やまだあい です。



5年前に祖母が他界し

そして先日、父とお別れをしました




まだ、祖母も父も生きていたときの話です。



家族の中で居心地の悪さを

感じていたわたしは




結婚を期に実家から

ますます遠のいていきました。




ある日の夕方です。


見慣れない番号の着信で

わたしはあわてて車を走らせました


到着した場所は病院




連絡をしてきた人に事情をきくと


診療時間外にふらりと現れた祖母が


わたしの番号がかいた紙を渡して


ここに連絡してくれ、と言ったそうです。




祖母は認知症でした。



祖母はわたしの携帯番号を

お財布の中にいつも入れていたようで

それで連絡がきたのでした。




一緒に暮らしている父や

しょっちゅう顔を出す姉

ではなく、



なぜ、わたしなんだろう?



不思議でしたが


とにかく無事でよかった!

祖母を実家に送りました。




そこで待っていたのは


鬼の形相の父と

乾いた視線の姉

でした。



わたしを見るなり父は怒鳴り声をあげました


「 おまえ、人をバカにしてるのか! 」と。



当然ですがわたしには

なんのことだかわかりません。




父は、


祖母が通っている病院関係者に

何かあったら、父や姉ではなく

わたしに連絡をするように。と、


わたしが根回しをしていたから

わたしに連絡があったのだと

言うのです。




父の逆上は、

完全に妄想からきているものでした。




そうじゃないよ!

病院から突然連絡がきて…

わたしもびっくりしたんだよ…




何を言っても父の耳には

届きませんでした。




父と姉が口を揃えて言うのは

わたしが2人を馬鹿にしている、と。




悲しい…

なんで…



怒り、哀しみ、ガッカリした気持ち

ゴチャゴチャの感情の中

その後も実家に通いました




わたしにとって大切だったのは


おばあちゃんとのお別れまでの残り時間を

どんなふうに過ごすか、が一番だった。





おばあちゃんに育ててもらったのは

父も姉もわたしも等しく同じだった




だからきっと

わたしのことがどんなに嫌でも

気に入らなくても疎ましくても



おばあちゃんのためなら

協力できるはずだと思った




食事の支度や介護を当番制にできないか?

申し出てみた。



でも、その想いは届かなかった



そのうち実家の鍵が変わっていて

LINEにも電話にも出ない父

姉に話をしても通じない




もういい…

おばあちゃんごめん…




それから実家に行かなくなった



2年ほどたったのだろうか?


人生の中で数えられる程度しか

会っていない親戚のおじさんから

祖母が亡くなったと知らせが届いた




葬式に行ってみると

父は思いのほかしおらしく

「愛、来てくれてありがとう」

と、言った。



複雑な気持ちだった。



親戚のおじさんから聞いたのだけど

祖母は亡くなる一年間、施設に入っていたそうだ



なんで知らせてくれなかったのだろう


今さら、ありがとうなんて

もう、おばあちゃんはいないんだ!


抱きしめることも

笑い合うことも

もう出来ないんだよ!!!




心の中で吠えたものの


いつの間にか小さくなった父の背中を前に

とてもじゃないけどそんなこと言えなかった。



父をゆるせなかった



両親はわたしが赤ちゃんのときに

離婚していて、



父親とは別で暮らしていたし

母親に関しては顔すら知らない



育ててくれたのは祖母と祖父だ。

2人が一日中働いていたおかげで

なんとか生活していたのに



父は感謝するどころか

両親を愚弄するような言葉使いをし

我が感情のままに振る舞う



そんな幼い父をわたしは

ずっと前からゆるせなかったんだ



ある日、ようやく気がつきました。




それは、父親の嫌な振る舞いを

生き写したかのような自分がいたからです




父のように怒鳴るとかではないけれど


ふてぶてしい態度や

人への感謝が湧いてこない


わたしの中の何かがおかしい。




そう思いながらも

その自分を認められなかったのは


父をゆるさないことで

いつまでも被害者でいたい

わたしがいたからだと気がつきました




父への態度を改めるべき、という

思いに縛られていたのはわたし自身でした




赦しというのは

頭の中の判断では

限りなく不可能です



父はわたしに

赦すことの価値を教えてくれました。



父が亡くなってから


お父さんの振る舞いや態度は

お父さんそのものではない



ということが、

とてもよくわかります



「許す」か「許さない」か


それは、別次元の「赦す」ことで


問題ではなくなりました




そして、自分の中の強く求めていた

想いをやっと受け入れることができました




わたしは


お父さんが大好きでした

おばあちゃんも大好きでした




お父さんから学んだことは

この先、いつでも取り出せるように

心の中の胸ポケットに忍ばせてあります




お父さん、


ありがとう。

大好き!!




今日は父の日ですね。


どうか、沢山の方の中の

本当の想いに光があたりますように




「赦すこと」ひとりでは難しい方は

いらしてくださいね↓




\募集中 6月開催の講座/