豊葦原千五百秋瑞穂国

山合いの傾斜地に 拓かれた
大小 形も不揃いな 石組みが 縁取る 棚田の風景
風に 波打った 稲穂は 今 刈り取られ
天日に 干されては 熟成の 時を待つ
山と水の 豊富なこの国では ありふれた風景も
農家の高齢化 機械化で 見掛けなくなった風景
「日に干せば、甘さが違う」 亡き祖父の 言葉を 思い出す
豊葦原千五百秋瑞穂国
とよあしはらの ちいおあきのみずほのくに
葦の原が生い茂り 永遠に 豊かな 穀物の実る国
日本書紀にも そんな記述がある これは 私達の国の名前です
長い 長い 時間を かけて
日照不足 水不足 長雨に台風 時に 自然に翻弄されながら
困難な土地に 猫の額のような土地に 古来より 築いた 文化です
その実りは 大地の恵みであり 先人から 引き継いだ 文化なのです
実りの秋 収穫の季節 美味しい 新米の季節です
けれども 巷では
原発事故の影響で 古米が人気 価格が高騰しているなんて
なんとも やりきれない話です
私たちは 何を残せるのか?
古来の よき伝統文化を おいしいおコメを 残していかなくてはなりません
まずは 当たり前のことを 当たり前に
技術の問題は 技術で克服できる
こういった 傲慢を 捨てねばなりません
技術に 善も悪もない 使う人間の問題だ
そう だからこそ 愚かさを知り 謙虚にならねばなりません
倫理を 欲が飲み込んできた それが 人の歴史です
手にしては ならない 技術や 力も あると思います

たそがれ

たそがれに 振り返ると
ずいぶん 歩いて 来たような・・・
・・・・・・・・・
「 たそがれ 」
吉野 弘
他人の時間を小作する者が
おのれに帰ろうとする
時刻だ。
他人の時間を耕す者が
おのれの時間の耕し方について
考えようとする
時刻だ。
荒れはてたおのれを
思い出す
時刻だ。
臍(ほぞ)を噛む
時刻だ。
他人の時間を耕す者が
おのれの時間を耕さねばならぬと
心に思う
時刻だ。
そうして
納屋の隅の
光の失せた鍬(すき)を
思い出す
時刻だ。
・・・・・・・・・
もう 十月
今年も あと 三月
来月になれば もう年末だと 新年だと
慌しく 迷う暇も無く 過ぎ行く月だ
秋の夜長 穏やかな休日
言い訳で 自分の気持ち 隠さないで
「忙しい」 なんて 言わないで
自分のために
自分のために
「 Ballet Mecanique 」 坂本龍一
※ オンガク イツマデモ ツヅク オンガク







