クラブに出入りするご主人を持つ奥様へ~私の経験より~ | URBAN CHAMPION❮公式❯

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1999年のスタートから現在まで
HIPHOP、reggaeを中心に幅広いジャンルのトップアーティストを輩出してきた東京でも指折りの歴史を誇る老舗イベント!
毎月第2水曜日、池袋bedにて開催!


こんにちはー!
関東でも最低気温が氷点下になる日が多くなってきました。
冬真っ盛りですね。
末端冷え性のよーこです。


最近音楽の話が続いてしまったので、『子育てとクラブ活動』の続編で。

→子育てとクラブ活動について

今回は『クラブ活動を行うご主人を持つ』悩める新米奥様へ向けての記事です。


さてさて、世の中には旦那様がアーティストであったりスタッフであったりと、クラブに出入りするパートナーを抱える奥様もたくさんいらっしゃると思います。

悲しいかな、パートナーがクラブに出入りすることで夫婦関係、パートナー関係が悪化、最悪離婚するケースも多々ございます。

『俺、実は別れたカミさんがいて、子供ももう大きいんだ』
なんてアーティストも結構います。

奥様の中には

『音楽はやらせてあげたいけど、経済的にも体裁的にもクラブ行かれるのは許しがたい。』

『いつも帰ってるのは朝方でベロベロに酔っ払ってて子供に示しがつかないからやめてほしい。』

『クラブ行くこと自体が無理!結婚したらやめてくれると思ったのに!最悪

『なんでそんな自分ばっか遊んでんの?こっちは必死に家事育児がんばってるのに。』

などなどなど。
不満を抱える方が多いのも事実かと思います。

私も昔は全然理解できませんでした。
ただ、自分自身がイベントスタッフをやらせていただくようになり、色々経験した中でパートナーの気持ちが少しわかるようになり、
ああ、これはしょうがないなぁ』と思うこともたくさん出てきました。

もちろん、旦那様が音楽も家庭も上手くいっているご夫婦もいるわけで、大御所アーティストで御家庭を大切にしている諸先輩方もたくさんいらっしゃいます。
そこまで支えた先輩奥様方もご立派です。

また、ご夫婦のあり方については千差万別であるわけですが、

音楽やりたいってクラブに出入りする彼と結婚したはいいけど、なんだか色々しんどくなってきた
子供産まれてからも独身と同じように動かれても腹立つしなんだか悲しい
こんなはずじゃなかった

と、行き詰まってる新米奥様へ。

お互いに思いやり気遣いと少しの打開策を持てば、ある程度の誤解や失敗を回避出来るのかなと思うケースもあるので、今回は自分の経験を踏まえてそんな奥様方に向けて記事を書こうと思います。

アドバイスではありません。
自分もまだまだですので、そんな偉そうに事を語るつもりはありません。

ただ、どちらも悪くないしどちらも一生懸命やっているのに、無駄な争いが起こるのは悲しいことかと。

お互いに音楽が好きでクラブで出会ってお付き合いが始まり、結婚に至った方もいらっしゃるはず。
また、音楽をやっている彼が大好きで、一緒になった当初は応援していこうと思ってた奥様もいるはず。

あくまでも近所のおばちゃんがお節介言ってる感じで、

もし、本当にしんどくなっちゃった時のために頭の片隅にでも置いといていただけたら。




なぜご主人がクラブにこだわるのかを知る


ただ『音楽をやりたい!』『制作側をやりたい!』『スタッフやりたい!』と言っても、それぞれ目指す場所がある訳で

『売れたい』
『売れなくてもいいから生涯やっていきたい』
『音楽に関わっていたい』
『どこまで出来るかチャレンジしたい』
などなど旦那様達の目標も様々かと思います。

ただ、昨今ではネットの普及や音楽機器の発達により、お家でも制作やプロモーションは可能なわけです。

どうしてクラブやライブハウスなどの『現場』にこだわるのか、そこの本質をよく理解していただけたら。

HIPHOPREGGAEなんかの現場は特にそうなんですが、いわゆる『現場主義』の風潮が強いです。

そこでのLIVEやDJタイム、お客さんからイベント全体の雰囲気、全てが『今そこにしかないもの』『そこにいなければわからないこと』なのです。言ってみれば生モノのエンターテイメント。

