日本型 CFO の特徴について | 『売れプロ!』ブログ -「売れる」「稼げる」中小企業診断士に-

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 こんにちは。売れプロ12期生の日髙 翔太です。

 私の仕事は、企業の幹部層採用の支援であり、1 人の強力な CFO 人材が社内に加わることで、企業が大きく変わる様を何度も目撃してまいりました。CFO は「最高財務責任者」と訳され、財務戦略の立案を中心に、CEO と協業して経営戦略・事業戦略の立案を行い、管理部門の統括を行うことが主な役割です。

 日本企業と欧米企業のそれぞれのCFOでは会計を軸とするという点においては共通する面を持ちながら、その役割と意識は大きく異なっているように感じます。それぞれのCFOを日本型CFO、欧米型CFOと呼称することとし、今回は特に日本型 CFOの特徴についてまとめていきたいと思います。

■日本におけるCFOの起源 
 わが国唯一の国際的財務企業人教育機関である JACFO(一般社団法人日本 CFO 協会)では、「財務戦略無しには経営戦略が立案できず、欧米ではこの財務戦略の責任を担う CFO は経営者として、CEO(最高経営責任者)と並びそのステータスが確立されている」旨を示しております。また、財務戦略を企業価値の向上につなげるためには、経営戦略に取りこみ、企業活動をマネジメントする、世界基準に合わせた財務管理力を培う必要があります。
 日本において、CFOが初めて登場したのは、96 年のソニーが最初であり、それを皮切りに、97 年には旭硝子、98 年では帝人といった日本を代表する大企業において、CFO の導入が続々と進みました。その後 20 年以上の年月を経て、現在では日本国内でも多くの企業が CFO を導入しており、CFO という名称が定着してきております。
 
■日本型 CFO の特徴について 
 日本型CFOを語る上で、まずは管理部長と呼ばれる職種について触れてまいります。私が 経営幹部の転職支援を行う中で、この管理部長の方々は、まずは経理部門にて一担当者~係長等として、一般的な決算業務、税務業務などの財務会計の経験を身に着け、その後資金調達やキャッシュフローに関わりながら、その他人事、総務といった管理部門の掌握にも手を広げていき、内部昇進で 管理部長 に昇格されます。この管理部長がさらに昇格することで経理・財務担当の役員となることが多いのですが、この経理・財務担当の役員が、バブル期以降に欧米経営の浸透していく中で、CFOに名称変更する形で定着してきた流れがあります。
 このような流れから日本型 CFO は、財務会計を中心とした会社の守りの部分に対して非常に目配りができ、縁の下の力持ちタイプの人材に育つケースが多いように感じます。対して、欧米型CFO に求められるのは、戦略立案、将来予測といった分析に基づいた経営戦略執行における責任者の立場であり、その役割と意識は大きく異なっているように感じます。 

■会計の視点で見た日本型CFOと欧米型CFOの比較
 会計は、大きく財務会計と管理会計に分けられますが、このうち財務会計は経理・財務・税務といった業務であり、決算実績などの過去から現在までの事実を管理、報告する機能に主眼を置いております。対して管理会計は各事業部の経営管理や利益予測を通して、現在から将来にわたる利益分析やリスク管理、投資判断、戦略立案などの経営意思決定に主眼を置いております。

 欧米型 CFO は財務会計機能に加えて経営管理・経営企画機能を持ち、戦略策定・業績管理・意思決定に関する管理会計機能を主管するとしているのに対し、日本企業では財務会計機能については経理財務部門が主管していますが、管理会計機能は例えば経営企画部門などの経理財務部門以外の様々な部門に分担されているとしていることが多いです。さらに日本企業の経営企画部では経理財務の経験のない方によって利益管理・投資分析がされているケースも多く、これが日本企業の低利益化を招いているともいわれています。

 大前提として、日本型CFOと欧米型CFOに優劣があるわけではなく、それぞれにメリットとデメリットがあるわけですが、現在は欧米諸国に見習った経営が浸透しつつある中、欧米型CFOが求められるケースは増えてきているといえます。もちろん近年のグローバル化を目指す日本の大手企業には、欧米を見習った欧米型CFOを置いている企業も多く存在しますが、特に中堅企業や昔ながらのオーナー企業ほど、日本型CFOや管理部長などが多い状況です。
 一方で現職での実体験にて、私の愛するベンチャー企業がIPOを目指す上でCFOが非常に重要な役割を担うと考えておりますが、そのベンチャー企業で求められているのは、欧米型CFOの要素が強いと考えております。今後のブログではベンチャー企業における欧米型CFOの重要性について記してまいりたいと思います。

 

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