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みなさんこんにちは。売れプロ12期生の印南(いんなみ)です。
さて、第4回は銀行員が教える!計画策定で押さえるべきポイントとは!です。
企業再生を行う上で絶対に避けては通れないのがデューデリジェンス(以後、DD)や経営改善計画書(以後、計画書)の策定です。
DDとは対象企業を調査・評価する事です。また、計画書は会社のあるべき姿とやるべき事をまとめたものです。
でも、いざ作成したら『これはどういうこと?』、『これってやるべき?』、『もっと改善しないの!?』等、債権者から質問攻めにあうことがしばしば…
債権者からすれば貸したお金が戻ってこない状況なわけですから、疑り深くなるのも仕方がないことです。
これならばバッチリ!あなたにこの企業の経営改善は任せた!!
と債権者の方々に思われるように、DDや計画書を作成するにあたって押さえるべきポイントについて私なりにまとめたいと思います!!
1.DD
DDは主に3種類(財務DD・企業DD・法務DD)があります。
なお、法務DDは法的権利の有効性評価や係争事件等について調査する事であり、弁護士等の法律の専門家が対応します。
Point1 調査結果だけではなく、結論を書く
財務DDとは売掛金や在庫、不動産等を決算書の簿価ベースから実態ベースに引き直し、現状での企業価値を算定する調査のことです。
その財務DDでの報告書でよくお見受けするのが、分析は一生懸命してあるけど『で、結局何がいいたいの?』と思ってしまう調査報告です。
要は、分析結果は記載するも、評価(結論)部分が欠如し、債権者側が理解しづらいのです。
債務者側に理解されるポイントとして
- 分析結果はpowerpoint等で1スライド毎にまとめる
- 1スライド毎に、明確な短い文章で評価(結論)をつける
- グラフ等を活用し、視覚的にも理解しやすい工夫をする
こうすることで債権者側の理解が深まりますので、是非お試しください。
Point2 窮境要因は明確に書く
企業DDとは定量面(財務分析)と定性面(企業分析)から経営難に陥った要因(窮境要因)の特定や、企業の持つ強み、機会等を調査する事です。
この企業DDの報告書でよくお見受けするのが、悪化している原因については記載しているのですが、それに至った要因が記載されていない、もしくは曖昧なことです。
例えば、企業DDに以下のように記載されていたとします。
『商品の売れ行きが悪く、在庫が増加し、経営を圧迫している』
このような曖昧な表現の場合、債務者側で様々な憶測を生む結果となります。
例えば下記のような窮境要因を想像してしまいます。
- 市場全体が冷え込み、売上が伸び悩んだことなのか
- 自社商品の需要予測の精度が悪いことなのか
- 指揮している責任者が機能していないことなのか
これでは業務改善に有効なアクションプランを特定することが出来ません。
ここはしっかりと窮境要因を明確に短い文章で書くべきです。
2.計画書策定
次に数値計画や返済計画、アクションプラン(改善行動方針)を盛り込んだ計画書についてまとめます。
Point1 売上の右肩上がりは危険信号
これもよく見るのですが、初年度から売上を大幅に増加し、右肩上がりで増加することで経営改善を図る計画です。
これは危険です!!
もちろん、具体的に販売先等から売上の増加等が明確に見込める場合は、計画書に落とし込む必要もあるでしょう。
しかしこういった場合でも、当初見込んだ数値とは大幅にズレる場合が多く、予想増加売上高の8割程度で見込む等、ストレスを掛け、計画書に落とし込むのが無難であると思います。
債権者は結果を重視します。
仮に、安易に売上の増加策をとった結果、初年度から目標が大幅未達となった場合、債権者側の支援方針が変更(回収)となる可能性が高くなります。
資金繰りの状況にもよりますが、初年度は経費削減策等の即効性の高い案と共に、中長期的目線での売上増加策を盛り込むことが得策だと思います。
Point2 モニタリングを意識し、数値化する
次にアクションプランについてですが、定期モニタリングの際に結果報告だけが行われ、進捗状況等が債権者側に伝わらないケースをよくお見受けします。
アクションプランの良し悪しにより、改善結果は大きく変わります。
その為、債権者側もアクションプランの進捗はとても気にしており、進捗状況が具体的に把握できるようできるかぎり数値化し、債権者側と共有できる工夫をすべきです。
具体的には ①KPI、②実行責任者、③ターゲット先、④計画達成時期 等です。
特に、売上増加策のアクションプランについて、その後の進捗状況を把握できないケースが多く、掲載する場合には具体的な企業名を掲載するなど、より注意が必要となります。
Point3 文章に一貫性を持たせる
これもよくあるのですが、これまでの分析結果になかった事がいきなりアクションプランや窮境要因に出てくる場合があります。
これはSWOTのみを見て、ジャストアイディア的に生まれたものを掲載した結果が多いです。
これを防ぐにはクロスSWOTから始まり、原因分析、窮境要因の特定、アクションプランに至るまで一貫性があるか検証することをお勧めします。
Point4 サマリーを活用する
DDや計画書等は100ページをゆうに超えることがしばしばです。
債権者側としても計画書等の内容検証はとても根気がいる作業であり、場合によっては忙しさから内容についての十分な理解ができず、誤解を生む可能性もあります。
これを防ぐために、サマリー(概要)を別途作成することをお勧めします。
身もふたもない話ですが、債権者はお金を返してくれればそれでいいのです。
それ以外については簡単にわかるように説明してくれというのが本音であり、サマリーを有効活用することで、 債権者側のニーズを満たす形となります。
今回は以上となります。ここまでお読み頂きましてありがとうございました。
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