日本スケート連盟は23日の評議員会で2020年度の決算を承認し、単年度で約2億700万円の赤字となった。天野好人専務理事によると、過去最大規模という。
新型コロナウイルス感染防止策として、昨季はフィギュアのNHK杯や全日本選手権で会場の収容人員の半分を上限としたことでチケットの収益が大幅に減少した。
至って簡素な記事ですが、その意味するところは大きいです。
日本スケート連盟は、フィギュアスケート部門とスピードスケート部門の合同ですが、この産経新聞の文章では、その収益の大部分はフィギュアスケート部門に頼っていると読み取れるからです。
しかも、チケット代となれば、私達ファンが支払っているわけですから見逃せません。
フィギュアスケートファンがスケート連盟の収益の多くの部分を支えていると、推察されます。
以前から言われていたことですが、フィギュアスケートのチケット代は、他のスポーツ観戦に比べて高額すぎます。
スケートリンクの設定に膨大な費用がかかることは分かります。沢山の時間と人出がかかることも理解しています。↓
でも、フィギュアスケートの試合やアイスショーは、アリーナ席では20,000円以上、スタンド席でさえ15,000円以上はよくあることです。
例えば、22,000人収容のさいたまスーパーアリーナの場合、満員のチケット収益を最も多いスタンド席で試算してみると、単純試算で15,000円×22,000人=3億3,000万円になり、これが1日分です。2019年の世界選手権のように大会期間が4日間に渡るとなれば、13億2,000万円にもなるのです。この時、公式練習のチケットも別売していました。
更に、大会協賛企業からスポンサー料も入ります(あのリンク壁にぐるりと貼り巡らされた広告はお馴染みですね)。スケ連の財政は潤うばかりでしょう。
そこから色々経費を差し引くわけですが、1試合でこれですから、年間で大きな大会2〜3試合を日本スケート連盟が主催すれば、チケット収入だけでも膨大な利益が転がり込むという予想は容易です。
他の会場のキャパシティも見てみましょう、
- 代々木第一体育館 約12,000席
- 横浜アリーナ 約17,000席
- 長野ビッグハット 約5,000席
- 真駒内アイスアリーナ 約10,000席
- 大阪ラクタブドーム 約6,000席
会場ごとに座席数はかなり違います。アリーナ席の料金だけみても、下は15,000から上は25,000円超と、会場ごとに差があります。
今年、NHK杯は代々木、全日本はたまアリです。上限が5,000人となるようであれば、同じように試算をして、1日当たり15,000円×5,000人=75,000,000円、3日で2億2,500万円がチケット収益として見込めるでしょう。(JOやCOIも2日間で3回入れ替え制ですから、完売すれば同様です)
グランプリ・ファイルは、ラクタブドームです。中規模の会場では、収容人数の50%となれば、販売チケット数も減り、チケット獲得は更に激戦が予想されます。
いずれにしても、
現在の日本でのフィギュアスケート興行は、かくも巨大な収益を生む"金のガチョウ"なのです。
でも、この莫大な金額は、ファン一人一人がお目当ての選手を観たい一心で支払った金額の、途方もない集合体です。
ただチケット収益というものは、泡のようなもので、それだけに頼るのは危険です。
逆に言えば、昨年来のコロナ禍のような災害により、大会が中止されたり、無観客試合になれば、あぶくのチケット収益はゼロになり、リンク設営などの必要経費が嵩む分、たちまち赤字に転落するのは、至って自明の理なのです。
こうなると、今年に限って、日本スケート連盟が「ジャパンオープン」開催に前のめりな理由がよくわかります。
例年であれば「後援」ですが、今年は「共催」です。
他の主催団体を差し置いて、いち早く開催を発表するなど、とにかく熱心なことは明らかです。
今年のJOのチケット料金を見てみましょう。
↑それにしても、返す返す強気の料金設定だなと思います。
コロナ禍の入場規制の対象ですから、収容人数は5,000人を上限とすると思われます。
通常ならば22,000席のさいたまスーパーアリーナですから感染予防対策のソーシャルディスタンスは充分すぎるほど保たれると思えば、さにあらず!
