今日の言葉はMottowoche(モットーヴォッヘ)。


あるモットーに基づいた一週間、という意味のこの言葉、例えばゴミ拾い強化週間とか、車を使わずに電車で通勤しよう週間といった何らかのモットーに基づく一週間などにも使える言葉だが、今日ご紹介するのはドイツのギムナジウムのある一週間のこと。


4月になり、これからギムナジウムではアビトゥア(高校卒業試験)の季節。このアビトゥアに合格すれば、一生いつでも大学へ行ける。つまり、大学入学試験も兼ねた卒業試験で、その成績は一生モノ。もし落ちたら落第してもう一度来年受けるのだが、アビトゥアは一生に2回まででしか受けられないから、もし2年続けて落ちたら一生大学へは行けない、ということになるし、一回受かってしまったら、その成績は一生変えられない。昔はアビトゥアに受かりさえすればどこの大学にでも行けたのだが、最近は大学進学率がどどーんと上がり、大学側も定員いっぱいいっぱいなので、アビトゥアの成績で受け入れ枠を設けるようになったから、いい成績でアビトゥアに合格することが必要になっている。


そんなわけで、ギムナジウム13年生は今、アビトゥア前でぴりぴり。そんな彼らは、試験前の最後の一週間、Mottowocheと称して毎日あるテーマに基づいた仮装をして登校する。


例えば、ある日は「小学校入学式」というテーマ。みんな、ランドセルを背負い、ドイツの小学校入学に欠かせない大きな円錐形のSchultüte という文房具入れを持ち、いかにも6才の子どもっぽい格好をして登校した。別の日のテーマは「お金持ち」。思い思いにお金持ち風の格好をして登校。「ちぐはぐな格好」というテーマもある。「ディズニー」とか「ロックミュージシャン」とか、わかりやすいテーマもあるが、結構創造力が問われるテーマも多く、見ていると非常に面白い。


久々の更新。今日の言葉はAbonnement(アボンネモン)。フランス語からの外来語なので、ドイツ語読みしない。


オペラやバレエが好きな人は、よくAbonnementを買う。それは、一年間の主な演目が月一回程度ずつセットになっていて、好きな席を予約しておくシステムのこと。毎回第3水曜日とか、週末のみとか、バレエばかりとか、オペラばかりとか、色々取り混ぜて初演だけとか、席もいい席から安い席まで好みによって色々選べるようになっていて、毎回買うよりお得。予定がハッキリしていて劇場ファンにお勧めだ。


このAbonnementという言葉、定期券の年間契約にも使われている。一ヶ月定期はAbonnementとは言わない。年間契約をして初めてAbonnementと言い、割安購入できるようになっている。それが結構悩み所だ。ドイツでは、仕事への交通費は普通支給されず、自分で電車やバスのチケットや定期券を買うかまたは車で通勤するのだが、年間に休暇を結構取るため、全く働かない月や、半月しか定期券を使わない場合も発生する。特に、教師の場合、夏休み・秋休み・冬休み・秋休みと長期休暇が4回もある上、その期間は完全に休みだから、定期券が全く必要ない。すると、年間契約をして割引を受けるべきか否か、非常にギリギリの選択となるのだ。

今日の言葉はEuropaschule(オイローパシューレ)。


これは、ヨーロッパの高校レベルの学校で、その国の視点を超え、その国のカリキュラムを超え、ヨーロッパの立場に立ちヨーロッパ的視点でヨーロッパ人を育てるためのカリキュラムに基づいて教育している学校のことをいう。ここ5年ほど、急激に増えているようだ。


ドイツでも、普通の公立のギムナジウムでバイリンガル教育を謳っている学校がたくさんある。もともとドイツでは小学校3年生から第1外国語としての英語が必修。バイリンガル教育に力を入れているギムナジウム(5年生から高校卒業までの一貫教育校)では、新入生の時から英語教育に力を入れ、6年生の時には地理や化学などの授業がドイツ語ではなく英語で行われる。普通、英語に加え、フランス語などもう一つ外国語を6年生くらいから勉強するのだが、外国語である英語やフランス語などのレベルが高校卒業時にB2レベル(注1)になるような教育を行っている場合、Certilinguaという。


つまり、ドイツでは、国語であるドイツ語はもちろん、英語ともう一つ外国語を小学校の頃からかなり本格的に勉強し、高校卒業時には3カ国語を操れるように教育しているのだ。


Europaschuleは、以上のようなCertilingua教育を行っているような学校のうち、さらに教育カリキュラムがヨーロッパ人を育てるために特別にプログラムされているような学校に認定される。


それだけではなく、9年生(日本の中3)からは、さらにもう一カ国語選択することができる。その外国語も、高校を卒業するまでの5年間のうちにB1位のレベル(注2)になる。11年生(日本の高2)からも、さらに別の外国語を選択でき、卒業までの3年間のうちにやはりB1レベルになる。そして、それらの外国語教育は、ただ文法を習ってテキストを読んで問題を解いて、というものではなく、その外国語を話す国の文化を学び、ドイツと比較し、その外国語で自分の意見を述べることができるようになる、ということが何よりも重視されている。そのような3つめ、4つめの外国語は、ヨーロッパ言語に留まらず、例えば日本語も選択できる。ヨーロッパの言語とは全く異なるアジア言語とアジア文化を勉強することで、ドイツ・ヨーロッパ人としての自分自身をよりはっきり認識できるようになることが目的である。



(注1)欧州語学力評価基準(CEF)のB2レベルのこと。その外国語を母国語とする人と自然な会話ができ、具体的または抽象的で複雑な文章を理解し明確に意見や情報が交換できるレベル。

(注2)同基準のB1レベルのこと。 仕事や趣味や生活など日常的な事柄についての発言や文章が理解でき、自分に身近なテーマであれば、意見を述べたり、その論拠を説明できるレベル。