こんにちは。売れプロ8期生の 石澤 靖弘 です。
同期のメンバー21人が持ち回りで投稿しているこのブログ、今回は私の9回目です。
さて、今回も前回に引き続き、私が考える中小企業診断士と相性の良い資格のお話です。
なお、資格で食べていける時代はとっくの昔に終わっていることは、皆様もご理解されていると思います。しかし、そうは言っても、その資格でなければできない仕事(いわゆる独占業務)もありますし、知識の見える化、とでも言いましょうか、自分の知識レベルを客観的に表現するために、資格は十分使えると思っています。
それでは本題です。私が考える中小企業診断士と相性の良い資格、「税理士」「社会保険労務士(社労士)」「事業承継士」「ITコーディネータ」「M&Aシニアエキスパート」に続く6つ目は、「経営革新等支援機関(認定支援機関)」です。
もっとも、「認定支援機関」はいままでの5つの資格と少し違っていて、中小企業・小規模事業者が安心して経営相談等が受けられるように、専門知識や実務経験が一定レベル以上の者に対して国が認定する「公的な支援機関」になります。
具体的には、商工会や商工会議所など中小企業支援者のほか、金融機関、税理士、公認会計士、弁護士、そして中小企業診断士などが主な認定支援機関として認定されています。2020年3月3日の最新データによると、認定機関数は全国に38,338あり、そのうち会計事務所(公認会計士、税理士、税理士法人)が30,537、約8割を占めています。中小企業診断士はまだ1,167、わずか約3%ですので、かなり狙い目です。
認定支援機関にこれだけ会計事務所が多いのには理由があります。認定支援機関の業務は平成24年(2012年)の経営改善計画策定支援事業(通称405事業)から開始されているのですが、これは平成21年(2009年)12月に金融円滑化法(通称モラトリアム法)が施行され、金融機関に事業者からの申し出に対してリスケに応じる努力義務を課し、その実績を監督当局に報告させるものが始まりです。つまり、もともと会計事務所向けの制度だったのです。
もっとも、それ以降。認定支援機関の支援、関与が必要とされる国の中小企業施策は増えていて、具体的な固有の業務には、例えば以下のようなものがあります。
その1 優遇税制
・商業・サービス業・農林水産業活性化税制(平成25年開始)
・事業承継税制(改正)特例承継計画(生成30年4月開始)
・先端設備等導入計画(平成30年7月開始)
その2 資金繰り
・経営改善計画策定支援事業(平成24年開始)
・日本政策金融公庫の中小企業経営力強化資金(平成24年開始)
・信用保証協会の経営力強化保証制度(平成24年開始)
・早期経営改善計画策定支援事業(平成29年開始)
その3 補助金
・ものづくり・商業・サービス経営力向上計画支援補助金
(平成24年度補正、平成25年開始)
・事業承継補助金
(平成29年度補正、平成30年開始)
税理士は「税務」のプロではありますが、「優遇税制」「資金繰り」「補助金」にも明るい人はそう多くありません。ですので、税理士が「認定支援機関」だったとしても、実務での協業は十分検討できますね。