また、ネット慣れしている若い方には不合理で古臭く感じるかもしれませんが、例え自分の出演するイベントでなくても、自分の仲間やお世話になってる人のイベントへ直接足を運び顔を出す。これは非常に重要なアクティビティなんです。
知らない箱に行ってフライヤーを配ったりもそう。
営業活動でもあります。

要は現場にいてナンボなのです。

だからどうしても、少しでも夜時間が取れるならクラブに足を運びたいってって気持ちがご主人にもあることを理解してあげてください。
何も遊びたいだけでクラブに行ってるだけではないことをわかってもらえたら。



たまには自分も一緒に行ってみる●


これは子供預かってもらう関係もありますから難しいことだとは思いますが、
もし機会があればご主人が力を入れているイベントに行ってみてください。

恥ずかしがって『え。来んなよー』とか言われるかも知れませんがwwwww
可能であれば、こっそり存在感消しながらでも。

独身時代に見に行ったことがある奥様もいらっしゃると思いますが、また違った1面を見れるかもしれません。
特に『もう音楽なんて辞めて欲しい』と思ってる奥様、辞めろと言うのは、1度今現在のご主人のがんばってる姿を見てからでも遅くないかと思いますよ。

あまりクラブに出入りしたことない奥様でも、ご主人の仲間や、ご主人を慕う若手の子達、お世話になってる先輩などと知り合い、お話することでまた違う考えも生まれるかも知れません。



お金のことだけはしっかり

これです。別にクラブ行かなくったって常に夫婦間の問題となります。

中にはご主人のお給料だけでは満足に生活できなくて、奥様も働いてらっしゃるところも多いかと。

ただでさえ、世間一般のお父さんのお小遣いよりも多めにもらっている、クラブへ通うお父さん達。

いくら応援したくとも、ご主人の飲み代を言われるがまま負担してたら、すぐ家計が破綻します。

大体クラブの酒は高いのにベロベロになるまで飲んでくるなんて冗談じゃない!
とお怒りになるのもとてもわかります。

ある程度の小遣いを決めて、それじゃ足りないと言うなら追加でバイトしてもらうなり、ボーナスの一部を経費に回すなり、資格などをとってもらってお給料upにつなげるなり賢くやりましょう。

あとは節約。ここはいわば奥様の腕の見せどころであります。

何も節約した分全て旦那様に渡さなくていいです。
上がった分のほとんどは奥様も貯蓄するなり自分の飲み代にするなり、好きなことに使ってください。これが重要です。

段々しんどくなってきたときに、ご主人中心でやってると
ただでさえあいつの安月給じゃ暮らしていけないのに、なんで私が働いた分まであいつの飲み代に消えるんだ!
悲しく思ってしまいがちです。

なのでそこはドライに。
『小遣いで足りないならあんたも仕事終わったあとバイトでもしたら。』
『節約した分は私の努力だからちょっとはあげるけど、あとは貯金と私の好きなことに使うから。』
くらいの強気で。

仕事がんばってるのにさらにバイトさせるなんてかわいそうなことやらせられなーい!なんて甘い事考えないことです。
自分のやりたいことやってるんですから、そこにさらに彼のワガママなんか取り入れなくていいですよ。
生活費そのものがおかしくなります。

がんばって節約して自分で自由に回せるくらいのお金が出てくると、奥様も心に余裕が出来てくることかと思います。

その時にはじめて
今月はちょっと足してあげよう』とか『盆暮れ正月はイベント多いからお金とっといてあげよう』とかしたらいいです。

無駄な喧嘩を避けるためにもそこらへんははっきりさせておきましょう。
なんなら、家計簿全部見せてもいーです。
『これのどこにあんたの好きに使える金があんのよ』
って説明しましょう。

家庭を守るのは奥様です。
言われるがまま渡すのではなく、最低いくらは渡せるけどあとは自己責任、もしくは臨時収入のみ。
あとは知りません。
とここらへんはハッキリさせておきましょう。

うちも散々喧嘩した挙句に決めたことは
飲み代はお互い自己負担
イベント経費は定額を決めてそれ以上家計から出さない

冷たく感じるかもしれませんが、経済的に破綻することはすなわち家庭の消滅を意味します。
約束事をいくつか作ってシビアにやることが長続きの秘訣かと。



帰ってきたら温かく


お金の次に多いのが、あっちが酔っ払っているときの喧嘩予定していた帰りよりも遅く帰宅することでの喧嘩かと思います。

まず、酔っ払ってるときはさっさと寝かせることです。

言いたいのを堪えきれない気持ちも重々承知ですが、いくらお酒に強い方でもやはり感情的になってしまいますし、自己中心的に考えてしまったりもします。
そんなときにいくら話してもこじれるだけです。

