プロジェクト型業務の増加に対応する業務管理手法 | 『売れプロ!』ブログ -「売れる」「稼げる」中小企業診断士に-

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 売れプロ12期生 中小企業診断士 花村 幸一です。

 

 業務は大きく、定型業務とプロジェクト型業務に分かれます。定型業務は日々または定期的に繰り返される、ルーチンまたは標準化された作業プロセスです。一方、プロジェクト型業務とは特定の目標を達成するために行われる、独自のプロセスやタスクの集合となります。デジタルトランスフォーメーション(DX)の進展により、多くの定型業務が自動化されるようになってきました。一方で、VUCAという言葉が象徴する現代では、より現場での変化対応のため、プロジェクト型業務が増加しています。この業務形態の変化は企業に新たな機会を提供する一方で、業務管理の変化も求めています。

 

 私は、過去、本ブログにおける担当回で、プロジェクトマネジメント及びプロジェクトを統合管理するプログラムマネジメントに関する記事を扱ってきました。今回はこれらの考え方に基づく、業務管理の手法を扱いたいと思います。

 

1.業務管理方法の変化

 仕事の現場では、プロジェクト型の業務が増えています。以前は、定められたルールに基いて遂行する定型業務が多かった現場でも、独自の目標を決め、目標に応じた作業を行うプロジェクト型業務が増えてきています。

 

 プロジェクトという言葉を使うと、数十人から数百人規模で達成する業務ととらえられがちですが、期限が決まっている、新しい成果を作り出す業務というプロジェクトの定義に当てはめれば、少人数で実施する業務や日常的な業務も多くがプロジェクト型業務に当てはまります。

 中には1人で実施する業務がプロジェクト型であることもありますし、実際にこれらの業務にプロジェクトマネジメントのスキルを使うことにより、効率的に業務を進めることができます。

 

 このようなプロジェクト型業務の増加により、企業経営者のみならず、組織の管理者層は、これまでと異なった管理手法を取り入れる必要があります。従来の定型業務中心の管理から、多様なプロジェクトを効果的に管理する方法に変化させていかなければなりません。

 

 定型業務が多い状況では、管理職が管轄する業務は、その管理職が経験したことがある業務や類似した業務である事がほとんどでした。そのような状況では、業務をよく理解している管理職が、部下の状況を見れば、問題点の把握や改善が容易でした。

しかし、現在では、管理者が未経験の業務を部下が行っている事が増えてきています。そのような中では、業務経験に基づく管理ではなく、新たな管理方法が必要です。

 

 組織の成果を最大化するために、業務ごとの特性を理解し、適切な管理手法を適用する必要があります。

 

2.複数のプロジェクト型業務の管理手法

 その管理手法は、プロジェクト型業務を横並びで管理し、進捗状況や成果を確認できるようにする手法であるプログラムマネジメントの考え方を取り入れる事です。そのためには、部下が進める業務の管理手法を標準化し、同一基準で進捗状況と成果を確認できるようにする必要があります。

 

 ここで注意するべきことは、業務毎に特性が異なることを理解し、完全な標準化が各業務のスムーズな進行を妨げてしまう可能性があることを理解することです。組織内にあるプロジェクトの特性を見極めた上で、基本となるプロセスを標準化することが必要です。

 

 標準化した業務管理手法に基づき、進捗状況と成果の確認は定期的に実施します。部下の業務進捗を妨げている課題があれば、管理職として、必要な手を打ちます。部下では解決できない課題の解決やヒト・モノ・カネといったリソースの追加判断を行うことにります。リソースには限界があるため、場合によっては成果の上がらない業務からリソースを減らすことや、業務をやめるといった判断もすることとなります。

 

 プロジェクト型業務の増加と、それに伴う管理の複雑化は、管理者に新たな役割を求めています。組織のリソースを最適に配分し、業務間での調整を行う必要があります。これには、管理者としての業務の優先順位付け、リスク管理、変更管理など、多岐にわたるスキルが求められます。

 

3.プロジェクト型業務の管理を支援するプログラムマネジメントオフィス

 複数のプロジェクト型業務を横並びで管理する事は工数を要し、管理者1人では、管理の手が回りません。

それを支援するのが、プログラムマネジメントオフィス(PgMO)です。PgMOは、複数の業務を横断的に管理し、管理者の配下で動くプロジェクト型業務全体の成果を最大化できるよう支援します。

 

 PgMOの存在により、プロジェクトの進捗状況の透明性が高まり、意思決定プロセスが改善されます。また、PgMOはベストプラクティスを標準化し、組織全体に展開する役割も担います。

 

4.結論

 今回は管理者として、複数のプロジェクト型業務の推進を管理する方法をテーマに扱いました。プロジェクト型業務の増加と経営環境の変化に対応するためには、プロジェクト型業務に合わせた管理をすること、そしてPgMOの役割が不可欠です。PgMOは、プロジェクト管理を標準化し、経営者や組織の管理者がパフォーマンスを最大化できるよう支援します。1組織の管理者がPgMOの組織を持つことは難しいかもしれません。その場合でも、PgMOの役割を担う人材をサポートにつけ、組織を管理することが求められます。

 

 PgMOを活用し、プロジェクト型業務にあった管理手法を実践し、組織としてのパフォーマンス向上を進めていただきたいと思います。

 

 

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