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12期生の紅林慶太です。
今回は、人を大切にする経営と、それを実践する企業への訪問について述べていきます。

人を大切にする経営とは


人を大切にする経営とは、法政大学院の元教授、坂本光司氏が提唱した企業経営の価値観です。

この考え方では、企業の最大の目的は単に業績を高めることではなく、関わる人々を大切にし、幸せにすることにあります。
「人」とは「社員とその家族」、「外注先・仕入先」、「顧客」、「地域社会」、「株主」の五者を指します。
 

この経営哲学は、業績向上を否定するものではなく、業績向上と人を大切にすることの両立を目指します。


人を大切にする企業への訪問
 

以前に、人を大切にする経営を実現されている企業様を訪問しました。

以下はその訪問で感じたポイントです。

これらは一例であり、全ての人を大切にする企業に当てはまるわけではありません。
 

1. 挑戦し、失敗を前向きに受け入れる
 

新機材が必要だと思ったらすぐに導入する、新製品を作ってみる、積極的に世に出すとった試みが多いです。

当然に失敗も多いですが、これらをマイナスではなく貴重な経験として前向きに捉える風土があります。

これが従業員のエンゲージメントを高める要因となっているように思えました。

2. 双方向の関係性
 

従業員の意見に対して、たとえネガティブなものであっても、役員や上長が丁寧に耳を傾けます。

組織である以上は指揮命令系統や上下関係は当然のことながらあります。

 

しかし、その関係は業務上の役割に留めており、個人としては対等な人間と考え尊重する姿勢が印象的でした。

従業員に対する考えも、性善説に基づいているように思えました。

3. 人材獲得のメリット
 

人を大切にする経営で表彰される、地域で広く知られるといったことにより

この企業の経営哲学に共感する優秀な人材が毎年多く応募しています。

地方企業でありながらも募集の何倍もの学生が大都市からも応募する状況が続いております。

4. 課題の存在
 

人を大切にする経営を行うことが全てを解決するわけではなく、多くの課題が存在します。

組織文化や習慣の改善など、現在もまだ挑戦は続いています。
訪問時に担当者から、新しいことをすることで次々と課題が生まれるとの言葉がありました。

 

人間関係も全員の仲が良いとも限らない、全員が経営理念に共感しているとは限らない。

変えなくてはならない文化や風習もある、といったマイナス面も多く開示されました。


しかし、ネガティブな内容であっても積極的に開示する、外部に対してオープンな姿勢は

これからこの企業が前向きに改善しつづけるだろう、きっと大丈夫だろうと考えました。
 

5. 模倣の限界
 

他の企業が今回訪問した企業と同じ方法を取り入れても成功するとは限りません。

課題の存在でも触れたように、この企業でも変えていくべき文化があります。

良い面で書いた、挑戦的な文化、性善説的な考えも地域特性や業界の構造に支えられている側面があります。

盲目的な模倣は避けるべきです。

最後に

この訪問から、人を大切にすることと業績向上は相反するものではなく、両立可能であることを学ぶことができました。

また、人を大切にする企業の成功要因を単純化し安易な真似をするのではなく

各企業独自の条件を考慮して取捨選択していくことの重要性についても考えさせられました。
 

その企業の成功要因や背景に向き合う、分析する、取り入れられるところは取り入れることが大切です。

 

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