おとうとのねじまきパン | 高橋うらら公式ブログ

高橋うらら公式ブログ

児童文学作家のひとりごと

 

おとうとのねじまきパン: ずっとむかし、満州という国であったこと

 

 私が満州に興味を持ったのは、児童文学関係のネットで出会った、やぎおじさま、と呼ばれる高齢の男性との出会いがきっかけでした。今から18年くらい前のことですニコ

 おじさまは、小学校低学年のとき満州から引き揚げてきた経験があり、それを題材にした童話を書かれ、ご自身のホームページには、満州関係の情報を集めて掲載されていましたブーケ2

 私は、話を聞くうちに、自分が満州について何も知らないことに気づき、取材させてくれるようにお願いしたのです猫

 おじさまの出身校、満州にあった新京桜木小学校の同窓会にも何度もお邪魔して、いろいろな方からお話を聞きました。

 その中のお一人が、この『おとうとのねじまきパン ずっとむかし、満州という国であったこと』(合同出版)の主人公の原和子さんです。

 とてもつらい体験ですが、じつは、この方が特別というわけではなく、引き揚げてきた方々みなさんが、大変な思いをされたのでした。

 その後私は、中国の東北部の旧満州地方にも、取材に行ってみました。

 そして、原和子さんの物語の長編の原稿を書き上げていたのですが、なかなか出版に結びつかず、やっと形にすることができました。

 その間に、やぎおじさまも、原和子様も、お亡くなりになってしまいましたえーん 戦争を知っている人たちが、本当に少なくなってしまったのです。

 ところが、今の世界の状況はどうでしょう。また世界のあちこちで戦いが起きています。

 満州がどんな国であったのか理解している方は、おそらくとても少ないと思いますが、太平洋戦争中に日本が何をしたのかをよく知っておくことは、この国の今後に向けても、とても大切なことではないかと思っています。

 この本は、小学校高学年から読めますが、大人の方もぜひ手にとってみてくださいニコニコ