地方中小企業における採用の難しさと解決策 | 『売れプロ!』ブログ -「売れる」「稼げる」中小企業診断士に-

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12期生の紅林慶太です。
 

中小企業、特に地方における採用の難しさは、近年一段と顕著になっています。

今回はこの問題に焦点を当て、採用が困難になっている背景と必要な人材を採用するための対策について考察します。


採用状況の説明


地方の若者は高校卒業後、進学や就職のため都市部へ移る傾向が強まっております。

少子化と合わさることで地方に残る若者が大きく減少しています。

 

また、地方で就職する場合であっても全国展開している大企業の現地募集を選ぶことが多いです。

 

これらの要因により、地方の中小企業では採用が一層困難になっています。


求められる人材像と採用の難しさ
 

私の経験上の意見ですが、地方の中小企業では、主に打たれ強さと素直さが求められることが多いように思えます。必ずしも全ての地方中小企業に当てはまるわけではありません。


ここで求められる打たれ強さとは、多くの場合厳しい指導にもめげずに耐えることを指します。

現場においては、40代のミドル層が手薄になっていることも多々見られます。そのため、ベテランによる昭和的な厳しい指導が行われることがあります。

 

他にも、工事や建設現場では、騒音の中で分かりやすく指示するため、大きな声で最低限の内容のみの指示が行われ、それが怒っているように聞こえがちです。


また、上司や先輩からの指導を素直に受け入れ、学ぶ姿勢も重視されます。
さらに、デジタル化の進展や業務の多様化に伴い、ITスキルや外国語能力等様々なスキルを持つ人材も求められています。

しかし、これらの人材を見つけ採用することは容易ではありません。
特に若い世代は、厳しい指導に対して疑問を持つ傾向が強くなっております。その上で終身雇用制度の崩壊により、厳しい状況を乗り越えてまで働き続けるインセンティブが低下しています。
 

また、消費や業務の多様化、技術の高度化により、従来の価値観や行動を模倣するだけでは成功しないと考え、若者は従来の指導や業務方法に抵抗を感じるようになっています。
そのため、若者はその企業のホームページやSNSを見た上で、従来的な価値観を求められる企業と判断すれば応募を避けます。


同時に、地元採用を行う大企業、場合によってはリモート採用を行う他の地方企業との取り合いになります。


対策


このような状況に対処するため、地方の中小企業は以下のような対策を検討する必要があります。

価値観の再定義:


応募者に必要な能力について、その能力が本当に必要なのか、時代に合った概念なのか見直しを行います。
 

例えば、「打たれ強い」という概念について見直しについて書きます。

従来的な価値観は、厳しい指導や叱責であっても辛抱強く耐える、外部圧力で変形しない鉄球といったものでした。

 

それを、困難に対してどうやれば乗り越えられるのか、必要に応じて方法を見直す、適切に協力を求めるといった、変形しても元に戻る、跳ねるゴムボールのような適応力と主体性に再定義することが挙げられます。

必要な能力や優先順位の整理:
 

多様な能力を求めるのではなく、最低限必要な能力と、あれば望ましい能力を明確に区別し、優先順位を設定します。

従来であれば、一定の応募者が居たため、その中からある程度選ぶことが可能でした。

 

少子化の現在は、本当に必要な能力を絞り、求人票でどのような人物が欲しいのかを表明し募集することが望ましいです。

外部人材の活用:
 

必要に応じてフリーランスや複業人材を活用し、柔軟な人材構成を目指します。

特にデジタルマーケティング、SNS運用、デザイナーといった人材を活用する例が多いように思えます。

 

効果的な活用のために、必要に応じてデジタルツールを導入すること、要件定義できる程度に自社内で学習することも求められます。

独自の魅力の発信:
ここでの魅力は社会貢献ややりがいというよりは、働き手である若者にとって何が魅力的なのか、何を求めているのか、といった点を理解した内容を発信することが望まれます。

 

私が見聞きした限りでは、健康経営やくるみん、えるぼしといった、働きやすいことが伺える内容や、時代に合わせて柔軟に新しい価値観や技術を受け入れる姿勢が求められるように思えます。


最後に
少子化や都市部への人口流出により地方の中小企業における採用は年々困難さを増しています。

 

しかし、優先度の見直しや価値観の更新、外部人材の活用、独自の魅力の再発見によって、このような状況であっても多くの従業員が応募する地方企業にしていくことが可能となります。

 

それらを現在実現している企業も最初からできたのではなく、深刻な離職や求人難を乗り越えた企業も多くあります。

 

 

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