高橋うらら公式ブログ

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児童文学作家のひとりごと

 

おのかつこさんが、国土社からステキな絵本をお出しになりました。

夜空の月を慕う、ふくろうとこうもりの物語。

あったかくて、とにかく絵がステキです。

私が日本児童文芸家協会の『児童文芸』の編集長をさせていただいたとき、おのさんには、1年間表紙の絵をお願いしました。

毎回相談しながら創り上げて行く過程が、楽しかったのを覚えています。

この絵本が、たくさんの方に読まれるよう、心からお祈りしています♡

チャイルドブック みんなともだち7月号に、パラリンピック水泳の金メダリスト、鈴木孝幸選手のお話を書かせていただきました♡

 

今度のパリパラリンピックも応援しています!

 

 

 

 

この街で夢をかなえる: エンタメで地方を元気にするリンゴミュージックの挑戦

 

堀米薫さんの新刊です。

樋川新一さんは、2000年、地元青森県のために弘前アクターズスクールを開きました。授業料は受け取らず、若いメンバーたちにまず礼儀や言葉遣いから指導しました。

樋川さんが社長を務める芸能事務所「リンゴミュージック」は、その後ご当地アイドルグループ「りんご娘」などを排出し、全国的に活躍していきます。

地道な努力が、20年以上の月日をかけて実を結んでいく様子が、丹念な取材に基づいて書かれています。

著者の堀米さんも、リアルファーマーですが、東北と農業を愛する気持ちが、行間からひしひしと伝わってきました。

 

杉原千畝: 「命のビザ」で人びとを救った外交官 (新伝記 平和をもたらした人びと 1)

 

いどきえりさんの新刊です照れ

リトアニア駐在の外交官だった杉原千畝は、ナチス・ドイツの迫害から逃れてきたユダヤ人たちに「命のビザ」を発行しました。

千畝の子ども時代からのエピソードを、歴史的事実に基づいて丁寧に書かれていますニコニコ

まとめ上げるのは、きっと大変だったろうと思います。

いどきさんの、ますますのご健筆をお祈りしていますニコ

 

おとうとのねじまきパン: ずっとむかし、満州という国であったこと

 

 私が満州に興味を持ったのは、児童文学関係のネットで出会った、やぎおじさま、と呼ばれる高齢の男性との出会いがきっかけでした。今から18年くらい前のことですニコ

 おじさまは、小学校低学年のとき満州から引き揚げてきた経験があり、それを題材にした童話を書かれ、ご自身のホームページには、満州関係の情報を集めて掲載されていましたブーケ2

 私は、話を聞くうちに、自分が満州について何も知らないことに気づき、取材させてくれるようにお願いしたのです猫

 おじさまの出身校、満州にあった新京桜木小学校の同窓会にも何度もお邪魔して、いろいろな方からお話を聞きました。

 その中のお一人が、この『おとうとのねじまきパン ずっとむかし、満州という国であったこと』(合同出版)の主人公の原和子さんです。

 とてもつらい体験ですが、じつは、この方が特別というわけではなく、引き揚げてきた方々みなさんが、大変な思いをされたのでした。

 その後私は、中国の東北部の旧満州地方にも、取材に行ってみました。

 そして、原和子さんの物語の長編の原稿を書き上げていたのですが、なかなか出版に結びつかず、やっと形にすることができました。

 その間に、やぎおじさまも、原和子様も、お亡くなりになってしまいましたえーん 戦争を知っている人たちが、本当に少なくなってしまったのです。

 ところが、今の世界の状況はどうでしょう。また世界のあちこちで戦いが起きています。

 満州がどんな国であったのか理解している方は、おそらくとても少ないと思いますが、太平洋戦争中に日本が何をしたのかをよく知っておくことは、この国の今後に向けても、とても大切なことではないかと思っています。

 この本は、小学校高学年から読めますが、大人の方もぜひ手にとってみてくださいニコニコ