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中小企業診断士の濱崎 剛です!
最近、「社会で生きていく以上、できる限り互いを尊重し、win-winな関係でありたい」と感じることがあります。自分の意思を通そうとして、win-loseな関係になってしまうと、サステナブルではありません。
win-winの関係を保ちながら、他者に自分の意向を理解してもらうためには、「論理と感情の両方が必要だな」と思います。
この何れかを欠くと、或いはバランスが悪くなると、非対称なコミュニケーションになってしまいます。
例えば、論理偏重の場合を考えると、
・買い物をするとき、店員さんがこちらのことを鑑みず一方的に商品のアピールをする
・「○○だからやれ」と一方的に正論を押し付けられる
といったケースを考えてみると、全く買う気にならなかったり、仕事をする気にならないですよね。
これは感情を無視した伝え方になっているからです。
逆に、感情偏重の場合を考えると、
・気持ちが前のめりになり、相手に強引な営業や勧誘をしてしまう
・朝までみんなで飲み歩いてしまう
といったケースがあります。感情を優先するあまり、合理的な行動がとれないケースです。
論理偏重・感情偏重だと他人とのコミュニケーションが円滑にできず、求める結果を得ることができません。
どのように論理と感情のバランスをとるか?
これは永遠の課題でもありますが、個人的な経験からは「自分には論理的に、他人には(ポジティブな意味で)感情的に」することが一つのコツなのでは思っています。
自分で何かを判断するときは感情に流されがちなので、論理的に考えるように努める、あるいは、自分の意見が論理的であるかを第三者に壁打ちする、などです。
一方で、他人に何かをお願いするときには、他人の感情に配慮して伝えるべきと考えています。具体的には、「自発的に協力しよう」と思ってもらえるような働きかけが必要です。
例えば、旅人が北風に晒されてもコートを脱がなかったが、太陽に照らされると自分からコートを脱いだように、自発的な行動を喚起するように働きかけることだと思っています。
そのためには、論理と感情のこのバランスが大事、もしくは、「『論理的にも、感情的にも賛成!』と相手に感じてもらえるような伝え方をする」ことが大事だと思っています。
これを強く思った背景に2つの経験があります。
一つは、中小企業診断士としての経験です。
かなり前になりますが、ある企業に対して、診断業務を行った際、渾身のプレゼンを行いました。
クライアントの社長さんからは、「短期間で良く調べてくれた、とても参考になった。有難う」とのお言葉を頂戴しましたが、その後実行に移された様子はありませんでした。
コンサルタントは相手の行動まで繋げてナンボです。
実際に会社を変えるように行動するのはクライアントですから、クライアントの心を動かさなければなりません。
恐らく、当時の自分に足りなかったのはクライアントのやりたいことを十分に吸い上げ、理解することだったのだと振り返っています。
そのクライアントの意向と、自分が導き出した合理的な方向性を、上手に結びつけ伝えられていなかったのだと思います。
これ以来、相手が何を考えているのか?の理解や、相手の感情と自分の論理にはバランスが取れているか?の自問自答に一層注意を払うようになりました。
また一つは、自分の労働組合時代の経験です。
会社と人事制度などの変更を巡り、多くの議論を交わしました。よりよい組織を目指し考え得るbestなルールを作ったとしても、全体の原資を変えずに制度を変えるのであれば、笑う人もいれば泣く人もいます。
それを仮に「さんざん考えて導き出したbestなルールだから従って」乱暴に伝えるとすれば、論理偏重のコミュニケーションとなります。
「正論」を押し付けられた社員のモチベーションが下がってしまい、当初企図したものと真逆の結果に至ってしまいます。
社員の「感情」をいかに多く正確に掬い上げ声にするか、そしてその感情に寄り添う結果は何か。それは論理的な結果とどう違うのか。どの様にすれば、win-winな結果に落とし込めるのかに非常に腐心し、会社と、社員と、何十回と対話を繰り返しました。
結果としては、かなり満足のいく結果を得られたと振り返っています。
非常に経験論的ではありますが、現時点で自分が考える「論理と感情のバランスの取り方」としては、
・「信用するあなたの言うことだから聞こう」と言ってもらえるようにすること。信頼関係を築くこと。そう言われるだけの人格を陶冶し、日々を生きること。
・論理的な結論がもたらす結果を、相手が好意的に感じるメリットに結びつけて伝えること。そのためには相手への理解を深めること。伝え方を工夫すること。
を意識することが大事なのかな、というのが現時点での結論です。
結局はコミュニケーション力が必要であり、それには「聴く力」や「伝える力」が重要であると感じます。
「売れるプロ」としての信頼関係の築き方や伝え方など、まさに青木先生が体現されておられる部分ですので、自分が今までに独学や経験から学んだことを、売れプロを通じて体系化し、更に磨いていきたいと思います。