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皆さま、おはようございます!
売れプロ12期生・超ポジティブコンサルタント、中小企業診断士の加藤直人です。
日本企業の99.7%を占め、雇用の約7割を支える中小企業支援に日夜取り組み、多くの顧問先が長期継続するために貢献することを仕事にしている私が、今日は中小企業の人材育成について考察しようと思います。
中小企業の生産性
現在日本の生産性が低い原因は、中小企業の占める割合が多いからという議論が良く専門家の間でもなされます。
このような考え方は我々中小企業伴走者として非常にもどかしくくやしい議論です。
確かに日本の中小企業の生産性は大企業に対して、0.41倍(2019年版中小企業白書より)しかなく、その差は徐々に拡大しています。
ではその主要な原因とはいったい何なのでしょうか?
人材マネジメントの効果
生産性を高めることができる重要なリソースは、①ヒト②モノ③カネ④情報です。
この4要素を効果的に組織内で最大限にマネジメントすることこそ、弱者がこれからの岐路を分かつ大きなアクションであるといえます。
その個別要素について検証すると一つの傾向値に気づくことができます。
まず②のモノ(サービス)について。多くの中小企業が顧客志向に立脚し、中小企業ならではの小回りの利いたサービスを運用していること大前提でしょう。むしろここに耐えられない中小企業はそもそも存在価値が極めて低くなり存続できません。では③の資金面どうでしょう。ファイナンス戦略が、間接金融である金融機関の融資に依存する比重の高い中小企業において大企業をそこで凌駕するには大変ハードルが高く、これは④の情報という無形財産についても、ひと昔前は長期に継続している老舗企業の蓄積された技術(職人的ノウハウ)において優位性を持つこともありましたが、現在のビッグデータの時代において統計的に中小企業が情報把握することは困難な時代といえるかもしれません。
そう考えると、①のヒトこそ組織内でのマネジメントの仕組みが、計画的かつ継続して行われれば効果的解決策になる、と考えられます。
中小企業の人材づくりの本質
中小企業は先に述べたとおり経営資源が限られています。したがって、必然的に「地域社会にとってなくてはならない会社、支持される会社」でなくてはなりません。先程もお伝えした通り、「カネ」「情報」では地域にある大企業に太刀打ちできないときに何を高める必要があるのか。答えは明白です。
「その地域で社員が生き生きと輝き、その社員さんの輝きがモノ(サービス)の付加価値を高める会社を経営すること」
これこそ中小企業経営者がまず取り組むべきビジョンと言っても過言ではありません。
京セラの理念
稲森和夫氏は京セラの隼人工場創立35週年の記念式典で「全従業員の物心両面の幸福を追求する」と述べた話は有名です。
その裏側にこんな話があったのはご存じでしょうか?
京セラの前身である京都セラミックを立ち上げた際「今年暮れのボーナスはいくらくれるんですか?」「毎年どれだけ昇給するんですか?」「ミニマムこれくらいを保証してもらえないなら我々は辞めたい」入社した高卒9人の社員に一斉に団体交渉されたといいます。
そしてその時に稲森氏の答えは「約束できるわけがないではないか。私自身、会社がどこまでどう行くのかわからないのに、約束できるわけがないではないか。だから、保証はできないけれどついてきてほしい。信じられないならば一度騙されてくれ。1年、2年たって、私が本当に騙す男だったら、その時に辞めても遅くないだろう」
そしてその言葉は若き経営者である稲森氏の覚悟となったと、後日語っています。
その後に「全従業員の物心両面の幸福を追求する」だけだとつまらんと思い「人類、社会の進歩発展に貢献する」を入れた、というエピソードも非常に稲森氏らしくその順序が興味深いと感じます。
中小企業におけるビジョナリーとは
中小企業の経営者は、日々「モノ」「カネ」の緊急性に絶えずとらわれます。そして、重要度は高いのですが「経営計画」や「人材育成」といった課題は後回しにする傾向が高いものです。そんな状況下だからこそ、重要度が高い上述の課題に真摯に取り組むこと、そのためには10年先の経営計画を明確にし、そのビジョンに必要な人材育成をすることが経営者にとってもっとも重要なミッションです。
私は中小企業伴走者として、その「ビジョン実現型人事評価制度」の構築を顧問先から請け負っていますが、これこそが日本の中小企業の生産性向上の施策であり、日本創生への寄与であると真剣に信じています。
法政大学院政策創造研究科教授で「日本でいちばん大切にしたい会社」の著者である坂本光司先生は著書の中でこう述べています。
「近年七・五・三現象といわれる離職率があります。中学・高校・大学の新卒入社後三年間の離職率のことです」
そしてその事例の中で、最も離職率の激しい飲食業界の中で実質ゼロの実績を誇る企業にインタビューした際、「残業時間を減らすために人員を増やすか、仕事(注文)を減らす事に取り組み、それによって会社の中に助け合いの風土・お互い様の風土が生まれ、顧客に振り分ける時間も長くなり顧客サービスも向上。その結果、客単価が上がり、リピーター客が多くなり、広告宣伝費や求人広告費をほとんど使わなくてもよくなり、その分社員の給料や福利厚生に回すことができ、離職率を限りなく0に近づけることができた」というお話を紹介されています。
そのようなビジョンに経営者が真剣に向き合うこと。それに真剣に伴走し制度運用を全従業員さんのために行うこと。これらを融合させることこそ我々コンサルタントの真の達成感が生まれると信じて、今日も進んで働きたいと思います。
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