姿勢は壮絶なまでに潔く美しく…私はもう何十回目か分からない沼に陥るのです。

フィギュアスケート界の現況は、
ISUの専横でコロコロ変わる競技ルール。
それに振り回されるスケーター達。
羽生くんはそんな理不尽な世界でもがく不条理から決別し、
自分が理想とする「技術性と芸術性が融合するスケート」を追求する道を歩むことを選んだのです。

ファンとしては、彼がこの先にどんな風景を見せてくださるのか想像しつつ、とてもワクワクしています。

実は、昨日の記者会見で「新たなステージ」と聞いて、私は文筆家である太田龍子様のエッセイの一文を思い出していました。
太田様曰く、

フィギュアスケートというフィールドにおいて、羽生はある意味『上手すぎる』域にまで達して、彼自身もそれを自覚し、新しい地平を求めているのではないだろうか。」

「羽生結弦はメダルや記録だけでは満足できず、これまでにない驚き、発見、感動を創りだしたいという欲求に突き動かされているようだ。」


太田さまが、このエッセイを発表されたのは7月6日のことです。


改めて、太田龍子さまの御慧眼には驚嘆させられます。

この素晴らしいエッセイ、一部のみご紹介させていただきます。(全文は、是非↑から太田さまのNOTOにご訪問なさってください)


でも、まずは、動画にて、FaOI静岡千秋楽のアンコール部分をご覧なってから、太田様の文章へとお移り下さい。

より言葉の深みが増すことと思い、お勧めいたします。🙏

↓動画は『レゾン』&アンコール『ノートルダム・ド・パリ』。

10分30秒の動画です。アンコールは6:30あたりからですが、是非、通しで観ていただきたい演技です。


↓太田龍子さまのエッセイ

「舞台に神々が宿る時」

​「静岡で開催されたファンタジー・オン・アイス2022千秋楽をCS放送で拝見した。
オオトリの羽生結弦『レゾン』が終わり、興奮が冷めない熱気の中、アーティストたちが暗闇からステージに再登場し、サプライズ演奏が始まる。
曲はミュージカル『ノートルダム・ド・パリ』から『
Danse my Esmeralda』
歌声とともに漂うように下手から顕れた白い人影。『レゾン』の衣装を纏い、ステージ背後を通って光の中に姿を見せた羽生はよろめき、膝をついて、すがるように『
Danse my Esmeralda』を歌う歌姫に手を差し伸べる。

演技というべきなのだろうけれど、渾身の『レゾン』を滑り終え、疲弊しきって引き上げた彼を見たばかりの観客たちの目に、本当に倒れそうに映ったとしても不思議はない。

 焦がれるようなまなざしを送りながらも歌姫に触れることなく立ちあがった羽生は、十字を切り、この世のものではない何かに憑かれた目をして氷上へと踏み出してゆく。




(画像はテレビの画面撮りです)


 『ノートルダム・ド・パリ』は2012-2013シーズンのフリーの曲だ。2013年当時は歌唱の入らないバージョンで、劇中の4曲を組み合わせた構成だったが、この日は最期の1曲『Danse my Esmeralda』に乗せて舞うコレオシーケンスからラストまでのクライマックス部分。世界中の不幸を背負ったように醜いノートルダム寺院の鐘つき男カジモドが、片恋の相手、無実の罪で処刑されたエスメラルダの亡骸を抱き、ともに死ぬことを願って歌う。ミュージカルの中でも最終曲であり、この世では報われない恋にすべてを捧げようとする男の究極の恋歌だ。

 本来なら男声のパートだが、天上界まで届ききそうにに高く甘やかな新妻聖子の歌声は、流星のようなイナバウアーでリンクをゆく羽生の姿と呼応し、ミュージカルともヴィクトル・ユーゴーの原作とも違う世界を出現させていく。彷徨う眼差し、繰り返し差し伸べられる腕。純白と紫に染め分けた羽生の上着の裾は旋回するたびに舞い拡がって月下美人の花のよう。その姿は醜い鐘撞男でも、天使と悪魔を心に住まわせた炎のようなジプシー娘でもなく、永遠に手に入らない相手に焦がれる『恋』そのものの化身だ。初演から10年の時を経ながらいっそう透明度を増したように見える羽生の恋歌が、白いサンクチュアリに刻まれていく。

