皆で歌えば幸せ時間 | 世の中ウオッチング

世の中ウオッチング

世の中のチョット気になる出来事を観察してシニアから一言。面白い、楽しい事ばかりでなく、「問題だね、おかしくない?」も拾い上げて行きます。
 ノンシャランに、お気楽に が基本です。

 

  

 

 団地では“ラウンジ懇話会”と称して、毎週、“ミニ・カル(軽)チャー教室”のごとき企画イベントを開催しています。住民が入れ替わり立ち替わり講師となって、自分の持ちネタのなかで参加者も興味を持ってくれそうなテーマで約2時間お話をします。話し手も聞き手も団地住民という地産地消がモットーです。

 内容は、ある時は真理追究型の大学の講義風、かと思えば趣味の体験談、ご隠居のうんちく語りとバラエティです。参加も質疑も自由な雰囲気のサロン風。この催しが、世話役が交替し引き継ぎながら、なんと20数年間729回、続いているのです。企画し・継続してきた諸先輩に敬服です。

 最近のテーマの一端をご紹介すると、「自然エネルギー実用化の現状」「地球温暖化を防ぐ切り札は『生物ポンプ』」「毒草の科学」「植物のコミュニケーション」「日本の桜・世界の桜~講話と新宿御苑桜鑑賞会」「横浜港湾周辺ツアー~解説と現地探訪」「日本の食糧事情について」「万葉集について」「邪馬台国論争の新展開」「天照大神の謎を解く」「幸福な老後の知恵」「認知症サポーター養成講座」「図書館員のための『やさしい日本語』刊行の背景」「横浜花追い人の自画自賛展」「熊野古道の魅力に迫る」「中欧5カ国の気ままな旅」等々硬軟取り混ぜて。

 中でも「日本歌曲の鑑賞」シリーズは人気が高い、とりわけ女性層に。話し手はK大の男性合唱団出身で、希にご自分がアカペラで朗々と唄ってくれるHさん、その回は参加者が増える。やがて「聴くだけでなく皆で歌いたい。クラシックだけでなくポピュラーな曲も加えて」という要望が企画側に伝わってくる。そこで初めて「昭和を謡おう」を企画。懐かしの歌声喫茶の再現です。

 幸運にも、音大教授のピアノ伴奏で、しかも歌に合わせたビジュアル付きの音源を、それも400曲以上を持っている住民がいた。驚きです。2つ返事の協力を頂き、音源はPCに取り込み、映写幕に拡大、スピーカーも揃え準備万端。当日は若き日、フォークソング・グループで舞台に立っていた住民女性も世話役の助っ人に、また仲間で飲み物のサービスも。

 Hさんの指揮で20曲+アンコール。明治の「茶摘み」に始まり戦前の「一杯のコーヒーから」、順次幼少期から終戦後の「長崎の鐘」、青春期に流行した「南国土佐を後にして」「夢で会いましょう」「高校3年生」「バラがさいた」「北国の春」他、締めくくりは昭和53年谷村新司作詞・作曲で山口百恵さんの国鉄キャンペーンソング「いい日旅立ち」まで。それぞれの時代の自分を思い起こしながら精一杯の声で、時にハモリながら2時間、歌い上げました。

 集会所会議室に溢れる声に浸りながら、皆でこの上ない「幸せ時間」を共有しました。