上白滝 | URAROUTEブログ

URAROUTEブログ

地理的にマニアックな場所を訪ねるページです。鉄道・酷道・険道・県境・飛地・果て・日本一(初・唯一)、無くなる前訪問など。時事ネタが理想的ですが、過去に訪れた所を記録的に残すことで精一杯であること、ご了承ください。

毎年のことながら5月は気分の高低差が激しいですtaionkei☆☆ GWは四川に行ってきたんですが、その記事をお披露目できるのはだいぶ先になりそう汗

 

そしてこの回はどうしても訪れたかった憧れの地のため、削りに削りましたが文章がどうしても長くなってしまいました土下座

 

 

早朝の飛行機とレンタカーで金華駅に行った続き右 は金華と同じく今年3月に廃止される(された)下白滝旧白滝上白滝、それに純な白滝奥白滝を訪ねます。鉄道ファンはこれら駅群をひとまとめに“白滝シリーズ”と呼んでいるようです。

 


下白滝駅 駅舎
白滝シリーズのうち、まず初めに訪れたのは下白滝。JR北海道で2016年廃止予定の16駅のうち、駅舎のある4駅のうちの一つ。


下白滝
列車交換可能でホームは上下別々、上りへは構内踏切(レールを跨いで渡る)で渡れるようなんですが、雪に埋もれた白だけの地面でどこから向こう側へ渡れるのかわかりません。金華駅もここと同じで躊躇ししてしまい、反対側ホームへは行ってませんでした汗


旧白滝駅
東から順に隣の旧白滝。“”が多くある日本の駅で珍しく“”を冠する駅。ここでは鉄道と人とを結ぶ暖ったかエピソードが。。。

 

旧白滝駅時刻表

 

この駅を定期利用していたのは、1日1本のみの列車で高校に通う一人の女子高生だったそうですが、その女子高生が今年卒業を迎えると同時にこの駅も廃止になるそうです。てっきり上白滝でのエピソードいかと思ってましたが、この駅も遠軽方面への列車は1本のみ。


旧白滝駅 待合室内
一人の女子高生のためにJR北海道がこの駅を存続させていたという物語。それがなんと目 海を越え、中国人のカックン も知っていました叫び 中国では称賛の嵐でだそうですえっ 乗客一人のためにJRが駅を存続させたかは疑問はてなマークですが、それは置いておいて。。。


白滝駅 駅名標
遠軽町と合併する前の白滝村の中心、特急の一部が止まる白滝。次駅が両方向とも廃止となり、ダイヤ改正以降は特急停車駅が3連(上川←白滝→丸瀬布)になります。今後北海道で、特急停車駅=普通停車駅にならなければいいんですが。。。


特快きたみ 白滝停車

そこにちょうどよく"特快きたみ"が白滝に到着。列車を撮っていた時のこと、駅舎側で2人の保線員と思われる人が雪かきをしている姿が映りました目 シャベルがキンキンと跳ね返る音を響かせガッチガチ雪結晶の雪と格闘しています。

 

一両分でも大変なのに、特急停車駅とならばその編成分、上り下り別々のホームであればその倍、これが毎日吹雪くとなると。。。叫び 

 

 

都市部にはわからない雪国の大変さを知り、この日の最終目的地へ。。。

 

上白滝駅 駅舎
1日1往復のみで日本一定期列車の本数が少ない駅(※1)、かつ、上白滝から隣の上川までの1時間8分は、一駅間の所要時間が日本一長い区間という2つの日本一を持つ上白滝。廃止にならなければぜひとも列車で来たかった憧れの地感激。

 

秘境駅と呼ばれているようですが、札幌からの特急が走っていること、国道が近くを通り人家もあるので秘境感はなく、本数少の時間的秘境駅と言えると思います。

 

 

そんな時間的秘境駅は2016年3月時点でほかに(※1)JR東日本山田線浅岸駅(当駅と同日廃止)、過去に今は無き石勝線楓駅、さらに遡れば昭和の1986年から存在していて、それほど珍しくなかったようです。石北本線では、
上白滝駅 運賃表

 

白滝から上川までは5駅(上白滝奥白滝上越(1975年廃止)・中越天幕)ありましたが、1986年に中越天幕が既に1日1往復になっています(→2001年廃止)、

 

奥白滝(2001年廃止)と上白滝が土曜日に午前授業を終える学生輸送のため土曜のみ1.5往復(→1992年まで)。

 

 

駅周辺に民家のなくなった奥白滝が2001年廃止になってから24年間、上白滝の1日1往復が存続され続けてきました。
上白滝駅時刻表

 

1日1往復の時刻表。東京から稚内まで1日で到達できるのに、旭川からも到達は不可能。ここから日帰りで旭川に遊びにいけないどころか隣の上川ですら日帰りは不可能。反対に日帰り可能な隣りの白滝へ買い物に行ったとして滞在時間は9時間52分叫び 恐ろしいダイヤに驚愕していたときのことあせる

 

夜の上白滝駅

それは意外でした目 まさか廃墟のような建物に明かりが灯されるとは。そして、この不思議な感覚はいったい。。。灯りがあるだけで建物に生命が宿っているような、駅というのはこれほど人を安心させてくれる場所なんだと、とてもほんわかストーブとしたた気持ちにさせられましたてれ


上白滝
駅到着時は既に同じ目的を持つ人が2名(→どうやって来たのか不思議ガーンはてなマーク)いましたが、定刻通り始発・終電を兼ねた貴重な1日1本の上り上川行き(列車番号:4626D)がやってきて3人大興奮で迎えます。


上白滝駅 上川行き

その2人は乗り込み、4626Dが発車。隣りの上川まで34km、山手線1周よりも長い1時間8分かけて峠を越えていきます。先ほどの2人の方から乗る間際、“気を付けてニコニコ”という言葉をかけてもらいました。見ず知らずにしかも車で楽に来た身に、とっさのことだったので返す言葉が見つかりませんでしたが、こんな暖かい出会いも鉄道ならではなんでしょうか。。。ストーブ


最終列車が行った後の上白滝。


上白滝待合室
上白滝待合室。これから朝まで利用者皆無の時間帯、明かりがあるだけで安心できる空間ですが、これはよそ者の安心にかかるJR北海道の経費汗

 

と、JR北海道が16駅を廃止せざるを得ない理由がよくわかりました。どの駅でもきちんと管理され、ドアの高さに雪が均され、足を取られることなく歩けています。たくさんの人が利用するならばまだしも、この駅のように乗客が1人いるかいないかの駅でも、乗客の安全を最優先に毎日励行しなければならない鉄道会社の責務、経営に重くのしかかっているということ。

 

 

旧白滝の“たった一人の女子高生”のためではなくJR北海道のどの駅でも、利用者の裏でたくさんの人々の努力や支えがあることを知って、本当に来てよかったと思いましたニコニコ

 

 

旭川紋別道 奥白滝IC
とはいうものの…ハイそうです。ここへは鉄道利用で来るのがベスト汗レンタカー利用という姑息な手段と批判されるのは覚悟ですが、最終列車が行った後は、奥白滝ICから旭川紋別道でR333の厳しい北見峠越え回避のラクラク40分で宿泊地の上川へ。徹夜で休まず移動した疲れでビールを一口飲んだらそのあとの記憶がありませんドクロ