「お一人様は、必ず他のお一人様と隣り合わせになる」などという、訳の分からないチケットの売り方を押し通しています。これでは「お一人様はソーシャルディスタンスを取れないから2枚で買ってね」と言っているようなもの、まるで「押し売り」ですかと、モヤモヤしたものです。何故こんなに席を詰めたがるのでしょう?非常事態宣言が解除されたら、これ幸いとチケットを追加販売する心算があるのでしょうか。
ただでさえ、ギリギリまで最終出演者を発表しないなど、不誠実な対応にすっかり嫌気がさしてしまって、私自身は、はなから申込をしませんでした。
このようなスケ連の姿勢が、昨年度の収支決算の赤字転落が決定的だったという台所事情からきているものならば、さもありなん。
あの手この手で、少しでも多くチケットを売りたいスケ連の思惑は、透けて見えるどころか、丸わかりです。
でも、不誠実は、ファンを離れさせてしまいますよ。
ここで、ちょっと、スピードスケート部門のチケット事情を見てみましょう。
例として、昨年度のスピードスケートの1つの大会チケットの要綱について、ご紹介させて頂きます。↓
![むかっ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/034.gif)
フィギュアスケートでは強化選手35名、強化ペア選手3組。ここまでで、41名。これにシンクロナイズドチーム1組が加わります。
スピードスケートおよびショートトラックでは、
スピードスケート、70名
ショートトラック47名。合計117名。
フィギュアスケートの強化選手数はスピードスケートの半分以下です。
稼ぎ頭はフィギュア部門、でも、選手強化費は、それ以外の部門に多く使われているとしか思えません。
再三申し上げていますが、収益の多くをフィギュアスケートファンからの高額のチケット代が占めていると推察されるのに、この凄まじいほどの不公平を改善しようとする気配が微塵も感じられない。
スケ連の対応ぶりにほとほと呆れています。
何も優遇してくれとは申しません。ただ両方の部門への対応を是正して、もう少し均す努力をして欲しいだけです。
更に言えば、フィギュアスケート内でも、選手への対応や採点は飽くまで公正に平等にして欲しいです。
私は、羽生くんが現役でいらっしゃる間は、必ず応援に行きます。
どんなに熾烈であろうとも、チケット争奪戦に喜んで参戦します。
どんなに設定チケット代が高額であろうと、
羽生結弦の演技を生で観る愉悦に代えられるものなど、他にあろうはずがありません。
結局のところ、料金とは対価であり、出せるか出さないかの判断は、ひたすら、その金額に見合う魅力と価値が対象にあるか否かで決まるのです。
でも、羽生くんが引退なさったら、私は試合会場に足を運ぶことはなくなるでしょう。
テレビ中継で、後輩くん達を応援するスタイルに変えるつもりです。
チケットを買うのは、ただ羽生結弦が出演するショーのみです。
散々、不平等判定を繰り返した日本スケート連盟に対して、ファンとして恩義は一切感じていません。
すっかり秋めきました。
富士山は、今日、正式に初冠雪が発表されました。
仙台の秋も早いでしょう。
羽生くんが健康でありますよう、無理して風邪をひいたり、怪我などなさいませんよう、今日も心からお祈りしています。🙏
画像や記事は感謝してお借りしました。
追記です。
なんと、なんと、「ジャパンオープン」と「カーニバルオンアイス」、テレビ東京で中継しない様子です。
JOは、ISU公認の試合です。毎年、必ず中継録画ながら、地上波(テレビ東京)で放送されていました。
↓晴夜さま、感謝して貼らせていただきます。
晴夜@azayakanablue
9/27月18:00〜販売開始ジャパンオープン2021ライブ配信視聴券5000円(JO&COI)2000円(JOのみ)※JOは町田樹解説付き※巻き戻し、追いかけ再生不可※アーカイブ無し… https://t.co/QWmhn7zXqe
2021年09月27日 18:27
急遽、本日27日(月)から、ローチケとぴあでライブの配信チケットが発売開始となりました。
まだ会場チケットも通常販売中ですから、ひょっとしたら売れ残りのチケットが想定以上に多いのかもしれません。ならばライブ配信を実施して、取れるところから少しでも回収しようという算段でしょうか。だとしたら、スケ連もなりふり構わずです。
でも地上波での放送は、広くフィギュアスケート競技の普及&宣伝に繋がると思うのですが、こんなにも商業主義に走ってしまって、果たしてこれで良いのでしょうか Σ(-᷅_-᷄๑)
高いスポンサー料を払っている協賛企業にしても、テレビ放送されないのであれば、一般消費者への宣伝効果は激減するわけですから、当てが外れたと憤慨することでしょう。今後の協力関係を見直されるような事態を、スケ連は想定しないのでしょうか。
長い目で見て、このままテレビ中継の機会を逃すとすれば、マイナス面を被るばかりのような気がしてなりません。
ひょっとしたら、「羽生結弦が出ないなら視聴率が取れない」と地上波放送を断られたというケースもあり得るのかしら。
画像や記事は感謝してお借りしました。