若干タイトルが違うから改作?と思っていたが、台本はおそらく原作通り。
90年代レトロスペクティブは90年代演劇の検証と言いつつ、関東圏の作品上演が多い中、唯一の関西劇団作品の上演。
40代半ばの人間にとっては過去と比較したりして、複雑な気分になることの多い企画だが、遊劇体はさにあらず、でした。
確かに満開座とはまったく違う演出方法だけど、満開座イズムというか、小演劇本来が持つ大きな力の一つである「まつろわぬ者の視座を通して世界を視る」をきちんと再現している。
ああ、こんな芝居に心揺さぶられて演劇の世界に俺は入ったんだ、と思い出させてくれる芝居でした。
哀愁と激情、そして限りない優しさ。この頃は上演時間が長かった。この作品も2時間10分。
でも、それを感じさせない思いが舞台に溢れていた。熱い役者が居た。長さを感じさせない思い入れがあった。
(共感出来ない人にはヘンチクリンで、蔑称的にアングラなんて言われたりもしていたが)
ついつい過去の満開座の役者さんに重ねて観ていた悪い観客だが、それであまりゲンナリならなかったのは、キタモトさんの演出であり、それに応えようとする役者の姿勢だったのだろう。
今の小劇場とは違う意味でのエンターテイメント。
心踊る演劇、って感じでした。