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こんにちは、中小企業診断士の平井浩です。
前回は予実管理について記述いたしました。今回は引き続き予実管理の具体的な内容について書かせていただきます。

■予実管理のステップ
実際に予実管理を実施するには、どのような段階を踏めば良いのでしょうか?
大きく次の6段階があります。
1)    中期経営計画の設定・把握
2)    単年度の予算数値の設定
3)    予算数値達成のためのアクション、KPIとスケジュールの設定
4)    期中での定期的な予実分析と課題把握
5)    課題解決のための打ち手の決定
6)    PDCAの実施
以下、順に説明いたします。

■中期経営計画の設定・把握
予実管理では、予算目標がないと実績との差異を確認できません。まずは、会社全体の目標が必要です。全体の単年度予算を立てる前提として、中期経営計画(中計)が大切になります。中計とは会社全体が中長期的にどう成長していくのかを示した計画になります。多くの場合、3年~5年程度の期間で、企業があるべき姿に対して、どのような道筋で成長していくのかを数値を用いて説明するものとなっています。どのセグメントで、どのような製品・サービス群で、どれくらいの売上や利益を稼いでいくのかを示しています。その裏付けとして、現状はどこに居て、今後はどのような戦略を取り、目標を達成するのかを記述しているものです。単年度予算を立てる前に、当該年度が中計の中でどの位置にあるのか、前年までの計画の進捗が進んでいるのか、あるいは遅れているのか、などを掴んでおく必要があります。

■単年度の予算数値の設定
前項にて中計を確認し、現状との間にずれが生じているようであれば、そのギャップを埋めるために単年度の予算数値にします。中計を立てた際にも各年度の数値は設定していることが多いはずですが、その数値の達成のためには戦略を変えるべきなのか、経営リソースを追加すれば実現可能なのか、なども含めて検討します。場合によっては、予算数値自体の修正も必要です。
こうして全体の大きな目標が決まったら、各部門やプロジェクトごとの予算目標へと落とし込んでいきます。目標は適切な数値である必要があり、自社や業界全体の実績や成長率、トレンドなどを踏まえて、無理がないかどうかを判断することが重要です。「適切な範囲」をどの程度と考えるかは業種や顧客層などを反映するので、企業によって違います。経営側の意志や理想を反映することは当然ですが、実現への道筋が見えないような数字では動きが鈍くなってしまい、達成が難しくなります。一例ですが、法人を対象にしたビジネスの場合、個人を対象にしたビジネスに比べ、アプローチから売上までの時間が長くなりがちで、急激な売上伸長はしにくい傾向にあると言えます。

■予算数値達成のためのアクション、KPIとスケジュールの設定
予算目標が決まったら、それを実現するための具体的なアクションに対するKPIを設定します。アクション・KPIを設定する際のポイントは、目標達成への関連性が高く、分かりやすいものを選ぶことです。多数の個人をターゲットにした営業活動と限られた数の法人や自治体をターゲットにした営業活動では、アクションが違うのは自明だと思われます。当然ながら、そのアクションを計測するKPIも違うはずです。KPIが決まったら、いつまでにどれくらいの水準を達成するのかが分かるスケジュールも決めます。

売上目標などを決める場合は、原価、販管費、売上総利益、営業利益に関する目標も設定します。営業現場に近ければ近いほど、原価や販管費に対する意識が薄くなりがちですが、それでも最低限の指標は設定し、利益に対する意識を常に持つような仕組み作りが大切です。
確かに、管理対象の指標が少ない方が目標に向かって走りやすいのは間違いありません。しかし、利益に対する意識が欠如していると、売上さえ上げれば人件費や接待費をいくら使っても良い、と考える部門長が表れかねません。組織ごとに何らかの指標を設定することで責任の所在を明らかにする必要があります。このため、前項でも書きましたが、予算は全体の大きな目標が決まったら、各部門やプロジェクトなどの組織ごとの予算目標へとブレイクダウンしていきます。

■まとめ
今回は予実管理のステップの第1ステップから第3ステップまでについて書きました。次回は続きをご説明いたします。
 

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