副業の確定申告で勘違いしやすい3つのポイント | 『売れプロ!』ブログ -「売れる」「稼げる」中小企業診断士に-

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皆さん、こんにちは。

売れプロ12期生、中小企業診断士、ファイナンシャルプランナー(CFP®️認定者)の長尾俊彦です。

 

まもなく2023年分の確定申告が始まります。

会社員などの給与所得者の場合、確定申告とはあまり縁がないことも多いのですが、副業を始めると、受け取った金額によっては確定申告が必要になってきます。

 

今回は、副業する場合の税金と確定申告の関係について、勘違いしやすいポイントをお伝えしたいと思います。

 

① 報酬から源泉徴収されていても納税が完了しているわけではない

診断士が初めて手掛ける副業としては、原稿の執筆や講演が多いかと思います。実際に執筆料や講演料を受け取ると、「源泉徴収所得税」として10.21%(1回の支払いが100万円を超える場合は、100万円を超える部分は20.42%。以下同じ)が差し引かれていることに気づくことでしょう。「執筆料や講演料は、あらかじめ天引きされているから、確定申告しなくて良い」と考えてしまいがちですが、そうではありません。

 

源泉徴収は大雑把に言うと、個人に給与や報酬を支払った事業者が、その個人に代わって所得税を納めることが義務付けられている制度です。勤務先の場合は、年間に支払う給与額の予想ができているので、実際の税率に近い形で源泉徴収が行われます。その上で、年末調整で実際の年間の税額との調整が行われる、という仕組みになっています。所得が給与のみであれば、年末調整をしていれば、基本的には確定申告する必要はありません。

 

しかし、副業先の事業者は、その個人が他でどれだけの報酬を得ているのかを知る術がありません。そうしたこともあり、執筆料や講演料などの源泉徴収の税率は一律10.21%とされているのです。

 

実際の所得税の税率は、人によって異なりますので、所得税の仮払いをしている状態に過ぎません。そのため、源泉徴収されていたとしても、原則として確定申告をしなければなりません。なお、他の所得と合算した結果、本来の税額より多く源泉徴収されていた場合は、申告すれば差額が還付されます。

 

また、執筆料や講演料については、源泉徴収されているのはあくまでも所得税分だけですので、住民税については別途納めることになります。

 

②  確定申告する場合は、副業の所得が20万円以下でも申告書に記載する必要がある

副業の所得は、事業所得に該当しない場合は「雑所得(業務)」の扱いになります。会社員等の給与所得者で、雑所得が20万円以下であれば確定申告が不要なのは、ご存知の方も多いでしょう。

 

ところで、副業以外であっても、住宅ローン減税を最初に受ける年や、医療費控除を受ける際には、確定申告が必要になります。その際、もし20万円以下の雑所得があった場合は、その雑所得も一緒に申告書に記載しなければなりません。つまり、課税対象になることを意味します。

 

確定申告不要制度は、「確定申告をしなくても良いですよ」という制度なので、自分の意思で確定申告を行う場合には、20万円以下の雑所得も含めた記載が必要になるのです。「確定申告した場合でも20万円以下の所得は記載不要」と考えてしまいやすいのですが、そうではありませんので、注意を要します。

 

なお、雑所得の計算の際、取材に行ったときの交通費など、直接関係する経費については、必要経費として控除することができます。但し、事業所得と比べると、必要経費として認められる範囲が限定されていますので、よく確認するのが良いでしょう。

 

③  確定申告が不要であっても、住民税の申告は別途必要になる

これも混同しやすいのですが、雑所得20万円以下の確定申告不要制度は、所得税についてのみ適用される制度で、住民税については申告不要制度がありません。そのため、確定申告しなかった場合は、別途住民税の申告を行う必要があります。期限は、確定申告と同じく、所得のあった翌年の3月15日までです。

 

住民税の申告は、市区町村が用意している住民税の申告書に記載して、市区町村の窓口に提出します。申告書のフォーマットは、市区町村のホームページからダウンロードできるケースが多いですが、実際の提出は電子化されていない市区町村もあるので、その場合は窓口に出向かなければなりません。

 

近年、確定申告はe-Taxが普及し、マイナンバーカードとICカードリーダーやスマホがあれば、自宅でも簡単に申告できるようになりました。電子化されていない市区町村の場合、手間のことだけを考えると、確定申告の方が簡単かもしれません。一方、確定申告すると、先ほどの②で書いたように、20万円以下の雑所得にも課税されますので、お住まいの市区町村で住民税の申告が電子化されているかどうかを確認した上で、税額と申告の手間とのバランスを考えた上での選択になりそうです

 

補足 住民税の納付方法は選択できる

最後に補足ですが、住民税については、所得のあった年の翌年6月以降に給与天引きされる「特別徴収」と、自分で住民税を納付する「普通徴収」があり、どちらかを選択することができます。「特別徴収」を選択すると、住民税の通知書が勤務先に送付され、勤務先で給与所得分の住民税と一体化されて、天引きされるようになります。

 

確定申告の画面では、普通徴収は「自分で納付」という選択肢名になっています。こちらを選択すると、自宅に雑所得分のみの住民税の通知書が届き、コンビニやネットバンキング等から自分で振り込むことになります。この場合、勤務先には給与所得分のみの住民税の通知書が届き、これまで通り天引きされます。

 

 

今回は季節的な話題を取り上げてみました。

2023年の所得分の確定申告は、2月16日(金)から3月15日(金)の1ヶ月間ですので、該当する方は早めの準備をおすすめします。

 

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