今日の言葉はHasenbrot(ハーゼンブロート)=ウサギのパン。
ウサギの形をしたパンでも、ウサギ肉のサンドイッチでもない。これは、お父さんが仕事に行く時に弁当として持っていったパンを食べずに家へ持ち帰ったもののことを言う。
典型的なのは、黒パンにバターを塗ったもの。それだけの質素なパンが、ドイツでは弁当になる。今は、それにチーズかハムをはさんだものが主流だが、バターだけのButterbrotも依然として存在する。ちなみにドイツでは給食がないので子どもたちも弁当持参なのだが、それもたいていButterbrotにチーズかハムをはさんだだけの簡単なパンだ。日本人的感覚では、それをサンドイッチともちょっと呼びたくないような、非常に質素なものである。
このHasenbrotをHasenbütterkenと呼ぶ地方もある。BütterkenはBütterchen(こんな言葉はないが)の訛りで、Butterbrotのことを指す。
子どもが残してきたものもHasenbrotと呼ぶそうだ。でも、典型的なHasenbrotは、お父さんが持ち帰った残りで、それを家の子どもたちが目を輝かせて食べる光景があったのだとか。それどころか、今でもあるらしい。つまり、子どもというのはパパの弁当の残りをもらえるのが楽しみなのであり、食べかけでもう少し古くなったバターパンとは言え、パパの残りを食べるのは子どもにとって幸せであり、そこには愛があるという。Hasenbrotという言葉を聞くと、その光景が目に浮かび、温かい気持ちになるそうだ。
この単語は、小さめの学習用辞書には載っていないが、大独和には載っている。さすが大独和。