お互いシラフのときに話しましょう。

法的にも飲酒時の発言というのは信ぴょう性が大きく下がるように、飲酒した方と議論するのはあまり意味があることではありません。

『腹減ったー』と帰ってきたら、お茶漬けやラーメンなどささっと作れる汁物系を出してあげて、あとは速やかに寝床に誘導しましょう。

起きて一息ついてから言いたいこと言っても遅くはないと思いますよ。


帰宅時間の遅れも、頭に来るのはとてもわかります。
フラフラまだ遊び回っているんじゃないか、どこぞの女と会ってるんじゃないか、など、疑心暗鬼になる奥様も多いはず。

でも、決してやましいことがあるからとっつけたような言い訳をしているわけではなく、
本当にやむを得ない事情のときもたくさんあるのです。

『自分のイベントのときにお金が合わない、ノルマが回収出来ない、など、箱側を待たせるわけにもいかないなんらかの金銭トラブルがあった』

『そのイベントでしか会えないアーティストと話し込んでいたor若手の悩みを聞いていた』

『喧嘩が始まり仲裁に入っていた』

『若手がこっそり帰ってしまったので、自分がサウンドシステムの片付けを手伝っていた』

『お世話になっている先輩や目上の人からご飯に誘われた』

などなど、ご主人がどんなに奥様が待つお家へ一目散に帰りたくとも帰れない時もあるのです。

特にベテランになってくると、上記のことは立場的に多くなります。
疲れ果てて帰りの電車でうっかり寝過ごしてしまうことも。

なので、事情を聞いた上で、もし一生懸命謝ってくるのであれば、そこはもう深追いせずに、
『お疲れ様。大変だったね。』と言ってあげてください。

例え自腹切るだけでこっちに報酬があることじゃなくとも、本人達は結構真剣に取り組んでます。

奥様を裏切るようなことは一切していなくて、むしろ『迷惑ばっかかけてすまないなぁ。結果出せるようにがんばらないとなぁ。』と感じているくらいの誠実なご主人だったとしたら、
帰ってきてずっとガミガミ怒られたら、とても悲しくなると思います。

特に大事な予定がない日で、女の影や犯罪の臭いがないのであれば、そこはもう責めないであげてください。

子供が学校や幼稚園に行った後、2人でお茶漬けすすりながら、
『今日はどんな曲がかかったの?』『ゲストライブはどうだった?』『○○君は元気?』
ご主人が休む前にのんびり夫婦の会話するのも悪くないですよ。

土日などの休日であれば、子供との時間をとって欲しいのもわかりますが、奥様が午前中は子供達を連れ出して買い物などに行き、1回休ませてあげた方がいいと思います。

いくら好きなことをやってるとはいえ、本人が思ってる以上に疲れてると思いますので。

午後ゆっくり家族の時間をとったり、月にこの日だけは家族と出かけるって日を約束するのも悪くないかと。

昨今では土日が仕事で平日休みのお父様も増えてますので、何も『土日は子供と!じゃないと可哀想!』などとこだわらなくともいいと思いますよ。


『えーなんで私がそこまで譲らないといけないの(怒)
と感じる奥様。

わかります。とってもわかりますよ。
私も同じ立場でしたから。

だけど、逆に本気でやっていることを無理矢理辞めさせても、お互いにしこりが残るだけですし、それによって仕事に身が入らなくなったり、抜け殻になったり自暴自棄になってしまったら、それこそそんな男いらなくないですか?

私も散々腹立つこともありましたし、ここには書けないこともたくさんやらかされました。

パートナーから『もう俺イベント辞める。DJも趣味でやる。母ちゃんやよーこや子供に悪いし。よーこのご両親にも悪い。』
と言われたこともあります。

でもふと思ったんです。
この人から長年やってきた音楽をとったら何が残るんだうか
パーソナルなところの一部分をえぐってしまうことになるのではないだろうかと。

夫婦の思い出の曲あるのではないでしょうか?