 ともに逝こう
 哀れな私の魂を解き放てるのはお前だけ
 お前とともに逝くことは死ではない

 熔けるように形を変える艶やかなスピンを回り切り、羽生は天を仰いで舞い納めた。折れてしまいそうに華奢な姿で、かろうじて踏みとどまったラストのあやうさが演技なのか、疲労のなせる業なのかはもはや判別不能だ。

 この『あやうさ』こそが羽生の大きな魅力のひとつだ。どんなに大きな試合でも、怪我をして体調がベストでなくても、ひるむことなく技を尽くして挑む姿勢は17歳の世界選手権初出場でも3回目のオリンピックとなった北京でも同じ、というよりますますエスカレートしているように見える。綱渡りのような挑戦、追い詰められた極限状態でしか見えてこない、手に入らない何かを追いかけているのだろうか。

(中略)

 フィギュアスケートというフィールドにおいて、羽生はある意味『上手すぎる』域にまで達して、彼自身もそれを自覚し、新しい地平を求めているのではないだろうか。それはつまづく様に速いリズムでスケートの技を引き立てるにはむかないように見える『レゾン』をまったく斬新で誰もでまねできない作品に仕上げて見せたことでからもうかがえる。

 羽生結弦はメダルや記録だけでは満足できず、これまでにない驚き、発見、感動を創りだしたいという欲求に突き動かされているようだ。
しかし、あのようにジャンプ、スピン、スケーティング、ダンス、体のライン、衣装、立ち居振る舞い、すべてにおいて完璧を追及しほぼ成功してしまったら、その先に何を求めるのか。
そのひとつのトライアルが
2022626日の『ノートルダム・ド・パリ』にあったのかもしれない。どこまでがジャンプでどこからがステップなのかおよそ見分けがつかないほど複雑な『レゾン』の直後、消耗しきった己を追い込むように挑戦を重ねることで、技術や作為的な表現を超えた『何か』を呼び込もうとしたのではないか。

 『ノートルダム・ド・パリ2022』には名工の手になる陶器が窯の中で炎に焼かれ、予測できない窯変や自然釉によってえも言われない景色を生じたような、意思や制御を超越した何かがあった。羽生自身はあの日、何をつかみ取ったのだろうか。

(テレビ画面撮りです)



抜粋は以上です。

羽生くんが「掴み取ったもの」、それは「自由への翼」だったのかもしれませんね。


今にして思えばなのですが、

「アート・スケートの女神」が羽生くんを「競技スケートの世界」から救い出している図を思い浮かべてしまいます。


エスメラルダ、
また踊っておくれ
また歌っておくれ

お前とともにあの世に行くことは、
死ぬことではないのだ―



もちろん、太田さまのエッセイは、6/26のFaOI大楽の演技をご覧になってのご感想です。

でも、今、拝読すると、まるで昨日7/19の「決意の記者会見」を予見していらっしゃるように思えてなりません。
それほど、「見える」方には、羽生くんのフィギュアスケートが「熟達」の域に達し、ある意味「飽和している」様が明らかだったという事ですね。
少なくとも、羽生くんの技術も芸術性も、その真価を測る術も持たないジャッジ連の採点システムなど、遥かに飛び越えてしまっているようです。

羽生くんはまさに「青龍」(中国の伝説上の神獣)のよう。
成長した彼には、フィギュアスケート池は狭苦し過ぎて、自在に泳ぎ回れない。
 
でもそう分かっていても、北京五輪後にすぐに「プロ転向」を宣言なさらなかったのは、やはり、前例のないことであったから。フィギュアスケート界では、アマチュア(スケート界での呼び名は現役)の競技会からプロに転向すること、すなわち「引退」というマイナスの捉え方をされるものだから。
でも、羽生くんはその概念をこれから、自身の活動を通じて変えようとなさっている。
競技会に出場しなくなっても、「プロのアスリート」として更に技術を高めて挑戦を続けていくと、高らかに宣言なさいました。
「技術的最高到達は現役(アマチュア)、表現力はプロ」と固定観念があるフィギュアスケート界ではまさに「目から鱗」!画期的なことです!

