2017北海道廃止駅訪問 (上厚内) | URAROUTEブログ

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地理的にマニアックな場所を訪ねるページです。鉄道・酷道・険道・県境・飛地・果て・日本一(初・唯一)、無くなる前訪問など。時事ネタが理想的ですが、過去に訪れた所を記録的に残すことで精一杯であること、ご了承ください。

今年もダイヤ改正でJR北海道の利用者が極端に少ない10駅が廃止されましたが、改正直前に廃止駅へ1泊2日で訪問してきました。この2日間で10駅すべてを訪問するのは無理なので"根室本線 上厚内"と"千歳線 美々"、この2つを選んだんですが、

 

はじめに言っておきます、美々には行けていません

 

ということで、今回北海道へ行けたのはLCCのおかげ。安い!と勢いでポチッと予約したのが成田発。しかも後に7時発の便に京成の始発に乗ったとしても第2ターミナル駅から第3までの移動と搭乗手続き、これを15分で済ませなければならないことが判明叫び

 

できなくもないですが、心もとないので新橋→成田空港の深夜急行バスに乗ることにしました。終電後の輸送と空港輸送を兼ねているこのバスは、西船橋経由(3:20空港着)と新松戸経由(4:25空港着)があって、ゆっくり休みたいので新松戸経由に乗るところ、間違えて西船橋経由に乗ってしまいましたあせる

 

どちらに乗ったとしても初めての深夜バスに興奮してしまい、一睡もせず機内に乗り込みます。そして9時半には新千歳に到着できたんですが、

 

原因不明のじんましんがただれるまで悪化し、急遽千歳市内の皮膚科で診てもらうロスが発生しています汗

塗り薬でみるみる治癒し正午、千歳IC出発ロケット  長々な前置きも記録として、

 

さて、この日の予定は駅舎訪問のみ。けどせっかく北海道に来たのでドライブを楽しみたいと、天気がよかったので峠から十勝平野を眺めたくなり、国道274号日勝峠を行くつもりでしたが、この日知った災害のため不通。

 

今回は狩勝峠を通ることにしてトマムICで降りました。この日現在、道東道占冠~十勝清水が災害によるR274代替路で無料(通し利用は有料)で通れています。

 

寄り道でまず訪れたのが落合駅。2016年台風による災害により現在東鹿越~新得間が不通。帯広方面へ次の駅 新得まで28.1km先の生活圏の境目となるこちらは上川支庁(富良野)側。

 

札幌~道東の大動脈"石勝線"は早い時期に復旧しましたが、札幌道東の旧ルート根室本線の、空知から上川を経て十勝の国境を跨ぐ利用者は極端に少ない上、復旧には膨大な費用がかかり存続が危ぶまれている区間でもあります。

 

使われないとここまで埋もれてしまうのかと思う、雪に閉ざされた落合駅ホーム。

 

初めての狩勝峠は思ったより緩やかでした。

 

狩勝峠から十勝平野の眺め。と寄り道していると、目的地到着予定時刻がギリギリなので、ここからはノンストップで、

 

その目的地浦幌に15時45分着。去年は廃止駅に鉄道で行けなかった悔いがあったので、今回は1駅だけですが16時2分発釧路行きに乗って訪問しようと思います。

 

浦幌→上厚内 の乗車券。

 

常豊信号場を通過。ここは旅客扱いを行わないのに駅名標が設置されている珍しい信号場。ナンバリングは無し。

 

16分の乗車で上厚内へ。鉄道マニアとおぼしき10数名が下車。そして到着するや詳しい方が駅を案内してくださいましたが、この方は熱狂的な鉄道ファン?いや、知的で落ち着いているさまは、目を泳がせながらひけらかす人達と違いますかお その方の説明を聞きながら…

 

思い出の駅のパネル展示とホーム側駅舎。近年修繕したばかりなので存続は確実と思われた矢先の廃止だそうです。

 

 

開業当初からある上厚内駅舎。解説によりますと廃止後の資材の再利用も検討されたようですが、この時代に建てられたものは質が悪く、そのまま解体・廃棄のようです。

 

運賃表。上厚内は釧路と帯広のちょうど中間にあたります。

 

開業時からある流れない壁式男子小便器。

 

根室本線開通当初は信号場だった上厚内。周辺住人の要望により駅に昇格した請願駅でしたが、今回の廃止により再び信号場に降格。現在上厚内の集落人口は1人だそうです目汗

 

と、帰りの列車がやってきました。この場所から撮っている跨線橋は1903年製など、次の上り列車が来るまでの約30分、じっくり眺めることができましたが、この30分の滞在時間に解説してくださった方、気になって調べてみたところ、浦幌町立博物館学芸員の持田誠さんという方で、この土日は出張見学説明会だったようです。

 

その地元に詳しい方の説明により、地域住民の駅へ愛情や思い出、周辺の環境や歴史などより深くこの駅を知ることができました。浦幌へ戻り、車で宿泊先の帯広へ行きこの日は終了。

 

ところで、なぜこの上厚内に来たのかというのは、北海道らしい温もりのある木造駅舎を見たくて来ました。そのきっかけとなったのが。。。2010年に、

 

所要時間日本最長普通列車滝川発釧路行き2429D列車に乗った時のこと。車窓に見えた木造駅舎。この駅をいつか訪れてみたいと思っていましたが、廃止直前に念願叶いましたきらきら

 

なので今回の旅行は2429Dの準拠訪問。その2429Dをちょっとだけ回想したいと思います。

 

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まずは"日本最長普通列車の比較"

岡山発下関行き384.7km 7時間33分 日本最長距離普通列車(※1)

滝川発釧路行き308.4km 8時間27分(※2) 日本最長所要時間普通列車(※3)

 

※1 2016年3月26日~2017年3月3日

※2 2429D列車の所要時間

※3 2017年3月現在、東鹿越~新得間不通のため運行休止

 

滝川駅で発車を待つ2429D。これから8時間27分に及ぶ長旅のはじまり。

 

幾寅。映画鉄道員で使われた車両が映っています。

 

落合で列車交換。

 

そして…今回の旅行のきっかけとなった上厚内を2429D車内から撮ったところ。壁装が傷んでいます。修繕したのは一体何のためだったんでしょうか?もしかしたら乗客1人未満であっても安全を優先させたのかもしれません。