【オペラ】フィガロの結婚【京響オペラ@京都会館】 | Savage Salvage (AKA UЯASHIMAru)

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京響オペラなんちゅうプログラムがこれまで有ったのか知らんのやけど、京響自体が京都会館に登場するのも約1年ぶりならましてや京都会館でオペラて相当久方ぶりちゃうやろか。20世紀最後の10年期に京都コンサートホールとびわ湖ホールという二大聖地が誕生して以来、クラシック系のコンサートや舞台のみならず全てに亘って京都会館の影が薄くなった。もともと設計者の前川國男にそれほど音楽に造詣があったとは思えない素晴らしい音響設計(笑・ちなみにこの翌年彼は東京文化会館を手がける)で、もっぱらそのサンダーバート/ウルトラセブン的ストイックな未来意匠と今となっては低すぎる椅子の座り心地にノスタルジアを求める場所と成り果ててはいたが、驚くべき京都市立オペラ座計画(実際は50億という大金をぽんと出すことになったローム歌劇場とかそんな名前になる予定)によって今、しかしココが一気に脚光を浴びるところとなった。
ただし50億(正確には消費税分!2億5千万プラス)あっても計画ではあと40億円以上のカネが足りない。それはどっから出るのか。残り50億弱を京セラにでも頼むのか。それとも任天堂か。それとも西本願寺か(笑)

そんな計画を、この「京都の秋・音楽祭」に被せてオレ達庶民に周知する目的もあってのことやろう。或いはこの旧態依然とした会館のとりあえずの最期を飾る演目にモーツァルトの歌劇も入れておきたいやろう。連休3日目体育の日の夕べに音楽ファンは踊る歌手達を見たいやろう。地下鉄の駅から地上に上がるとソコは京の七口の一、粟田口。京都めぐりを終えて出てゆく観光客ではなく、市内中心部へ向う(帰る?)車列がびくとも動かない不思議を横目に路地にまで溢れる観光客を掻き分けオレ達はゆく。

ところで「フィガロの結婚」もまたオレ達には思わぬところで馴染み深い。それは何かと言うと20世紀いっぱい使われておった京阪電車の発車ベル、というか発車音楽のひとつがこのフィガロ1幕最期のアリア「もう飛ぶまいぞこの蝶々」♪~delle belle turbando il riposoと歌うところから採られ、皆物心つく前からそれと知らずに聴かされて来たという事実(笑) そっちの方はとっくに違う電子音に変わった今でも、舞台が進みソコに近づくに従い、あ、もうそろそろや~とソワソワしてしまいます。

そんなこんなでオレとしては珍しくはやく30分以上前に到着したのは、この古臭い(が、思い出深い)京都会館の雰囲気を味わう(?)のもコレで最後かなーというちょっとしたセンチメントから。ホワイエ(というより階段の踊場)の窓から望む東山や、北側平安神宮の森の影にあった紅茶(とりんごのタルト)の美味しい~喫茶店はまだ今でもあるんやろうか等と追憶に耽るのもまた楽し。しかし30分もあるとだんだんそれも飽きてきて、頭の中では早フィガロ序曲がぐるぐる回り出す。


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京響オペラと銘打つだけあって、親分広上氏のタクトも軽くその奏でるモーツァルトはそのお手本を聴いている様。広上様はやたら背の高い指揮台の上で幸せそうにアリアが終わるたび歌手に盛大に拍手を送るがその仕草がなんとなく巨匠風で、いやー彼も遂にその域に足を踏み入れつつあるのかと感慨もひとしお。一方仕切りを置かず全客席からよく見えるように設えられたオーケストラも、まるでホール・オペラのようによく鳴る。というよりオケがいつものステージ上でないせいもあってか、案外音の響きも悪くない。ウィーンフィルがオペラとコンサートの両輪で活躍するように我等が京響も愈々常設オペラ座の仕事を持つようになるのかと期待が膨らむ。
歌手陣のなかで特筆すべきはドン・バジリオ!(笑)この八百川敏幸というヒトはウィーンにも留学したという関西二期会期待の中堅どころと思うが、オレ、こんな奴、知ってる。中学校の時にいたよこんな感じの奴wwww あの独特の発音、まるで朝鮮人が片言の中国語で歌うような四面鯱ばった発音は、やろうと思って出来るものではない(キリッ) 思わず次の出番はいつやと待ちきれなかったちゅうねん(笑)(笑)
彼以外ではやはり伯爵夫人木澤佐江子、スザンナ三村浩美、そしてケルビーノ上村智恵この三者三様のソプラノが、それぞれ大時代的貴族性、おばちゃん臭さ、若いツバメ(に憧れそれを演じる娘)を的確に声と舞台姿勢に示してくれて、ああやっぱり女の時代やなあと思わずにはおれんかった。



それにしてもココがオペラ座に改修された暁には、舞台の高さはこうなるのか、客席はどんな風に付け替えられるのか、ちゃんと四面舞台に出来るのか、あるいはボックスシートなんかも出来たりするとええなあ、等と夢想していたのはオレだけではあるまい(笑)


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10/10(月・休)
京響オペラ「フィガロの結婚」4幕 KV.492
@京都会館第一ホール
イタリア語/日本語字幕
【演奏】
広上淳一/京都市交響楽団
【演出】
中村敬一
【出演】
アルマヴィーヴァ伯爵:福嶋勲
同夫人:木澤佐江子
スザンナ:三村浩美
フィガロ:伊藤正
ケルビノ:上村智恵
マルチェッリーナ:安本佳苗
バルトロ:服部英生
バジリオ:八百川敏幸