羽生くんはプロに転向しましたが、今現在、
「世界最高の技術力と表現力を持つスケーター」です。
現時点で、もう既成概念を覆しているのです❗️

そして、「プロ転向」を考えた当初の羽生くんにあったであろう最後の躊躇い。それを払拭する役目を果たしたのは、今年の「ファンタジー・オン・アイス」だったと、私は思うのです。
太田様が仰るように、あの『レゾン』、あの『ノートルダム・ド・パリ』、そして『REAL FACE』、ソロだけでなく、群舞の『午後のパレード』↓『略奪』まで、すべて羽生くんにとっては、全力投球の"真剣勝負"であり"更なる表現力に挑戦する舞台"でした。
羽生くんの演技に熱狂する観客やマスコミの好反応…FaOIの12回の公演を通して、羽生くんは自分の選んだ道に確信を持つに至ったと、私は推察いたします。

羽生くんは、(今はまだ構想段階ながら)様々なプランを考慮中であるとの旨、仰っていました。
私の夢想ですが、その中に、「ファンタジー・オン・アイス」を更に発展させたような企画があるとよいなと思います。
音楽とスケーティング、音楽家とスケーターがまさに対等に表現し合った祭典があったら、なんと素敵な事でしょう。
そう、例えて言えば、羽生くんのアイスショー「Continus〜with Wings」(2018.4)と、羽生結弦プログラムコンサート「music〜with Wings」(2019.1)が合体したみたいなショーを見てみたいです。
音楽を、スピンやステップやジャンプetc.様々なスケートの技術をもって、余すところなく表現できるスケーター・羽生結弦ならではのアイスショー。
もとより音楽に国境はなく、言語も関係なく、世界中の方々が共鳴し感動するアイスショー。
その祭典の真ん中に羽生結弦がいる。
…そんな壮大な夢を、今、私は楽しんでいます。


そして、これはあながち私だけの夢想ではないかもしれません。

大勢の音楽家の方々が羽生くんを支持し、応援してくださっています。


↑式部さんは前回まで長くFaOIの音楽監督&ピアニストを務めていらした方で、羽生くんとも馴染みの深い方です。 


↑鳥海さんは、今年のFaOI音楽監督です。


↑2018年FaOIで共演。SP『ロンド・カプリチオーソ』も清塚さんの編曲&ピアノ演奏。


↑福間さんはピアニストで、2015年FaOIで共演されました。


↑松尾泰伸氏はピアニストであり、羽生くんの2015年のEX『天と地のレクイエム』の作曲者でいらっしゃいます。


スガシカオさんもラブラブ


そしてなんと、toshIさんも、今回、スポニチを通じて「共演熱望エール」を発信してくださいましたラブラブ

ToshIさんからのメッセージをご紹介させて頂きます。🙇‍♀️

羽生結弦様


 これまで、たくさんの感動、勇気、笑顔を、世界中の人々に与えてくださったその偉大なる功績と、それを如何(いか)なる時もやり続けてくださった汗と涙の胆力に、心よりの敬意と感謝を申し上げます。


私にとって羽生さんとの出会いは、まさに大きな羽を授かるが如(ごと)く、思い悩む人生の転換期に、力強い励ましとチャレンジへの甚大な推進力を与えてくださいました。言葉には尽くせませんが、ただただ、「ありがとうございます」。いつもファンの方のお気持ちを大切にしてくださる羽生さんがお決めになった新たなる道。多くの応援団の一員として楽しみにいたしております。


 そして、叶(かな)うならば、もう一度羽生さんが舞うリンクで歌わせていただく夢を見させてください。長い競技人生お疲れ様でございました。心身のご健康とますますの飛翔、切に祈念いたしております



(スポニチアネックスより)


式部さん、清塚さん、福間さん、スガシカオさん、そしてToshIさん、皆様、ありがとうございます😭

まるで"FaOI同窓会"のように、アーティストの皆さまと羽生くんが一堂に会したショーを、いつか見てみたいです。



どうか、羽生くん、思う存分、夢を追いかけて下さい。
そして、健康でいて下さい。🙏



羽生結弦特番情報をお知らせします。

どちらも7/23(土)の地上波です。

↓えんみ様、感謝してお借りします🙇‍♀️




田中宜明さんの写真集、8月8日発売決定です!




今日も羽生くんを全力応援!ᕦ(ò_óˇ)ᕤ


羽生くんが痛みなく滑れていますように!

羽生くんが笑ってくださっていますように!

羽生くんの幸せを心から願い、祈ります🙏



画像やTwitterや記事や動画は感謝してお借りしました。


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