コオロギバゲット(パン)が販売され、
話題になっているのにちょっと驚いてしまった。
衛生管理された環境下で養殖したコオロギのパウダー。
パンやお菓子となって売り出されたようだけれど、
「なんだかな〜」と思ってしまうのはわたしだけ?
気候変動も相まって、家畜の飼料となる穀物の生産も危ぶまれるのに
2050年ごろには96 億人に達すると予測されている人類。
日本人の健康志向を煽るような扱いにとどまっているようで、根本の解決に繋がるとは思えないので個人的に気に入らない。
限られた環境で作られる食料への疑問
昆虫食は昔からあって、日本でもイナゴや蜂などを食する文化は今も残っているし、このパンをきっかけに昆虫食が見直されることは、良いことだと思う。
しかし、
食物連鎖の起点にある自然環境。土壌や森林、樹木と菌類の共生などを保持することをないがしろにしたまま、LEDによる植物栽培のようになっていくのではないかと心配になる。
技術力が上がり、生産性が高まるのは良いことだが
その横で、樹木や河川が育んでいる自然の恵みと生態系の連鎖が失われることの無いように配慮する必要性を重んじていたい。
SDGsってなんだろう
コオロギパウダーでパンを作った企業は、
「未来の食糧不安に備え、持続的な食糧の安定供給を目指しSDGsの取り組みも進めている」というが、
SDGsが取り上げているのは貧困や飢え、劣悪な環境に苦しむアフリカなどの人々を救うことを念頭に置いてのこと。
どんな取り組みをしているのだろう?
ホームページを覗いてみると
かなり意識してSDGsの色々な項目に取り組んでいるようだが、どうしても日本中心。地球規模の視点がもう少し前に出ていて欲しいと思った。
SDGsの取り組みと言えば耳障りが良い。
内容はともかく、取り組んでいれば印象も良くなる。
パンの紹介のホームページでは、「国際連合食糧農業機関(FAO)が2013年の報告書で昆虫の食用利用の可能性について言及している」というが、報告書とはこのことだろうか。
国際連合食糧農業機関(FAO)からたどって見つけた、国連広報センターで見つけた2013年の報告書→ 国連の活動に関する事務総長報告書
https://www.unic.or.jp/files/a_68_1.pdf
ここには、飢えや人口問題など取り上げられているが昆虫食に言及している箇所は見当たらなかった。
(英語など、他に文献があるのかまで調べてはいない)
20世紀の終わり頃、環境問題に貢献することで企業の株が上がると、
名ばかりの貢献で悦に入った大手企業がたくさんあったのを思い出す。
このまま先進国が飽食を続け、地球を食べ尽くしてしまいそうな勢いの中で、途上国の若い人たちが飢えて死んでいくのを、気にしないで暮らしていくのだろうか。
そんなことはあってはならないでしょ!
肉食の文化は、見直されるべきところに来ているが、未だに肉ばかり食べてバランスを欠き、病いを誘発し、薬漬け、サプリ漬けの人が後を絶たないのは何故なんだろう。
21世紀、新しい時代の始まりに、
何を見据えて、何を造り出して行くつもりなのか。
根底から考えて行動を始めよう。
☆・*゜☆・*゜☆・*゜
こちらの企業の良し悪しを問う記事ではありません。
企業努力と提言の一端として意義のあることだと思います。
養殖コウロギのパウダー
トウモロコシなどを餌にするが、牛などの家畜に比べれば、少ない餌と水で生産できCO2の削減に繋がる、持続可能性の高いミライのたんぱく源だそうです。
確かに環境負荷は、低くなると言えそうですが、今の健康志向に乗って、謳い文句はに踊るだけで終わりにならないことを願うばかりです。
▽FUTURENAUTの食用クリケットパウダーについて
https://futurenaut.co.jp/cricket_powder/
bread by klimkin