二月の小舟

あれから一週間
消えかけた 絶え絶えの息を 吹き返すように降り出した雪
愛を囁く日とすれば 悪くはない演出なのでしょうけれども
晴れた日には正面に見えるベイブリッジはおろか
すぐ目の前にあるはずの 海さえ見えませんでした
*
「 二月の小舟 」
冬を運び出すにしては
小さすぎる舟です。
春を運びこむにしても
小さすぎる舟です。
ですから、時間が掛かるでしょう
冬が春になるまでは。
川の胸乳がふくらむまでは
まだまだ、時間が掛かるでしょう。
*
またまた 吉野弘さんの詩を ひとつ
吉野さんの詩には 「 雪 」 をモチーフとしたものが少なくありません
切なくて美しい そんな詩がいくつかあります
雪でお出掛けになれないようなら 手に取ってみられては如何でしょう

いろいろとご心配いただきありがとうございます
冬と春を乗せるには小さくとも ネコいっぴき舟に紛れ込んでしまったのか
まだ旅の途中のようです
みなさま よい週末を
「 Black Cotton Blues TAPE FIVE meets ABSOLUT Vodka 」 TAPE FIVE
Red is the color of my dancing shoes... black cotton and I feel the blues...
※ 最近この手がお気に入りです いえ、お酒では無く、Electro Swing な感じ・・・
愛猫日記Ⅱ

夜中の12時を過ぎて ようやく雪も収まりつつ・・・
昨日のちょうど今頃 雪の降り出す少し前
扉の隙間からネコが脱走して 未だ戻って来ません
治療の効果か このところ食欲も戻って落ち着いていたのに
なにも こんな日に
朝から降り続く雪の中 近所の車の下や公園の植え込みを捜してみるも
人も含めてこんな雪の中 動いているものは見当たりません
きっと 野良猫たちもどこかでこの雪を凌いでいるのでしょう
ふだん 文句を言いながらも やはり心の浮き立つ雪の日ですが
今日ばかりは降り積もってゆく雪が恨めしくてなりません
入口までの道は戻って来られるように 何度か雪掻きをしておきましたが
とうとう一日 帰って来ることはありませんでした
他のノラたちと同じように どこかでジッと耐えているのだろう
いつもぬくぬくと 食べ物の心配もいらない温室育ちですが
その中に眠る野生の力を信じて・・・
春待考春思案

夕刻
駅へと続く坂道を 心持ち 歩幅広めで下れば
吹き上げてくる風は思いの外暖かい
女子高生の生足のアシストに胸元の過剰装備を解いてみれば
瞬間 ひゃっとして そして ふっと 緩んだ
それは 春を待つ蕾の膨らみのようで 私の心の綻びのようで・・・
ゆったりと流れるあの川の岸辺を想う
水面に覆いかぶさる桜のあかるい枝々
花びらが頭の中を舞い散る ひとひら ふたひら
さて この桜は 去年のものか いや 一昨年の残像か
このまま春に来られても未だ支度は整わず
うれしくもある反面 あたふたと不安に揺れてしまうのは内実の希薄さか
「 駅では無い、春に向かって歩いているのだ。 」
冷蔵庫の扉にマグネットで留め置く程の標語を生み出すに至った
そう
それが つい 数日前のこと・・・

「 駅までは遠い、歩くのはやめてタクシーにしよう。 」
そんな泣き言を漏らしてしまいそうになる 昨日そして今日
私のたおやかに花開いた恍惚とフライング気味の不安は
受験生を持つ母親以上の取り越し苦労と無意味さであることを知らされる
ほっとして 息を吐く ふと メロディが流れ出す・・・
♪ I'm proud 届きそうでつかめない いちごの様に甘く切ない事 夜じゅう思い浮かべてた・・・
何故に 「いちご」 なのか 昔からずっと気になっている
そして 同時に やはり 「いちご」 しかないな と思ったりもする 秀逸である
あまおう とちおとめ べにほっぺ
ひらがなが似合ういちごたちは 如何にも春らしく見せる冬の果物
暖房の効いた部屋にいて 口の中へとそっと放り込む
ひんやりとした冷たさと程よい甘さが 春への距離を告げている
私の頭の中を染めた桜の花びらのあわい色あいも キャンディクラッシュの連鎖のように
計算以上の大胆さと意外さで いちごの色に変わってゆくようだ
週末 また雪の予報が出ているけど・・・
「 予報など見るな! 予想などするな! 日々を生きよ! 」

どんぐりと白猫さんが
春待ち顔で・・・
そんなふうに 告げているようでありました
*
みなさま よい週末を
「 チェリー 」 スピッツ
どんなに歩いてもたどりつけない 心の雪でぬれた頬
悪魔のふりして 切り裂いた歌を 春の風に舞う花びらに変えて・・・