本の要点は書き写す | 世の中ウオッチング

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世の中のチョット気になる出来事を観察してシニアから一言。面白い、楽しい事ばかりでなく、「問題だね、おかしくない?」も拾い上げて行きます。
 ノンシャランに、お気楽に が基本です。

 同じ団地に住む長老から2冊の本が廻って来た。『遅読家のための読書術』(印南敦史著)と『万葉集の植物』(吉野正美解説、川本武司写真)である。

 長老が買い求め自分で読了したものを、仲間にも回覧をしているのだ。これは何時もの事だが、とても有難い。

 

 『遅読家のための読書術』の中の一節に「『他人のおすすめ本』をえり好みせずに読もう」とある。「誰か他人に向けて本を選んでみること、そして、他人に本を選んでもらうことは、読書をするうえで重要な意味がある」とも述べられている。本を選んだ長老にとっても、回覧をしてもらった自分にとっても双方に読書が楽しくなるという、本を通じての会話、価値の共有となる塩梅。

 本選びでは自分の好みに従う。「『読みたい本だけ』だと読書はマンネリ化する」といいうのは体験上わかる。その点でも回覧には意義がある。

 自分で買う場合は専門書の類が多い。本棚が一杯だからもうこれ以上増やしたくないが、専門書は手元に置いておきたいからだ。Kindleも稀に利用するが、どうもしっくりしない。    図書館で借りる時はじっくり読みたい本と読み飛ばしてもよい軽いものとを組み合わせるようにしている。

 

 『遅読家のための読書術』には「なるほど、そうだよな。実は自分もやっているよ」という個所も結構ある。

 特に「はじめに」をしっかり読むことと、「記録する読書法」である。

「はじめに」は同書にもあるように、「その本の目的や要約、(中略)どんな文体で書かれた本なのか、何を目指して進んでいく本なのか」がすぐ把握できる。より端的に言えば「読む価値のある本かどうか」が判断できる。「はじめに」で強調してある箇所を目次で探しそこだけはジックリ読むという習慣ができてしまっている。

 図書館で借りた本の重要な個所は抜き書きして、パソコンに書き写している。覚えようとしても忘れてしまうことが多いからだ。パソコンのサーバーをチェックしたら150冊程度に積み上がっていた。昔論文を書く際の正確な引用の必要性から始めたことだが、今は自分の脳の外付けの記憶装置に転じている。キーワードの箇所は太字や赤字にして検索の際、必要な個所を見つけやすくしている。

 受験勉強の頃、社説を段落に分け、段落ごとに小見出しをつけ、最後に見出しをつけるというトレーニングをしていた。社説以外の他の記事でも同様の方法でトライして、自分の付けた見出しと本物の記事とどう違うか等で遊んでいた。文意を把握するにはキーワードの扱いが鍵になる。インターネット配信の記事や投稿文ではこうした遊びはし難い。

インターネットの場合はその前に「フィルター・バブル」という関門がある。

 最近は「読みたい本で以前買い求めたのが確かに本棚にあるはずだが」と探すのに苦労することが多い。

  読書の楽しみに水を差す。齢には勝てないのかな。