自分に当てたこっぱずかしい曲やmixを作られたことはないですか?

クラブの帰りに申し訳なさそうにケーキやお菓子を買って帰ってきたことはないですか?

冷蔵庫に何もなくてインスタントラーメン出しただけなのに『お前の作るラーメン、美味いなぁ...』と真顔でこぼした事はないですか?

新しい曲やルーティンを完成させたとき時、1人でニヤニヤウロウロしてませんか。

仲間とミーティングするって出かけたと思ったら、物凄く楽しそうに帰ってきたり、はたまたしょんぼり帰ってきたりしませんか。

そーゆーところを見せれるのは奥様だけなんです。

ご主人の『音楽』『クラブイベント』の中に奥様の影響があるのかはわかりません。

でもご主人そのものの原動力になっていることは間違いないと思います。

頭下げて『迷惑かけてごめん。でも俺これがやりたいんだ』と言っているうちは、金銭的時間的にどうにかがんばれる範囲なら、応援してあげませんか。

暖かい家庭、すべてを安心して任せることのできる奥様の姿、それがご主人の『音楽』そのもののクオリティの向上にもつながるかもしれません。

もちろん、全て許せと言ってる訳ではありません。

道理に外れることしたら思いっきり怒っていいですよ!

好きなことやってるくせに、仕事一生懸命やらないとか、子供に対して適当とかね。
浮気やドラッグはさすがにぶん殴ってお金車家その他すべて没収して、話し合える状態になるまでは実家に返すくらいでいいと思います。そこは甘やかしちゃダメ。子供のためにも。

だけど、仕事も一生懸命やってる、子供にもいいパパ、やましいことしてる雰囲気も普段はないなら、
クラブ行ったところで普段きちんとやってる人はクラブでもきちんとしてると思います。

だから夜出かけることが他のお父さんよりも多かったりとか、帰りが昼前とかなっちゃったりとかは前述した事情もありますので、許してあげてください。


-最後にクラブ活動しているご主人へ-

今回は奥様向けに書きましたが、
新米ご主人も絶対にこれだけは忘れないでください。

・奥さんが家庭を守ってくれているから好きなことができる。

・飲み代&経費は小遣いの範囲で。足りなかったらちょっとだけバイトするなり、出世の道を模索するなり、自分でケツを拭く。決して家計に手をつけない。

・嫁子供を裏切るような決してしない。もしうっかりしちゃったら墓場まで持っていく覚悟で。

・あなたを選んだ嫁はまだしも、子供はなにも悪くない。子供には絶対に迷惑をかけない。ただでさえ一緒にいる時間が少ないんだから、一緒にいる時は最大の愛情を。

・たまには奥様が1人で飲みに行っても、例え朝帰りしようとも、おにぎり味噌汁作って子供に食べさせながら『おう。おかえり。お前も食うか?』と暖かく迎えられるくらいの包容力で。普段奥様がやってくれてる事ですよ。


時にはめんどくさくなったり、家庭そのものが重荷に感じることもあるでしょう。
だけど、音楽も家庭も1度自分が手をつけちゃったんだから、最後まで自分でケツ拭いてください。

自分で責任をとる、それが日本男児だと思います。

音楽とるか、家族をとるかなんて天秤にかけるのは不毛なことですよ。

家族が応援してくれるなら、全部引っ括めて頑張りましょう。世間体などお気になさらず。がむしゃらに。


いかがでしたでしょうか。
難しい課題だとは思いますが、やはり子供に悲しい思いをさせないためにも、ご夫婦の努力は必須だと思います。
いつも怒ってばかりじゃ奥様も疲れちゃいますし。

よそのお家よりも大変です。

でも、子供が大きくなった時に

『うちの父ちゃんは現場で今も現役なんだ!』

『有名な○○と共演したことがあるし、今でも○○とやってるんだ!』

『これ、親父の曲。まじやばいだろ。』

『うちの父ちゃんはクソかっこいい。でも貧乏なのにそれを支えた母ちゃんはもっと凄い。』

とか胸を張って言ってくれたら幸せじゃないですか?

賛否両論あるとは思いますが、私は家庭を持っても夢を追っていいと思ってる派のおばちゃんなので、今回こんなことを書いてみました。

全てのクラブ関係者の奥様が幸せでいてくれたら。


今回はこれでおしまい♪