前にも少し書きましたが、私たちの医院には「歯科助手」という職種が存在しません。

かつては、治療に使う器具の準備や片付け、消毒・滅菌、バキュームや印象材の練和など簡単なアシストを「受付兼歯科助手」のスタッフに頼んでいたこともありましたが、今はこうした治療に関わる全ての作業は歯科衛生士のみが担当しています。

 

例えばこんなことがありました。

外科処置後の器具を片付けているスタッフ(歯科助手)がグローブをつけていませんでした。血液の付着した器具を素手で触ることは感染の危険もあり、大変危険な行為です。

ですがそのスタッフ、「早く次の患者さんをご案内しなければならないからグローブをつける時間がもったいなくて。私、仕事だと思うと血の付いた器具やガーゼでも平気で触れちゃうんですよ!」と胸を張って言いましたガーンあせる

また別のスタッフは、器具の滅菌作業の際、未滅菌の器具を置く作業台の上に滅菌済みの器具を置いてしまったり、未滅菌の器具を扱ったグローブのまま滅菌済みの器具を触ったり、と清潔域・不潔域の区分けが全くできていませんでしたアセアセドンッ

 

もちろんこれは私たちの教育・監督不足が招いたことであって、スタッフの責任ではありません。

しかし、同じように感染予防の概念を教え、器具の取扱いを逐一教えたとしても、それを実践する際に、教えたことをきちんと守れる人とそうでない人がどうしても出てしまいます。

正しく作業ができない人がいると、作業をする本人のみならず、汚染された器具を使って治療をする院長や歯科衛生士、さらには治療を受ける患者さんまで感染の危険にさらされることになります。かといって歯科助手の行う全ての作業を監督するのは現実には無理なこと。。。結局私たちは「歯科助手」という職種を置かない、という結論に達したのです。

 

教育力・スタッフ管理能力についてはこれから改善していく必要を感じつつも、私たちの医院では今後も「歯科助手」を復活させることはおそらくないでしょう。

それは、患者さんを守り、スタッフも守るためなのです歯乙女のトキメキ

 

 

 

相変わらずの求人中のため、同じ求人誌に載っている他の歯科医院の求人広告をよく見ます。

 

短い広告文の中に、それぞれの院長先生が込めた思いが読み取れます。

こんなメッセージがありました。

「特別な才能はいりません。決められた日に来て笑顔で仕事をすること、そんな当たり前のことができる方なら大歓迎です。」

この先生も苦労されてるんだなあ、と思わず苦笑いしつつ大いに共感しました。

 

正社員でもパートタイマーでも雇用契約を結んだら、その契約にある通りに出勤して仕事をする。これ、当たり前のことですよね。

ところがそれができない人がたくさんいるんです。

週末に家族とレジャーに出かけると、月曜日には必ず体調を崩して休む人。

大雨で家に雨漏りがするので休みたい、ペットを病院に連れていきたいので休みたい、、、

普通の企業なら明らかにNGの理由で休みを申請する人。

パート職員も、なぜ自分の勤務日にその予定を入れるの?勤務日を避けることもできる用事では?と感じる理由で休む人。

仕事に対する責任感の感じられない人がたくさんいます。

 

私たちの医院でこういう休み方をするのはほぼ100%受付スタッフです。

おそらく自分の仕事にプライドを持てないでいるのでしょう。

自分は歯科医師や衛生士の代りは出来ない、でも自分がいなくても受付や電話応対、片付けや清掃は院長や衛生士さんでもできる。そんな風に思って、自分の存在価値を自分で低くしてしまっているようです。

そうさせてしまう私たちにも反省すべき点はあるわけで、資格のない受付スタッフにもプライドと責任感をもって仕事をしてもらえるように日々工夫を重ねています。

でも、やはりそれ以前に、仕事をする契約を結んだらそれを守る、というのが社会人としての「当たり前のこと」なのではないでしょうか。

 

自分の能力を発揮したい。人から「ありがとう」と言われたい。

そう思うならば、まず雇用契約を守ること。決められた日に来て、求められた仕事をきちんとすること。それを倦まずたゆまず続けることができて初めて、周囲から賞賛や感謝を受けることができるのだと思います。

5月いっぱいで退職するスタッフが昨日最後の勤務を終えました。

いつも通り一日しっかり働いた後、院長以下スタッフ全員にお菓子を渡して「今までお世話になりました」ときちんと挨拶をして帰っていきました。

 

ご家庭のあるパートスタッフでしたが、上手に家事と仕事を両立させて私用での休みもほとんどなく、また他のスタッフが都合の悪い時に代って勤務してくれることもあり、本当に頼りになるスタッフでした。

正社員としてフルタイムで働きたい、という希望で私たちの医院を去ることになり、大変残念でしたが、彼女の前向きな姿勢を応援したいと考え、希望通りに退職できるよう医院のシフトを組み替えてサポートしました。彼女も希望通りの職場に転職が決まり、5月の半ばからは新しい職場と私たちのところと二足のわらじで大変そうでしたが、自分で覚悟して決めたことだから、と最後まで頑張ってくれました。

 

最後の一日は寂しい思いもありましたが、お互いに最後まで気持ちよく仕事ができ、すがすがしい気持ちで送り出すことができました。

自分の人生をしっかり考えられる人というのは、他の人のこともきちんと思いやり、自分の責任を果たせる人なのだと、彼女を見ていて感じました。

一緒に仕事ができて幸せでした。この場を借りて感謝の気持ちを伝えます。

 

今までありがとう!